• PTJ ONLINE トップ
  • お知らせ
  • 【AD】ポストコロナ時代のGDPマッピングと温度モニタリング戦略を探る 第3回 技術の進歩によってGDPへの準拠手法はどう変化するのか?

─AD─
ポストコロナ時代のGDPマッピングと温度モニタリング戦略を探る
第3回 技術の進歩によってGDPへの準拠手法はどう変化するのか?

ヴァイサラ

ph_Paul Daniel.jpg 
 ヴァイサラは、「ポストコロナ時代のGDPマッピングと温度モニタリング戦略」と題するセミナーを開催し、GDPガイドラインに準拠した適切な医薬品保管管理のヒントを示した。ここでは、その内容を① GDPの重要性が認識されてきた経緯、②規制準拠の具体的要件、③ビジネス環境の変化も含めた将来像―と3回に分けて紹介。過去、現在、未来と時系列に沿ってGDPの変遷を辿ることで、今後求められる対応策の本質を探る。最終回となる本稿では、技術進展やビジネス環境の変化もにらみ、未来のGDP 対応の要点をまとめる。
※解説 ポール ダニエル氏 VAISALA Inc. シニア GxP レギュラトリエキスパート

 

■技術の進歩による変化の可能性

  第1回(2023年5月)第2回(同6月)にまとめたように、GDP準拠において、温度マッピングと常時モニタリングが実務的視点で重要な要素となる。

 「重要なこの基本要件は、その本質的な目的は変わることはないと思いますが、技術の進化によって対応手法が変わることは考えられます」とダニエル氏は指摘する。

 その変化の可能性として▽シリアル化、▽クラウドコンピューティング、▽通信技術(IoTおよびLoRa)、▽経済的圧力(ハードウェア価格の低下、人件費の増加)、▽常時マッピング―という5つの領域を挙げ、それぞれの今後を見通した。

 

■シリアル化による追跡機能

 1つ目に挙げられたシリアル化は、いわゆるトラッキング(追跡)を可能にする技術で、製品にシリアルコードを付与することで追跡を可能にし、偽造品が紛れ込む可能性を排除する。

 「弊社では、すでにユニークなバーコードを使用して、サプライチェーンで製品を追跡するシステムを提供しています。このシステムの情報共有により、偽造品混入防止とともに、リコールアクションも容易になります。シリアル化の普及と周辺技術の発展で、温度などの情報まで追跡できるようになる可能性があり、GDP準拠で大きな変革につながるかもしれません。特定の場所での温度変化なども把握することができれば、それに応じた管理ができるはずです」とダニエル氏はその将来像を展望した。現在はまだ実現されていないが、将来的により強固なGDP準拠につながる可能性を秘めていることが示された。

 

■クラウド化や通信技術の発展

 次に、変革要素としてクラウドコンピューティングを挙げた。

 「GMPに慣れ親しんだ者から見ると、クラウドコンピューティングは少し抵抗感があるかもしれません。われわれは、自分達で物事をコントロールすることに慣れてきましたが、クラウドコンピューティングになるとそうはいかなくなるからです。ただ、クラウド化は避けて通れません。その最大のインパクトとして、ITコスト低減があるためです。コスト低減の方策を探るのはビジネス上必須なため、今後はクラウドがGDPに準拠し、バリデーションされなければならない時代が来る可能性があります。ネットワークがクラウド使用によって拡大されると、副次効果としてサプライチェーンの上流から下流まで、エンドツーエンドで簡便にモニタリングできるようになるかもしれません」とダニエル氏は予測する。
VaiNet_0.jpg

 さらに、IT関連技術の未来を考えると、通信技術も大きな影響がありそうだ。第2回で紹介したように、同社では、すでに次世代型ワイヤレスモニタリングシステム『ヴァイサラ viewLinc モニタリングシステム』の提供を開始している。

 「弊社では、すでにLANケーブルや電源ケーブルが不要となるモニタリングシステム提供を開始していますが、このシステム実現については、5年前であれば信じられない技術だったかもしれません。ただ、この次世代型技術は確かに今、現実のものになっています」(ダニエル氏)。

 ビジネスニーズが刻々と変わる中、ロガーの配置を柔軟変更可能にするこの次世代通信技術によって、モニタリング業務の効率を大幅に向上させてくれるという未来が、すでに実現されているのだ。

 

■経済的圧力も要因の1つに

 さらに、GDPの実務上の要点となる『温度マッピング』と『常時モニタリング』は、「経済的圧力によっても変わる」とダニエル氏は見通す。

 「Intel共同創設者のGordon Moore氏は、“ ハードウェアは時間とともに改良され安価になる”との法則を示しましたが、私はこれになぞらえて“人件費は時間とともに上昇する”ということが言えると思います。データ取得や分析でも、簡便かつ効率的に行うことで、経済的な面も合理化することが求められます。そして、この“経済的圧力”によって、今後もたらされる革新技術の1つが“常時マッピング”だと考えています」とダニエル氏の指摘通り、人件費は年々上昇傾向にあり、自動化システムのニーズが高まっているのは事実だろう。

 

■常時マッピングとは

 常時マッピングとは、倉庫を継続的に、緻密かつくまなくマッピングしながらモニタリングシステムにつなげることだ。現在は、分離している温度マッピングと常時モニタリングを組み合わせた形式で、日常的にデータをダウンロードするだけで精度の高いデータ取得が可能になる。

 「特に倉庫におけるマッピングは、人件費などのコストが大きいです。安全対策も含めるとかなり工数集約的な作業が発生するため、そのコスト低減が望まれているのは事実です」(ダニエル氏)。

 さらに、倉庫のマッピングでは、冬の最も寒い時と夏の最も暑い時、年に2回必ずマッピングが必要になり、適切な実施タイミングを見計らう必要もあるという課題があり、常時マッピングはこの負担軽減にもつながることもメリットとして大きい。

 一方、常時マッピングのデメリットは、データロガーを追加で購入する必要があることだという。ダニエル氏によると、おおむね20%ほど多いロガーが必要になり、当然校正も実施するため、直接的なコストは上乗せになる。

 「従来のマッピングには多くの労力が必要で、常時マッピングには多くのデータロガーが必要と言えます。しかし、トータルコストを試算してみると、常時マッピングのほうが約5%低いという結果が得られています。常時マッピングにテーマを絞ったセミナーを開催しているのでぜひ、参考にしてください」とダニエル氏は説明。に示すように、常時マッピングの具体的メリットを紹介した。

表.jpg

 

 講演の最後にダニエル氏は、「技術の進展とビジネス上の要求変化で、興味深い変化がこれから起こると思います。弊社は、これら多くの変化に直面する皆様をサポートするために、時代を先回りしてさまざまな技術提供や提案を行っていきたいと考えています」と、同社が顧客をサポートし続けていく姿勢を示した。

 

ご案内.jpg

出店のお知らせ.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 


お問い合わせ
ヴァイサラ株式会社
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング16F
TEL:03-5259-5965
URL:https://www.vaisala.com/ja/contactus

前のページへ戻る

この記事に関連する商材情報

こちらの記事もご覧ください

    TOP