エマーゴ・ジャパン・コンサルティング株式会社

2025年HFES国際人間工学シンポジウムの主要ポイント整理

登録日:2026/03/02

Emergo by ULは、ここ数年、HFESとよばれる人間工学分野の研究・実践を世界の専門家が共有し議論する年次学会イベントに参加しています。今年は3月下旬に開催予定です。今回は昨年2025年のHFES関連のトピックを紹介します。

2025年HFES国際人間工学シンポジウムでは、医療機器分野におけるヒューマンファクター(Human Factors: HF)の最新トレンドが包括的に共有され、多様な視点から実務に役立つ知見が提示されました。昨年は特に、効率性と安全性の両立を実現するための実践的アプローチが注目され、検証手法の最適化、AI活用の可能性、OTC医療機器の自己選択試験の負荷軽減など、多岐にわたる議論が展開されました。これらの内容は、医療機器開発に携わる企業や専門家にとって、将来の方針策定に有益な示唆を与えるものでした。


1. 小規模サンプルに基づくHF検証の妥当性についてのディスカッションは、従来の大規模試験が必須とされる風潮に新たな視点を提供しました。メタ分析結果を踏まえ、サンプル数と検出される課題との相関が整理されることで、実務において適切な検証規模の選択に寄与する知見が示されました。これにより、限られたリソースの中でも合理的な検証計画を立案する道筋が描かれました。

2. 規制当局が求める「HFデータ」の解釈に関する議論では、必ずしも検証試験だけが要求に応える手段ではない点が整理されました。ユーザーリスク分析や類似機器比較など、代替手法の活用によって、効果的かつ効率的に安全性・有効性を証明する可能性が示されました。こうしたアプローチは、企業の負担軽減につながるだけでなく、開発期間の短縮にも寄与すると期待されます。

3. OTC医療機器の自己選択試験に関するセッションでも、試験デザインの工夫によって実務負荷を下げる手法が共有されました。特に、消費者の意思決定プロセスを的確に捉えた設計やシナリオ設定が重要であり、過度な試験要求を避けながらも信頼性の高いデータを得るための実践的知見が示されました。

4. AIの活用については、設計支援やデータ解析領域においてHF実務を補完する有効性が示されました。AIはユーザー行動データの解析効率を飛躍的に高め、設計段階でのリスク検討や改善余地の可視化にも活用できます。本シンポジウムでは、多様なAI応用事例が紹介され、HF業務との親和性が改めて強調されました。


以上を踏まえ、昨年のシンポジウムはHF分野の成熟と進化を象徴する内容であり、現場実務の高度化に向けた具体的な方向性を明確に示すものでした。主なポイントは以下の通りです。
・小規模サンプル検証の妥当性と活用可能性が示された。
・規制要求への柔軟なアプローチが紹介された。
・OTC自己選択試験の負荷軽減策が共有された。
・AI活用がHF業務の高度化を後押しすることが示された。

Emergo by ULは2026年3月22日から25日にかけてニューヨークで開催されるHFES(Human Factors & Ergonomics Society)に参加いたします。ご興味がある方は是非お越しください。
https://www.hfes.org/

【略語一覧】
HFES:Human Factors & Ergonomics Society
AI:Artificial Intelligence
MDD:Medical and Drug Delivery Device

【キーワード】
HF / Usability / HFES / AI / Artificial Intelligence / Medical Device / Drug Delivery
 

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