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カネカのCDMOサービスにおけるフロー合成技術の特長を探る
~アステラス製薬との連携でフロー合成反応の製造を実現~

カネカ

 先端素材とバイオ技術を基盤とするソリューションプロバイダーであるカネカが、フロー合成技術を活用することで、医薬品原薬および中間体を安定的に供給するCDMOとしての地位を確立している。同社の技術力の高さとフロー合成技術によってアステラス製薬の医薬品中間体の製造における課題を解決した事例について、協業に携わった関係者に話を聞いた。

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左より、内田氏(大阪合成有機化学研究所)・髙松氏(アステラス製薬)・村田氏、前原氏(カネカ)

■長年培った知見と技術、開発力が強み

 カネカが、医薬品原薬および中間体のCDMOとして注目を集めている背景には、酵素技術やフロー合成技術といったユニークな技術を保有し、50年以上の実績を持つことがある。また、高砂工業所とカネカシンガポールにおいては米FDAの査察実績を有している。これらを強みに、臨床初期から商業生産に至るまで一貫したサービス提供を可能としている点が特長である。

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        カネカのCDMOサービス

 「当社は、製造プロセス開発から製造まで一貫対応が可能です。製薬企業様のレシピに基づき高品質な製造を実現するだけではなく、酵素技術やフロー合成技術を活用し、より効率的な合成法を提案するとともに、適切な分析法の開発も行う事もできる点が強みです」と、同社Pharma & Supplemental Nutrition SolutionsVehicle Pharma部 Marketing & Salesチームの前原克治氏は語る。

 さらに、酵素技術については、酵素の活性部位を改変することで性能を高める独自技術も保有している。
 「酵素は、基質選択性および立体選択性に優れ、目的とする光学活性体を高効率に合成できる技術です。一方で、基質に適合する酵素の選定が重要で、当社では独自の酵素ライブラリを構築しています。加えて近年は、新たな強みとしてフロー合成技術の高度化にも注力しています」(前原氏)。

 

■フロー合成技術をCDMOビジネスに展開

 フロー合成技術は、反応原料を連続的に供給しながら反応させる手法であり、温度・圧力・滞留時間を精密に制御できる点が特長である。これにより高い再現性を確保できるほか、発熱反応や危険物質を扱う場合でも安全性と生産性の両立が期待できるだけでなく、副生成物の抑制や収率向上にも寄与する。カネカは10年以上にわたるラボでの検討を通じ、液-液、液-固、液-ガスなど複数の反応に経験を持つ。

 また、グループ内の大阪合成有機化学研究所赤穂工場、カネカシンガポールにおいて、GMP環境下でのフロー合成を実施している国内CDMOとしても数少ない存在である。

 「フロー合成技術の導入により、従来は困難だった反応の安定化やスケールアップが可能になります。当社の強みは、単なる連続化ではなく、反応条件の最適化から装置設計まで含めたトータルソリューションを提供できる点です」と、同社API研究チームの村田貴彦氏は強調する。

 さまざまな反応に対応するとともに、マルチパーパス設計により、コイル変更のみで異なる製品に対応可能な柔軟性が大きな特長だ。このような体制により、研究開発から商業生産まで、顧客ニーズに応じた迅速かつ堅牢な製造プロセスの構築と製品供給を可能としている。
 

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           カネカグループのフロー合成技術と製造設備

■アステラス製薬の課題をカネカとの連携で解決

 このフロー合成技術に着目したのがアステラス製薬である。アステラス製薬は、3原料を用いた環化反応と酸化反応からなる医薬品中間体の製造において、バッチ法では製品の着色や収率低下といった課題を認めていた。フロー法への切替を目指し自社にて検討を進めていたが、将来を見据えて、GMP製造に向けたスケールアップや設備設計の経験を有するカネカに協働を打診した。これに対しカネカは、自社設備に適した改良として3流路の液-液フロー合成プロセスを提案し、連携した取り組みが始まった。

 「スケールアップ検討において、フロー工程の品質リスクアセスメント(QRA)検討業務は、従来法では43実験必要であったところ、決定的スクリーニング法による実験計画法を導入したことで18実験に削減することに成功しました。検討パラメータに関しては、アステラス製薬様と協議しながら適切な検討因子を設定し、製造設備の仕様や製造時の仕込み誤差を考慮したうえで、パラメータレンジにおける品質への影響を体系的に調査しました。アステラス製薬様との取り組みにより、フロー工程に関して規制当局との議論にも十分活用できるデータ取得を完遂できました」と、村田氏は説明する。

 また、大阪合成有機化学研究所赤穂工場製造課長の内田雅俊氏は、「模擬液による検証、送液安定化条件の確立、温度制御、排出プログラムの構築などは、製造を行う大阪合成有機化学研究所において行いました。プログラムや設備の調整が生じましたが、これまでの経験を活かし、迅速かつ柔軟に対応できました。」と語る。これらの各社の知見の融合により、製品外観の改善と収率向上を両立したGMP準拠の製造プロセスでの製造を完遂した。
 

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             大阪合成有機化学研究所のフロー製造設備

■新薬開発のスピードアップと負担軽減に貢献

 課題解決にカネカとともに取り組んだアステラス製薬原薬研究所合成技術第1研究室の髙松悠正氏は、「CDMOとして豊富なスケールアップ検討およびGMP製造の実績に加え、実際の申請経験に基づく管理戦略構築のナレッジを有するカネカ様との取り組みで、検討を効率的に進めることができました。カネカ様が有するマルチパーパス型のフロー製造設備は、IND取得から申請までのスピードアップが強く求められる中、コイルの変更のみで最適な製造を開始でき、有用性が高いコンセプトであるとともに、製造開始までのリードタイム短縮や設備投資負担の低減という観点から大きなメリットと感じました」と話す。

 「お客様の変化するニーズに寄り添いながら、酵素技術とフロー合成技術を武器に、迅速なプロセス開発と高い品質水準を両立した安定供給体制を構築し、国内外の製薬企業様の新薬開発の加速および供給体制強化に今後も持続的に貢献していく」と前原氏は今後を見据える。

 カネカのフロー合成技術は、製造の効率化と品質向上を両立する有力なソリューションとして、今後さらなる展開が期待される。

 


■お問い合わせ
株式会社カネカ Pharma & Supplemental Nutrition Solutions Vehicle Pharma部
〒107-6028  東京都港区赤坂1-12-32
TEL:03-5574-8112(平日10-17時)
E-mail:finechem@kaneka.co.jp
URL:https://www.fcd.kaneka.co.jp/
 

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