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医薬品製剤設計における軟カプセルという選択肢

グリーンカプス製薬株式会社 技術開発部門長  森本 憲明

■はじめに

 医薬品開発において,剤形選択は,薬物の吸収性や安定性といった特性を踏まえ,製剤設計を行うための重要な意思決定となりうる。また,その選択は製剤開発の進めやすさや開発スピードにも影響しうるため,開発全体を見据えた判断が必要である。

 こうした要求に対し,軟カプセルは有効な剤形選択となる。軟カプセルは,油性基剤や溶媒に有効成分を溶解あるいは分散させた内容液を,ゼラチンを基材とした皮膜で被覆した製剤である。油性基剤や界面活性剤などを適切に組み合わせることで,錠剤では設計上の制約を受けやすい難水溶性や吸収性,製剤均一性に課題を有する化合物に対して,柔軟な対応が可能となる1)

 また,軟カプセルでは皮膜設計も重要である。可塑剤の種類や量の選択により,酸素透過を抑制することができる2)。さらには,腸溶性などの機能性を付与することも可能である3)4)

 

■当社の軟カプセル開発方針

 このように,内容液と皮膜を一体としてあらゆる側面から,製剤設計ができる点が軟カプセルの大きな特徴である。当社では,製剤開発スピード向上を目的として,独自の検討データを活用した開発方針(図1)を採用している。
 

論文_図1.jpg
            図1 グリーンカプス製薬の開発方針

 まず,原薬の溶解性に関するデータシミュレーションを起点として,内容液処方設計の方向性を初期段階で予測し,溶媒や油性基剤の候補を絞り込む。本方針では,薬物特性や開発戦略に応じた柔軟な選択を可能としている。

 具体的には,迅速な評価を優先したシンプル処方と,開発初期から吸収性向上を見据えた自己乳化型製剤を含む最適化処方の2つのアプローチを想定する。後者は,検討項目は増えるが,当社の自己乳化製剤処方データベース(以下,DB)を活用し,効率的な処方検討を実現する。

 また,いずれのアプローチにおいても,内容液基剤が皮膜の崩壊性に与える影響については,皮膜崩壊遅延リスク評価DBを用いて,リスクベースでの皮膜処方検討を進める。内容液基剤と皮膜崩壊挙動の関係について,同DBに整理した一例を表1に示す。
 

◉表1 (1).jpg
表1 内容液基剤の違いによる皮膜崩壊遅延リスクの相対評価(モデル内容液基剤を用いた社内評価の代表例)

■製剤開発から支える製造体制

 当社は,試作から治験薬製造までを見据えた少量製造設を有しており,商用生産設備と原理原則を共通とすることで,試作段階から将来の生産工程を意識した検討を行える(表2)。
 

◉表2.jpg
      表2 当社における各工程の少量製造設備と商用生産設備の装置比較

 軟カプセルは,剤形としては経口固形製剤であるが,内容液は液体系であるという製剤的特性から,スケール変更における変動因子の影響を受けにくい。

 当社では,この特性を踏まえ,少量製造設備での試作検討を通じて得られた知見を基盤として,少量製造設備から商用生産設備へのスケールアップを円滑に行える製造体制を構築している。
 

■引用文献
1) Gullapalli RP. Soft Gelatin Capsules (Softgels). J Pharm Sci. 2010;99(10):4107–4148.
2) Hom FS, Veresh SA, Ebert WR. Soft Gelatin Capsules II: Oxygen Permeability Study of Capsule Shells. J Pharm Sci. 1975;64(5):851–857.
3) Naharros-Molinero A, Caballo-González MÁ, de la Mata FJ, García-Gallego S. Shell Formulation in Soft Gelatin Capsules: Design and Characterization. Adv Healthcare Mater. 2024;13(1):e2302250.
4) Maciejewski B, Arumughan V, Larsson A, Sznitowska M. Prototype Gastro-Resistant Soft Gelatin Films and Capsules—Imaging and Performance In Vitro. Materials. 2020;13(7):1771.

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■お問い合わせ
グリーンカプス製薬株式会社
〒418-0111 静岡県富士宮市山宮2201-2
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