開催日 | 2026年1月30日(金) |
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開催地 | Web |
■はじめに
令和4年に化学物質について労働安全衛生法の大きな改正があり、事業規模を問わず、企業で製造または取り扱う化学物質の自律的な管理が求められている。
令和7年現在、各企業社内の安全衛生管理部署が中心となり、化学物質の適切な取扱いについて統一的にリスクアセスメント等を学び、製造や取り扱う化学物質のリスクの洗い出しや対策の体制を整えつつあるが、令和8年になる現在も、人的、経済的資源等の制約で化学物質の自律的管理が企業内で思うように進んでいない状況である。特に、特別則で規制を受けている以外の化学物質について、不適切な取扱いをしてしまったが故の重篤な労働災害は未だに多く発生している。
本セミナーでは、化学物質のリスクアセスメントにおける対応の仕方、化学物質の管理に関する適材適所の人選や組織の例、また、基本的なSDSの読み方、そしてSDSや使用環境からの厚生労働省支援ツールを活用したリスクアセスメントの手順の流れの概要を実習を通して学ぶこと、そしてリスクが明確になった化学物質について、人的資源、経済的資源を考慮した対応事例を挙げ、経営者や総務、安全衛生担当からのトップダウンを期待した、自社で取り扱う化学物質を安全に管理できる方法を解説する。
■想定される主な受講対象者
化学物質を取り扱う企業・事業所の経営層、安全衛生担当者、
総務・管理部門の方など、社内の化学物質管理に携わる方
■必要な予備知識
PCでエクセルが使えること(厚生労働省のリスクアセスメント支援ツールを説明するため)
■本セミナーに参加して修得できること
(1)化学物質の危険性、有害性を理解するためのSDSの内容と化学物質リスクアセスメントの手順の概要習得
(2)本講座で得た知見を元に、企業内の安全衛生推進活動のトップダウン的実践
(3)自社内の化学物質管理に関する内部、外部資源の有効活用
1.はじめに(最初に化学物質管理者を選任しましょう!)
2.化学物質管理者と保護具着用責任者について
2-1 化学物質管理者とは
2-2 化学物質管理者の職務とは
2-3 保護具着用管理責任者とは
2-4 管理者に関わる人的資源の要件
3.化学物質の自律的管理に関する法規制の背景
3-1 労働災害発生による企業の責任と損失
3-2 労働災害の発生推移
3-3 労働災害の増加傾向の主要因(年齢別、業種、企業規模別等)
3-4 化学物質による労働災害の状況
3-5 化学物質に関する法改正の背景
3-6 労働災害における企業の損失計算の例(経営損失)
4.化学物質の自律的管理について
4-1 化学物質の自律的管理って何をしなければいけないの?
4-2 管理者選任の例(人的資源)
4-3 化学物質管理としての労働安全衛生法令
4-4 自律的な化学物質管理への移行
5.SDS(セーフティデータシート)概論
5-1 SDSの構成
5-2 SDSの各項目
5-3 SDSのどこに重点を置いて見るべきか
5-4 CAS番号について
5-5 SDSの取扱いの留意点
6.リスクアセスメント概論
6-1 化学物質のリスクアセスメント
6-2 リスクアセスメントの対象物質
6-3 実施手順、実施時期、実施対象の選定、情報の入手等
6-4 リスクの見積り
6-5 リスク低減措置の検討と実施と結果の周知
7.リスクアセスメント実施例(CREATE SIMPLEを用いた簡単な実習)
7-1 CREATE SIMPLEの特徴
7-2 実習例
8.化学物質のリスクアセスメント結果からの対策
8-1 経済的資源を考慮した化学物質対策の例
8-2 化学物質のリスクアセスメントに対する補助金の活用の例
9.化学物質を原因とする災害発生時の対応
9-1 災害発生時の措置
9-2 主な局所的健康影響と対応の例
9-3 災害発生の伴う一次救命と救急手当の例
9-4 応急手当(ファーストエイド)
10.参考資料