開催日 | 2024年11月13日(水) |
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開催地 | Web |
【開催日時】
2024年11月13日(水) 10:30~16:30
【講師】
近畿大学 生物理工学部 生物工学科 教授 鈴木 高広 氏
《専門》
粉体化粧品工学,バイオリアクターシステム
《略歴》
1988年3月 名古屋大学大学院農学研究科 博士課程修了
1988年4月 マサチューセッツ工科大学 博士研究員
1989年4月 工業技術院名古屋工業技術研究所
1992年9月 英国王立医学大学院 留学
1996年4月 東京理科大学基礎工学部生物工学科 准教授
2000年12月 トピー工業(株)マイカ部 化粧原料開発リーダー
2004年10月 日本ロレアル(株)メイクアップ化粧品開発室マネージャー
2010年 4月 近畿大学生物理工学部生物工学科 教授
【価格】
非会員: 55,000円 (本体価格:50,000円) 会員: 49,500円 (本体価格:45,000円)
会員(案内)登録していただいた場合、通常1名様申込で55,000円(税込)から
・1名で申込の場合、49,500円(税込)へ割引になります。
・2名同時申込で両名とも会員登録をしていただいた場合、計55,000円(2人目無料)です。
【習得できる知識】
1)粉体化粧料の物性測定方法と化粧品への応用方法
2)化粧品の使用感と化粧効果の機器測定
3)肌の保湿効果の評価法と保湿機能の改良法
4)新規化粧品・複合粉体の開発方法
5)紫外線の防御技術
6)マイクロプラスチックビーズ代替原料開発
7)ボタニカル評価法とボタニカル化粧品開発
【趣旨】
水分率が高く張りのある肌は,素肌感と透明感のある明るい若々しい外観をもたらします。従来よりもツヤを抑え保湿効果をもたらすプレストケーキファンデーションがこのところのトレンドです。肌面水分率計では分からない保湿効果を調べるために,最近注目を集める赤外線サーモグラフィと切り餅を用いた保湿効果試験法や,マイクロプラスチックビーズの代替素材として使用感や保湿効果にも役立つ多孔質セルロースビーズや多孔質ボタニカルシリカ開発についても詳しく紹介します。
新たに開発したボタニカル評価法は,肌にも植物にも優しいボタニカル化粧品を創出することに役立ちます。植物の葉は人の肌と同様に,紫外線や乾燥を防ぐ機能が不可欠です。甘藷葉塗布試験では,肌の有効成分を含む医薬部外品が,甘藷の生育にも良好な結果となりました。
紫外線(UV)や近赤外線(NIR),ブルーライトによる肌の光老化や各種ストレスによる肌の老化作用を防ぎつつ,心地よい使用感を与えるパウダー技術も注目されています。化粧品各社は高いSPFやPAと心地よい使用感を与える製品開発に四苦八苦しています。粉砕機器メーカー(日本コークス工業)との共同研究により開発した1-stepスラリー混合乾燥プロセス技術を具体例に,配合組成を変えずにSPFを高め,使用感を改善する製品加工技術の創出方法を紹介します。
人工知能AIを化粧品開発に応用するためにも,化粧品の粉体物性の各種機器分析方法の解説を通し,粉体技術の基礎から応用まで理解を深めます。
【プログラム】
1.ファンデーションの粉体技術と市場動向
(1)化粧品市場における消費動向の変化
(2)日本人の肌の美白化とメイクアップ化粧品のトレンドの変化
(3)メイクアップ化粧品の粉体技術;
体質顔料・着色顔料・光学的微粒子・結合油剤
(4)AI化粧品開発に不可欠な機器分析データと処方設計方法
2.粉体化粧品の使用感の官能評価と機器分析の基礎
(1)素肌のような透明感を演出する粉体技術
(2)アスペクト比と粉体形状係数
(3)雲母,タルク,セリサイト,合成マイカの物性と用途の違い
(4)フワッと軽くのびる粉体の心地よさと嵩密度と動摩擦係数
(5)均一にのびてピタッとつく付着力と分散性と結合油剤の影響
(6)隠す効果とぼかす効果の光学的機能の差異と粉体形状と屈折率の関係
(7)化粧くずれを防ぐ持続性の官能指標と粉体の物性機能
(8)ファンデーションの皮脂濡れによる
外観の変化と撥水撥油効果をもたらす表面処理
(9)製品開発に用いる機器分析の常用項目
3.肌の光老化防御と紫外線・近赤外線の遮蔽技術の設計方法
(1)紫外線・ブルーライト・近赤外線による
肌の光老化と防御剤の特徴SPFとPA
(2)紫外線・近赤外線遮蔽複合粉体の設計と使用感の改良
(3)湿式充填プレス法と乾式粉砕プレス法の特徴
(4)湿式スラリー複合化と撹拌乾燥・
溶媒回収工程の1ステップ連続処理プロセス
(5)処方を変えずに紫外線・近赤外線防御効果を高め,
使用感を改善する粉体加工プロセス技術の要点
(6)日射防御効果を評価するボタニカル評価試験法
4.赤外線サーモグラフィと切り餅と
ボタニカル評価法を用いた保湿機能と持続性の改良方法
(1)肌の保湿機能と老化メカニズム
(2)保湿剤による水分蒸散加速メカニズムの検証
(3)肌の保湿効果測定の問題点;
肌水分率計,経皮水分蒸散量計,ラマン分光計
(4)切餅を用いた化粧品の保湿効果試験法による保湿機能の改良法
(5)赤外線サーモグラフィ解析と
切り餅試験法による保湿メカニズムの解析と評価
(6)マイクロプラスチックビーズ代替多孔質セルロースビーズの新機能開発
(7)ボタニカル化粧品の処方設計と植物栽培試験法