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複雑化するADCのCMC課題をどう解決するか WuXi XDCが示す“分断なき” 研究〜商用化の開発加速戦略

WuXi XDC

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     Jun Hu氏

 抗体医薬および抗体薬物複合体(ADC)は、次世代バイオ医薬品の中核モダリティとして急速に存在感を高めている一方で、抗体・リンカー・ペイロードを組み合わせる複雑な構造ゆえに、開発・製造プロセスは高度化し、スピードと品質の両立が大きな課題となっている。こうした課題に対し、WuXi XDCは、創薬から商用化までを一貫して支援する統合型プラットフォームによって解決を図っている。
 2026年4月23日に東京ビッグサイトで開催されたCPHI Japan 2026で講演したWuXi XDC副社長であり、CEC部門およびシンガポールサイト管理責任者を務めるJun Hu氏は、「ADC開発の複雑性は年々高まっているが、それをシンプルにするのが当社の役割」と同社サービスの概要を示した。本稿ではその全体像を紹介する。

 

■グローバルCRDMOとしての基盤と信頼性

 ADCやバイオコンジュゲートに強みを持ち、同分野で世界をリードするWuXi XDCは、2021年にWuXi Biologicsの子会社として設立された。Hu氏はまず、WuXi XDCのサービス基盤ともなる、グループのWuXi Biologicsについての紹介から講演をスタートした。

 「WuXi Biologicsは、顧客は世界で1,000社以上、年間200件規模のプロジェクトに対応できるグローバル企業です。50万L超の生産キャパシティとグローバル供給体制を持ち、研究・開発・製造を一体化した世界的なCRDMOとしてビジネスを展開しています。規制当局の査察で重大な指摘を受けたことはなく、データインテグリティ違反もゼロを維持しています。また、Intellectual Property(知的財産)は顧客との“生命線”であるという考えに沿って、最優先で遵守して業務を行っています」。

 Hu氏は、対応サービスの幅広さとともに、世界的に課題となっている品質確保や堅牢なデータ管理といった観点でも強みがあることを説明。こうしたバックグラウンドがあるからこそ、高度な技術を要するADC開発において、WuXi XDCは設立5年で市場の信頼を勝ち得ていることを示唆した。
 

■エンドツーエンドを実現するシングルソース戦略

 ADC開発では、複数工程が密接に連携するため、工程間の分断が開発遅延の要因となることが知られている。そのため、いかに研究から商用製造までの各ステップをスムーズに連携させるかが、プロジェクト成否の鍵を握る。

 Hu氏は「従来の分業型では工程間にギャップが生じます。これによって開発ステップから商業生産まで、データ統合と的確な移行が難しくなり、プロジェクト管理上のボトルネックになりかねません。そこで当社では、研究から製造までを一貫して提供する“シングルソースモデル”を採用しています。専任チームがプロジェクト全体を統括することで、迅速な意思決定が可能になります」と述べ、統合体制の優位性を示した(図1)。このようなシングルソースモデルの導入により、従来は複数CDMO間で分断されがちなプロセスを一体化できる点が同社の大きな強みだ。

 さらに、「当社では抗体、リンカー、ペイロードといった異なる技術領域や工程を1つのプラットフォームで管理することで、データの一貫性と技術移管の確実性を担保できます。1つのチームが全工程を統括することで、問題発生時の対応スピードが格段に向上するので、結果的に開発全体のリスク低減につながります」とし、単なる工程統合にとどまらない全体管理という観点での価値を説明した。
 

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             図1 ADC/XDCの統合開発フロー(シングルソースモデル)

 

■開発期間を大幅に削減するインパクトと
 成長するADC市場と技術進化への対応

 統合戦略の大きな価値は、開発スピードにある。Hu氏は「通常24~30カ月かかるDNAからINDまでの期間を、当社は平均13~15カ月まで短縮できます。複数工程を並行して進めることで、全体のリードタイムを圧縮できるためです(図2)。COVID-19抗体プロジェクトでは、DNA配列確定からUS IND申請を最短2.5カ月で達成しました。統合管理によってスピードと品質を両立することが可能だと示される端的な事例だと思います」と例示した。

 開発期間の短縮は、そのままコスト削減と競争力向上につながるため、同社が提供する統合モデルは、スピードと品質を両立することで経済的メリットを最大化するための取り組みだとも言えるだろう。

 「ADC市場は現在、急速に拡大しています。2025年には、130件のADCが新たに臨床入りし、商業化に向けた新たな波が到来しています。技術面では、二重特異性ADCやデュアルペイロードADCなどの新しいフォーマットも登場し、ADCはすでに次の進化段階に入っているといえるでしょう」とHu氏は概括した。

 こうした市場の拡大を背景に、開発ニーズも高度化しているのが現状だ。従来の単一抗体ベースのADCに加え、より複雑な設計や新規ターゲットを狙う開発が増えており、さらに臨床後期段階に進むプロジェクトも増加しているため、製造スケールや品質要件も一段と厳しくなっているのである。

 このような変化に対応するためには、研究段階から商業生産を見据えた設計が不可欠になるため、早期から製造を意識した開発を行うことで、後工程でのリスクを大幅に低減させることが必要不可欠として、統合型アプローチの重要性を改めて指摘するとともに、商業生産を開発初期から見通せるハード面の整備の必要性を訴えた。
 

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             図2 DNAからINDまでの開発期間比較

■シンガポール拠点が支えるグローバル展開

 市場の急速な進展と開発高度化に合わせて同社は、設備面の強化も迅速に進めている。その一例としてHu氏は、「当社のシンガポール拠点は、抗体中間体から原薬、製剤までを統合した“オールインワン製造拠点”であり、商用製造を支える重要な基盤になります。モジュール型建設により、施設立ち上げを大幅に短縮したスピードと品質を両立する新しい製造モデルになります」と語り、グローバル供給体制の中核となるシンガポール拠点を紹介した。

 同拠点は、抗体中間体からADC原薬、製剤までを一体化した施設として設計されており、臨床段階から商用製造まで幅広く対応できる点が特長である。さまざまなスケールの製造ニーズに柔軟に対応できる設計となっているため、顧客のニーズに柔軟に対応できる点が大きい(図3)。

 Hu氏はさらに、「グローバルから専門人材を集め、既存拠点と同等の技術力を確保しています。既存拠点との技術移管を容易にすることで、供給の安定性を高めるという点にも配慮しています」と述べ、設備だけでなく同拠点の人材面や運用面でも高いレベルを維持していることを説明した。
 

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                図3 シンガポール拠点の概要

■統合力が創薬のスピードと成功確率を高める

 ADCのような複雑モダリティの開発では、個別技術だけでなく、開発全体を俯瞰した統合力が求められる。Hu氏は講演の最後に「重要なのは、研究から製造までをシームレスにつなぐことです。当社の使命は、パートナー企業の成功を通じて、患者に価値を届けることにあります」と改めて強調して締めくくった。

 WuXi XDCのエンドツーエンド型モデルは、開発スピード、品質、供給のすべてを最適化する新たな標準となる可能性を秘めている。今後、ADCのような高度なモダリティの市場拡大が伸長することが見込まれる中で、同社が提供する統合型CRDMOの役割は、一層重要性を増していくと考えられる。

 


■お問い合わせ
WuXi XDC
〒108-6028 東京都港区港南2-15-1 品川インターシティーA棟28F
E-mail:wuxixdc_info@wuxibiologics.com
URL:https://wuxixdc.com/
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