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微生物検査の迅速法の利点と課題―2025

2025/03/28

開催日 2025年5月29日(木)
開催地 Web

■開催日時
2025年05月29日(木) 13:00~16:00

■講師
コダカマイクロバイオロジーアンドサイエンス合同会社 
代表 博士(工学) 獣医師 小高 秀正 氏

《専門》
細菌学、細菌培地学、細菌検査

《略歴》
1978年3月 日本大学農獣医学部獣医学科卒
1980年3月 日本大学獣医学研究課程修士終了
2009年12月 東京農工大学工学府博士後期課程修了
1978年4月~1980年3月 国立衛生試験所衛生微生物部細菌第二室研究生
1980年7月~10月 米国州立ジョ-ジア工科大学英語学校
1980年7月~1982年7月 CDC(米国疾病予防センタ-)Guest Researcher
1993年4月 東邦大学医学部微生物学教室研究生
1983年4月~1985年3月 日本大学獣医学科獣医公衆衛生学教室助手
1985年4月~1987年3月 上野製薬株式会社
1987年4月~1988年5月 川村動物病院代診
1988年6月~2014年7月 日水製薬株式会社
1997年4月~1999年3月 晃陽学園栄養専門学校非常勤講師(生化学、微生物)
2014年8月~2017年3月 日本食品衛生協会 食品衛生研究所 微生物試験部
2016年9月~2017年3月 日本大学生物資源学 非常勤講師 公衆衛生学
2017年4月~2018年3月 日本食品衛生協会 技術参与(非常勤)
2017年5月1日 コダカマイクロバイオロジーアンドサイエンス合同会社設立
2019年3月~ バイオシンス・カーボシンスコンサルタント

《活動等》
2025年現在:日本べんとう振興協会技術顧問、AOAC日本テクニカルアドバイザー、日本防菌防黴学会評議員、つくば国際大学非常勤講師、日本食品衛生協会技術参与
過去経験:国立衛生試験所、米国CDC、日本大学獣医学科、上野製薬、日水製薬、東邦大学医学部大森病院、日本食品衛生協会、日本大学和洋女子大学非常勤講師、常磐大学特任准教授

■趣旨
 微生物の検査は、滅菌した器具・機材の準備、試料の調整、検査の実施、判定、報告書作成など全てを考える必要がある。本講習会では、検査本体の迅速法の利点と課題について述べる。微生物検査における迅速法の研究開発は光陰矢の如しである。
微生物の分離、検出、微生物数測定、微生物の同定などの迅速化検査が製薬、臨床、食品、水、環境などの試料を対象に開発されている。微生物の迅速検出を目的として開発された方法は、感度よく正確で、従来法に比べると早い時間に検査結果が得られる。微生物検査の従来法は作業量が多く、時間も掛かる上、微生物に対する知識や経験も必要とされる。そのために、微生物検査を担当する人は、微生物検査のトレーニングを受ける必要があり、時間と経費が掛かる。検査に従事させることができる人数も減少傾向にある。迅速検出法は、代替法として使われている。この技術は従来の培養法と比べると結果を得るのが早い。通常迅速法には定性、定量、同定の3つの何れかの目的で開発されている。2000年代で、これらに用いられている方法として、DNAやRNAをターゲットとした核酸検出法(PCR法)、抗原抗体反応を応用した検出法、生化学性状を利用した検出法、ATP法のような生物発光検出法、インピーダンス法、フローサイトメトリーなどの方法があった。2025年では、核酸増幅法、ATP生物発光法、蛍光染色法(DEFT)、ファージ型検出法、フローサイトメトリー、固相サイトメトリー、ガス測定法、ヘッドスペース圧力法、インピーダンス法、脂肪酸分析法、フーリエ変換赤外分析法、生化学検査法、免疫学的方法、質量分析法、自己蛍光法、直接レーザースキャン法などである。
 迅速法の利点は製造業の観点から、原材料の迅速な合否の判定し工場内に持ち込み製造工程に移行でき、速やかに製品を市場に出すことができる。製造工程にマッチする迅速法は、製造工程と迅速検査機器の両方をよく知るチームの編成が必要である。いくつかの迅速法は検査室での検査員の主観を減らして気持ちを楽にする。自動化されたシステムはあてずっぽうの仕事を減らしいい加減な合否判定をせずに結果を明確にすることができる。
 迅速法は、先行資本投資が必要であり、1試験にかかる価格は従来の培養法に比べると高価である。また、迅速検出法の課題として、新しい迅速検出法が開発されたときには、従来法と比較される。迅速法は、従来法と原理が違うことが多く、従来法よりも感度が良い場合があるため正当な評価は出来ないことが多い。これらの利点欠点を知ったうえで、迅速法の導入を検討する必要がある。

■プログラム 1.微生物検査で使われる単語の確認
2.微生物検査の迅速化の必要性
3.迅速微生物検査項目
4.迅速微生物検査の対象領域
5.迅速微生物検査の利点
6.迅速微生物検査の課題
7.まとめ

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