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技術コラム:JP18第一追補のポイント

登録日:2023/01/17

令和3年6月7日から、第十八改正日本薬局方(JP18)が施行されています。
「日本薬局方の一部を改正する件」(令和4年厚生労働省告示第355号)が、令和4年12月12日に公布され、同日からJP18第一追補が施行されることになりました。

JP18第一追補の施行に伴い、令和6年6月30日までに承認事項一部変更承認申請等の必要な措置を行うとともに、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に抵触することがないよう、遅滞なく改正後の基準に改める必要があります。
 
製薬メーカー等でJPに従った試験に従事する方のため、第一追補のポイントについて、一般試験法、医薬品各条及び参考情報の概要を技術コラムとしてまとめました。
 
概要は、以下の通りです。
●第一追補の一般試験法の新規収載・改正のポイント
一般試験法の新規収載は、以下3点です。
・2.00 クロマトグラフィー総論
・2.27 近赤外吸収スペクトル測定法
・2.28 円偏光二色性測定法
 
クロマトグラフィー総論は、日米欧三薬局方検討会議(PDG : Pharmacopoeial Discussion Group)で、調和合意された内容が新設されました。
近赤外吸収スペクトル測定法は、JP18参考情報<G1-3-161>より、移行して新設されました。
円偏光二色性測定法は、JP18参考情報「バイオテクノロジー応用医薬品(バイオ医薬品)の品質確保の基本的考え方」<G3-1-180>において、特性解析の目的物質の二次構造や高次構造に関する情報が得られる分析手法として軽く触れられているたけでした。今回、一般試験法として一つの章として新設されました。
 
一般試験法の改正は、以下8点です。
・2.01 液体クロマトグラフィー
・2.02 ガスクロマトグラフィー
・2.22 蛍光光度法
・2.58 粉末X線回折測定法
・3.04 粒度測定法
・9.01 標準品
・9.41 試薬・試液
・9.42 クロマトグラフィー用担体/充填剤
 
●第一追補の医薬品各条のポイント
新規追加が11品目、改正が82品目、削除が2品目ありました。
重要なポイントは、医薬品各条の横断的改正として、重金属試験及び個別金属不純物試験の削除がなされたことです。
これは、一般試験法の2.66 元素不純物が適用される医療用医薬品製剤及びその構成成分(原薬、添加剤等)では医薬品各条の重金属及び個別金属不純物試験の規定に基づく管理が不要となったためです。
 
●第一追補の参考情報の新規収載・改正のポイント
参考情報の新規収載は、以下5点です。
・液の色に関する機器測定法(G1-4-181)
・クロマトグラフィーのライフサイクル各ステージにおける管理戦略と変更管理の考え方(クロマトグラフィーのライフサイクルにおける変更管理)(G1-5-181)
・せん断セル法による粉体の流動性測定法(G2-5-181)
・微生物試験における微生物の取扱いのバイオリスク管理(G4-11-181)
・製剤に関連する添加剤の機能性関連特性について(G9-1-181)
 
参考情報の改正は、以下5点です。
・化学合成される医薬品原薬及びその製剤の不純物に関する考え方(G0-3-181)
・システム適合性(G1-2-181)
・日本薬局方収載生薬の学名表記について(G5-1-181)
・錠剤の摩損度試験法(G6-5-181)
・製薬用水の品質管理(GZ-2-181)

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