開催日 | 2025年3月24日(月) |
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開催地 | Web |
【開催日時】
2025年03月24日(月) 12:30~16:30
【講師】
技術コンサルタント 金井 宏行 氏 【元 花王(株)】
【専門】
分散系のレオロジー、サイコレオロジー
【略歴】
1980年 東京大学工学部合成化学科 卒業
1982年 東京大学工学系研究科合成化学専門課程 修了
1982年 花王(株) 入社
1985年~1986年 ミネソタ大学化学工学科
1990年~1993年 千葉大学自然科学研究科
2021年 花王(株) 退社
【価格】
非会員: 49,500円 (本体価格:45,000円) 会員: 46,200円 (本体価格:42,000円)
会員(案内)登録していただいた場合、通常1名様申込で49,500円(税込)から
・1名で申込の場合、46,200円(税込)へ割引になります。
・2名同時申込で両名とも会員登録をしていただいた場合、計49,500円(2人目無料)です。
【趣旨】
化粧品・香粧品製剤のレオロジー特性は、製剤の組成・設計、製造プロセスにより、また保存条件等によっても、変化します。
レオロジー特性は製品の感触、質感、ユーザビリティーを左右しますので、レオロジー特性を適切に計測、把握することは、感触やユーザビリティーの設計・調整の際には有用となるはずです。
しかし、例えば、多少とも計測はしてみたが、分散系のレオロジーは解釈ができない、サイコレオロジーは当てにならない、などの理由から諦め、そのままにしていることもあるかもしれません。実際、開発に必要となる評価の手法・考え方と、教科書的なレオロジーの知識との間には、多少のギャップがあります。
本セミナーでは、レオロジーの基礎知識の解説に加えて、特に化粧品開発において課題にすることが多いと思われる、分散系のレオロジー(安定性、外観、可用性など)、サイコレオロジー(触感、使用感、質感)に関して、そこでのレオロジー活用の勘所となるような知識・事柄についても、実例に基づいて説明します。
【プログラム】
1. はじめに
1.1 製品開発の現場でのレオロジー的課題とは
2. 粘弾性モデルとレオロジー
2.1 レオロジー測定の基本
2.2 粘弾性体のモデルとレオロジー特性
・ 緩和弾性率と粘弾性体のモデル
・ 定常流急発進と粘弾性体のモデル
・ 動的粘弾性と粘弾性体のモデル
2.3 ラメラ基剤のレオロジーとラメラ構造の関係
・ 化粧品基剤とレオロジー
・ ラメラ基剤の構造とせん断下における変化
・ ラメラ基剤の構造変化の動的粘弾性からの予測
・ ラメラ基剤の構造の緩和弾性率からの推定
3. 分散系のレオロジー
3.1 分散系レオロジーの分かりにくさ:非単調性
3.2 分散系レオロジーの基礎
・ チキソトロピーと粘度変化の方向性
・ リキッドファンデーションの(正の)チキソトロピー
・ (正の)チキソトロピーとそのモデル
3.3 凝集構造のモデル
・ リキッドファンデーションにおける負のチキソトロピー
・ 負のチキソトロピーとそのモデル
・ ステップシェアレート試験とステップストレイン試験
・ 分散系のパーコレーションモデル
・ 分散系のフロックモデルとネットワークモデル
3.4 正負のチキソトロピーと正負のレオペキシー
・ 分散系レオロジーの非単調性の理由:正負チキソトロピーの同時発現
・ クラスターダイレーションのイメージ
・ 分散系レオロジーにおけるフロックモデルの展開
・ 構造の解明と検証は続く
4. サイコレオロジー
4.1 化粧品・スキンケア製品の感触における「べたつき」の重要性
・ サイコレオロジーに期待されること
・ 20世紀におけるサイコレオロジー:残された課題
4.2 サイコレオロジーの基本
・ サイコレオロジーと因果関係
・ 擬似相関と擬似サイコレオロジー
・ サイコレオロジーの要件
4.3 べたつきの定量評価
・ べたつき性の計測手法
・ ファンデーションのべたつき性の定量評価
・ 化粧水のべたつきの定量評価
・ 化粧水のべたつきと肌上の電解質の影響の評価
・ 乳液のべたつきの定量評価
・ 化粧水と乳液におけるべたつきタイミングの違いとは
4.4 泡のクリーミーさの定量化
・ 泡粘度の計測手法
・ 求める密度の泡を作成する手順
・ 泡立て試験と泡密度測定
・ 泡の作成と泡粘度測定
・ 泡粘度と泡のクリーミーさの関係
4.5 泡の触感と質感の間の関係性
4.6 今後の展望
・ サイコレオロジーとサイコトライボロジー
・ 肌の上のより広範な物理現象と感触の因果構造の解析へ