欧州委員会は、医療機器の市販後安全対策に関する重要な文書である製造業者インシデント報告書(MIR)の最新フォーム「バージョン7.3.1」の追加更新を公表しました。今回公表された更新版は、変更識別番号SP-11010として整理されており、従来版で指摘されていた不具合や使い勝手に関する課題への対応が行われています。
MIRフォーム7.3.1は、医療機器規則(MDR)および体外診断用医療機器規則(IVDR)の下で発生した重篤なインシデントを報告するための統一様式です。当初は2025年内の使用義務化が予定されていましたが、複数の技術的問題が確認されたことから、適用時期が段階的に延期されてきました。
今回の更新では、入力項目の表示や自由記載欄の構成が見直され、報告内容の確認や修正が容易になるよう改善が図られています。欧州委員会は大規模な告知を行わない形で更新を実施したものの、2026年5月以降は本バージョンの使用が前提となることが示されています。そのため、医療機器メーカーは最新フォームへの対応準備を早期に進める必要があります。特に、社内の報告プロセスやITシステムにMIRフォームを組み込んでいる企業にとっては、更新内容の確認と影響評価が重要となります。
本更新は規制要件そのものを変更するものではありませんが、市販後監視および有害事象報告の実務に直接影響を与える内容です。
欧州規制下で製品を上市している企業にとって、今回の更新を正しく理解し、期限までに適切に対応することが求められます。
【略語一覧】
EC:欧州委員会(European Commission)
MIR:製造業者インシデント報告書(Manufacturer Incident Report)
MDR:医療機器規則(Medical Device Regulation)
IVDR:体外診断用医療機器規則(In Vitro Diagnostic Regulation)
SP: 変更識別番号(Specific Change Package / Change Identifier)※欧州委員会文書で用いられる識別表記
【キーワード】
EU / EC / MIR / MDR / IVDR / SP
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