開催日 | 2025年1月20日(月) |
---|---|
開催地 | Web |
【開催日時】
2025年01月20日(月) 12:30~16:30
【講師】
合同会社鈴木聡薬業事務所 代表社員 RA・QAアドバイザー 鈴木 聡 氏
【専門】
バイオロジクス、再生医療等製品、希少疾患薬の薬事・品質(RA・QA)および信頼性保証業務
【経歴】
・持田製薬株式会社
- バイオサイエンス研究所、経営企画室新規事業グループ等
- 抗体診断薬、バイオ医薬品、創薬研究企画、臨床開発、製造販売後調査、薬事規制対応
- 経営企画室新規事業(ベンチャー投資、機能性食品・化粧品・医療機器等)
・YLバイオロジクス株式会社
- 事業開発・開発薬事部長(バイオ後続品)
・オーファンパシフィック株式会社
- 信頼性保証本部長、総括製造販売責任者(希少疾患薬、血液製剤・特定生物製剤、遺伝子組み換え医薬品等)
・サンバイオ株式会社
- 信頼性保証部、再生医療等製品総括製造販売責任者(骨髄液由来間葉系幹細胞(MSC)再生医療等製品)
・Boyd & Moore Executive Search
- 経営、市場調査、外資日本法人のスタートアップ支援
・IPSEN株式会社(仏パリ本社)
- 設立時代表取締役、総括製造販売責任者(希少疾患(ウルトラオーファン)、起業・事業計画・製版業取得・ファブレス経営)
・海和製薬株式会社(中国上海市本社)
- 執行役員、総括製造販売責任者(低分子医薬品抗がん剤、中国のバイオ・製薬産業調査)
・レグセル株式会社(大阪大学発ベンチャー)
- Vice President薬事・信頼性保証担当(抑制性T細胞、がん免疫)
・Global Regulatory Partners合同会社(米国籍薬事コンサル会社)
- Senior Director RA&QA(外国企業の日本参入薬事支援)
・合同会社鈴木聡薬業事務所
- 代表社員(主に大学発ベンチャーの創業・薬事伴走支援、外国CMO会社・薬事コンサル会社の日本パートナー)
【価格】
非会員: 49,500円 (本体価格:45,000円) 会員: 46,200円 (本体価格:42,000円)
会員(案内)登録していただいた場合、通常1名様申込で49,500円(税込)から
・1名で申込の場合、46,200円(税込)へ割引になります。
・2名同時申込で両名とも会員登録をしていただいた場合、計49,500円(2人目無料)です。
【趣旨】
再生医療は画期的な新技術だが、臨床試験で優れた治療成績を得たとしても、医薬品としての品質確保や安定供給が難しく、承認に至った事例はまだ少ない。
再生医療等製品の製造では細胞やウイルスなどの「生き物」を利用するため、原料や製造工程に不均一性が存在する。
このため、分子医薬品の製造とは異なり、再生医療等製造施設においては、全体的な品質管理戦略を策定し、生産スケールアップ前後の同等性確保や、製造時の不純物や感染性物質の混入・発生に十分注意を払う必要がある。
製品品質のバラツキは臨床成績や安定供給にも影響する。
再生医療等製品の製造・製造販売業者に要求されるGCTPを理解し、査察にも迅速に対応できるよう日々の備えが必要である。
【プログラム】
1 はじめに
1.1 最新の研究成果とトレンド
1.2 臨床応用の事例
1.3 倫理的・社会的課題
1.4 国際的な動向
1.5 各国の規制当局(例:FDA、EMA、PMDA)の役割とその影響
1.6 再生医療の経済的影響
2 再生医療等製品の本質と品質特性
2.1 再生医療等技術の規制
- 再生医療等安全法
- 医薬品医療機器等法
2.2薬品としての再生医療等製品
- 医薬品の定義と特性: 均質性と安定供給義務
- 再生医療等製品の種類: 細胞加工製品と遺伝子治療用製品
- 細胞加工製品と分子医薬品との違い
- 遺伝子治療用製品等に求められる品質及び安全性の要件
- 再生医療等製品の製造プロセスの標準化とその重要性
- 再生医療等製品の臨床試験デザイン
2.3 細胞加工医薬品の種類と産業応用
- 細胞加工医薬品の種類
- 自家細胞由来製品と他家細胞由来製品
- 間葉系幹細胞(MSC)を応用した製品開発事例
2.4 遺伝子治療用製品の種類と産業応用
- 遺伝子治療用製品の種類
- in vitroとex vivo製品
- カルタヘナ法:リスク区分と拡散防止措置
- ウイルスベクターを応用した製品開発事例
3 再生医療等製品に関連する法体系および業許可要件
3.1 製造販売承認制度の概要
- 条件および期限付き承認
- 開発の留意点
3.2 再生医療等製品の審査ポイント
3.3 製造販売後体制の組織構築
- 製造販売業(GQP、GVP・GPSP)と製造業(GMP/GCTP)
- GCTPの基礎。GMPとの相違点
3.4 国際的な規制の比較
3.5 再生医療等製品の保険適用に関する現状と課題
4 工業的製法を確立するためのGCTP対応と査察ポイント
4.1 研究段階と工業生産段階
- 細胞医薬品の特性管理 (細胞周期、培地、培養方法など)
- 大量培養方法の限界 (不死化細胞との違い。継代回数の制限)
- 遺伝子治療用医薬品の特性管理(ベクターの選択、不純物管理など)
- 単一・少数ロットでの臨床試験成績と工業生産時の臨床成績維持
- ロット間の同等性維持のための品質管理項目と力価測定の意義
- デジタル技術(例:AI、IoT)の活用による製造プロセスの最適化
4.2 工業的生産
- 無菌医薬品製造指針とGCTP省令
- バリデーション(事前)とバーティフィケーション(事後)
- 構造設備及びユーティリティー
- 原料等及び工程資材、プロセス管理
- 無菌操作要件
- 有害生物の管理、微生物学的試験
- 職員の教育、文書体系と記録管理
4.3 GCTP適合性調査
- 適合性調査申請にあたり作成すべき資料の要旨
- チェックリスト
5 再生医療等製品の品質管理戦略
5.1 重要品質特性(CQA: Critical Quality Attribute)の設定
5.2 ICH-5Eと同等性試験(製造バッチ間、スケールアップ時の注意)
5.3 ブレない品質管理戦略を立てるコツ。「永遠のモグラ叩き」に陥らないために
5.4 リアルタイム品質管理
6 GCTP省令の最近の動向
6.1 ヒト細胞加工製品の製造工程の変更に伴う同等性/同質性評価(令和6年3月29日)
6.2 再生医療等製品に係る条件及び期限付承認並びにその後の有効性評価計画策定に関するガイダンス(令和6年3月29日)
6.3 再生医療等製品の軽微変更事例集(令和6年1月23日)
6.4 承認後変更管理実施計画書(Post-Approval Change Management Protocol;PACMP)
6.5 国際協力と標準化
7 まとめ: 再生医療の国際標準化に向けて
8 質疑応答、討論など