株式会社R&D支援センター

化粧品設計開発のためのレオロジーの基礎知識と実践的評価手法

2024/12/18

開催日 2025年3月24日(月)
開催地 Web

【開催日時】

2025年03月24日(月) 12:30~16:30

【講師】
技術コンサルタント 金井 宏行 氏 【元 花王(株)】

【専門】
分散系のレオロジー、サイコレオロジー

【略歴】
1980年 東京大学工学部合成化学科 卒業
1982年 東京大学工学系研究科合成化学専門課程 修了
1982年 花王(株) 入社
1985年~1986年 ミネソタ大学化学工学科
1990年~1993年 千葉大学自然科学研究科
2021年 花王(株) 退社

【価格】
 非会員:  49,500円 (本体価格:45,000円) 会員:  46,200円 (本体価格:42,000円)
 会員(案内)登録していただいた場合、通常1名様申込で49,500円(税込)から
 ・1名で申込の場合、46,200円(税込)へ割引になります。
 ・2名同時申込で両名とも会員登録をしていただいた場合、計49,500円(2人目無料)です。

【趣旨】


 化粧品・香粧品製剤のレオロジー特性は、製剤の組成・設計、製造プロセスにより、また保存条件等によっても、変化します。
 レオロジー特性は製品の感触、質感、ユーザビリティーを左右しますので、レオロジー特性を適切に計測、把握することは、感触やユーザビリティーの設計・調整の際には有用となるはずです。
 しかし、例えば、多少とも計測はしてみたが、分散系のレオロジーは解釈ができない、サイコレオロジーは当てにならない、などの理由から諦め、そのままにしていることもあるかもしれません。実際、開発に必要となる評価の手法・考え方と、教科書的なレオロジーの知識との間には、多少のギャップがあります。

 本セミナーでは、レオロジーの基礎知識の解説に加えて、特に化粧品開発において課題にすることが多いと思われる、分散系のレオロジー(安定性、外観、可用性など)、サイコレオロジー(触感、使用感、質感)に関して、そこでのレオロジー活用の勘所となるような知識・事柄についても、実例に基づいて説明します。

【プログラム】

 1. はじめに
  1.1 製品開発の現場でのレオロジー的課題とは

 2. 粘弾性モデルとレオロジー
  2.1 レオロジー測定の基本
  2.2 粘弾性体のモデルとレオロジー特性
   ・ 緩和弾性率と粘弾性体のモデル
   ・ 定常流急発進と粘弾性体のモデル
   ・ 動的粘弾性と粘弾性体のモデル
  2.3 ラメラ基剤のレオロジーとラメラ構造の関係
   ・ 化粧品基剤とレオロジー
   ・ ラメラ基剤の構造とせん断下における変化
   ・ ラメラ基剤の構造変化の動的粘弾性からの予測
   ・ ラメラ基剤の構造の緩和弾性率からの推定

 3. 分散系のレオロジー
  3.1 分散系レオロジーの分かりにくさ:非単調性
  3.2 分散系レオロジーの基礎
   ・ チキソトロピーと粘度変化の方向性
   ・ リキッドファンデーションの(正の)チキソトロピー
   ・ (正の)チキソトロピーとそのモデル
  3.3 凝集構造のモデル
   ・ リキッドファンデーションにおける負のチキソトロピー
   ・ 負のチキソトロピーとそのモデル
   ・ ステップシェアレート試験とステップストレイン試験
   ・ 分散系のパーコレーションモデル
   ・ 分散系のフロックモデルとネットワークモデル
  3.4 正負のチキソトロピーと正負のレオペキシー
   ・ 分散系レオロジーの非単調性の理由:正負チキソトロピーの同時発現
   ・ クラスターダイレーションのイメージ
   ・ 分散系レオロジーにおけるフロックモデルの展開
   ・ 構造の解明と検証は続く

 4. サイコレオロジー
  4.1 化粧品・スキンケア製品の感触における「べたつき」の重要性
   ・ サイコレオロジーに期待されること
   ・ 20世紀におけるサイコレオロジー:残された課題
  4.2 サイコレオロジーの基本
   ・ サイコレオロジーと因果関係
   ・ 擬似相関と擬似サイコレオロジー
   ・ サイコレオロジーの要件
  4.3 べたつきの定量評価
   ・ べたつき性の計測手法
   ・ ファンデーションのべたつき性の定量評価
   ・ 化粧水のべたつきの定量評価
   ・ 化粧水のべたつきと肌上の電解質の影響の評価
   ・ 乳液のべたつきの定量評価
   ・ 化粧水と乳液におけるべたつきタイミングの違いとは
  4.4 泡のクリーミーさの定量化
   ・ 泡粘度の計測手法
   ・ 求める密度の泡を作成する手順
   ・ 泡立て試験と泡密度測定
   ・ 泡の作成と泡粘度測定
   ・ 泡粘度と泡のクリーミーさの関係
  4.5 泡の触感と質感の間の関係性
  4.6 今後の展望
   ・ サイコレオロジーとサイコトライボロジー
   ・ 肌の上のより広範な物理現象と感触の因果構造の解析へ
 

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