開催日 | 2025年3月27日(木) |
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開催地 | Web |
マイクロプラスチックの基礎および最新の研究・取り組み動向
~生成メカニズム、環境中での分布と動態、分析手法、課題と方向性など~
<Zoomによるオンラインセミナー:見逃し視聴有>
★マイクロプラスチックの環境・生体への様々な影響や、
国際的な政策・規制動向および課題をふまえた解決策など、各種情報が満載!
★基礎知識の習得・現状把握に最適な、今後の活動の指針となる講座です!
講師
国立大学法人群馬大学大学院 理工学府 特任教授 黒田 真一 氏
講師紹介
*ご略歴:
昭和63年4月 群馬大学助手(工学部附属応用複合材研究施設)
平成14年4月 群馬大学助教授(工学部)
平成19年4月 群馬大学大学院准教授(工学研究科)
平成20年3月 群馬大学大学院教授(工学研究科)
平成20年10月 クレスール株式会社取締役(兼務)
平成24年4月 群馬大学理工学研究院教授
平成25年4月 群馬大学大学院理工学府教授
令和 5年 4月 群馬大学大学院理工学府特任教授
現在に至る
*ご専門および得意な分野・研究:
・高分子化学、プラズマ化学、表面化学
*本テーマ関連学協会でのご活動:
・マテリアルライフ学会 会長(2015年~)
・高分子学会 グリーンケミストリー研究会 運営委員(2010年~)
・ISO/TC61/ SC6 国内代表委員(2015年~)、SC14/WG4 国内委員(2019年~)
・繊維学会堅ろう度標準化研究委員会 委員(2022年10月~)
●日時 2025年3月27日(木) 10:30-16:30
●会場 会場では行いません
●受講料
【オンラインセミナー(見逃し視聴なし)】:1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
【オンラインセミナー(見逃し視聴あり)】:1名52,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき41,800円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
*受講料やセミナー申し込み~開催までの流れなど、詳細については、弊社HPのセミナーページを必ずご確認ください。
○セミナーポイント
近年、マイクロプラスチック汚染は地球規模で深刻化し、海洋環境のみならず、淡水、土壌、大気、さらには生態系や人体への影響も懸念されています。この講演では、マイクロプラスチックについて基礎から最新の研究動向までを網羅し、生成メカニズム、環境中の動態、分析手法、さらにはその影響や解決策について具体的に解説します。現状の課題や未解明の点も含め、専門家や実務者、研究者が持つべき知識と視点を提供し、問題意識の共有と解決への一歩を目指します。
○受講対象:
環境・CSRの担当者
プラスチック製品製造企業の技術者・開発者
廃棄物処理業界やリサイクル事業に従事する方
環境モニタリングや規制策定に関わる方
環境保全に関心がある一般市民の方
○受講後、習得できること:
マイクロプラスチックの基礎知識
1次・2次マイクロプラスチックの違いと生成メカニズム
環境中での動態と分布のメカニズム
最新のデータと動向
海洋、淡水、土壌、大気中のマイクロプラスチックの分布実態
生態系・人体への影響に関する最新の研究成果
分析手法の理解
マイクロプラスチックの採取、前処理、定量・定性分析方法
分析手法ごとの特徴・課題・適用例
問題解決に向けた視点とアプローチ
産業界におけるマイクロプラスチック削減の具体的取り組み
政策や規制の現状と今後の展望
代替材料(生分解性プラスチック等)に関する知識
今後の研究や実務の方向性
未解明な課題の把握と新たな研究のヒント
実務者が現場で活かせる具体的な解決策や提案
○セミナー内容:
1. 講演の導入
・講演の目的と背景
・マイクロプラスチック問題の現状と深刻さ
・国際的な動向と取り組み
2. マイクロプラスチックの定義と種類
・マイクロプラスチックの定義とサイズ分類
・1次マイクロプラスチックと2次マイクロプラスチック
・主なプラスチック材料と特性
3. マイクロプラスチックの生成メカニズム
・2次マイクロプラスチック生成の経路
物理的劣化(摩耗・砕断)
紫外線・熱による化学的劣化
生物的分解(微生物による影響)
・合成繊維由来のマイクロプラスチック生成
・廃棄物処理過程における生成と拡散
4. マイクロプラスチックの環境中での分布と動態
・海洋環境
海洋表層水・深層水での分布
沈降・堆積メカニズム
沿岸部と外洋での分布の違い
・淡水環境
河川、湖沼、地下水への影響
上流から下流への輸送経路
・土壌環境
農業由来のマイクロプラスチック
廃棄物処理場や堆肥化過程での蓄積
・大気環境
大気中での移動・拡散
人工粒子(塵埃)との関連
5. マイクロプラスチックの動態と拡散の課題
環境間の移動:大気→水系→土壌
気候変動との相互作用
研究データの地域差・時間差の問題
6. 生態系・生物への影響
・マイクロプラスチックの生物蓄積
水生生物(魚類、甲殻類、貝類)への影響
陸生生物と植物への影響
・食物連鎖への影響:生物濃縮のメカニズム
・マイクロプラスチックによる物理的・化学的毒性
有害化学物質の吸着と放出
生理機能・代謝への影響
7. 人体への影響と健康リスク
・マイクロプラスチックの経口摂取経路(食品・水)
・吸入による影響(大気中の粒子)
・健康リスク評価と課題
長期曝露における影響の未解明性
8. マイクロプラスチックの分析手法
・試料採取と前処理
海洋水・土壌・大気からのサンプリング
前処理方法(分離・濃縮・ろ過)
・分析技術
光学顕微鏡法・蛍光顕微鏡法
フーリエ変換赤外分光法(FTIR)
ラマン分光法
熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析法(Py-GC/MS)
電子顕微鏡法(SEM/TEM)
・定量・定性分析の課題
微細粒子検出限界の問題
データ標準化の必要性
9. マイクロプラスチックの管理・削減への取り組み
・プラスチック製品のライフサイクル分析(LCA)
・代替材料の開発(生分解性プラスチック)
・政策・規制の動向
国際条約(SDGs、UNEP)
国内外の法規制と施策
・産業界の取り組みと技術革新
10. 現状の問題点と今後の研究課題
・マイクロプラスチックデータの不均一性と不足
・微細粒子(ナノプラスチック)の研究不足
・環境影響評価手法の標準化の必要性
・健康リスク評価の長期的データ不足
・国際的連携とデータ共有の課題
11. 将来展望と提言
・科学技術による解決策の提案
・多分野連携による包括的研究の重要性
・持続可能な社会に向けたマイクロプラスチック削減戦略
<質疑応答>