特集: コールドチェーンを改善するための4つのポイント(前編)
*通常より長めの記事となりますため、前編・後編にわけて掲載いたします。
近年コールドチェーン業界は、世界的なパンデミックやウクライナ戦争により、様々な困難に直面しています。
"グローバル市場の拡大"、"新規輸送ルートの開拓"、"新規パートナーとのビジネス"。
これらの実現には、「安全で高品質、かつコスト効率の良い輸送」が必要不可欠だからです。
特に、繊細な温度管理が求められる製品や高度治療がサプライチェーンに求める条件は、より一層厳しくなります。
我々コールドチェーン関係者には苦境であった一方、この様な困難に立ち向かう中で、
弊社は私たちの役割を見つめなおすこと、新しい環境に適応し改善する機会を得ることができました。
コールドチェーンの未来にはまだ改善点と、新たに提供できる価値があると再認識いたしました。
当記事では、その様に私たちが学ぶことができた
「コールドチェーンを次のレベルに引き上げるための4つの分野」
にフォーカスし、皆様に弊社の考えを共有できればと考えております。
「4つの重要分野:"困難"から"機会"へ」
この記事では、以下の4つの分野について記載します。
1. 持続可能性
2. デジタル化
3. 輸送の透明化
4. リスク管理
上記各分野において、世界でのトレンド、最新技術、およびコールドチェーンにおけるベストプラクティスを取り上げ、
コールドチェーン国際輸送における重要性と弊社の考えを共有します。
*この「前編」は "持続可能性" と "デジタル化" についての内容となります。
1. 持続可能性
課題:
昨今、医薬品のコールドチェーン流通における環境への影響がより問題視され、業界はますます大きなプレッシャーを受けています。
CO2排出量削減、CO2フットプリントの低減、エネルギー消費の削減、廃棄物や汚染の減少に対する関心が高まる中、
医薬品業界は厳格な安全基準を維持しながらも "エネルギーコストの上昇"という新たな課題に直面しています。
改善案:
-可能な限り再生可能エネルギー源への切り替える事で、CO2排出量を大幅に削減できます。
-エネルギー効率の高い冷蔵システムを使用する事で、エネルギー消費を削減し、運用コストを抑えることができます。
断熱材や最新の冷却技術を採用することで、温度管理を厳密に行いながら、エネルギーの無駄を減らします。
-軽量化されたエネルギー効率の良い材料を使用する事で輸送時のエネルギー消費を削減できます。
また、再利用可能なパッケージを採用することで、廃棄物を減らし、環境への影響を最小限に抑えます。
-輸送中にリアルタイムで温度を確認することで、温度逸脱を早期に検知し、迅速な対応が可能になります。
これにより、製品の品質保持が確保され、廃棄リスクを大幅に減らすことができます。
-持続可能な航空燃料(SAF)や電動トラックを使用することで、輸送時のCO2排出量を削減します。
これにより、物流の環境負荷を軽減し、持続可能な輸送手段を推進します。
-ライフサイクルアセスメント(LCA)により、製品の製造から廃棄までの環境影響を評価します。
これにより、サプライチェーン全体での排出削減の機会を特定し、具体的な改善策を導入するための戦略を立てることができます。
2. デジタル化
課題:
コールドチェーンの完全性を維持することは、ワクチン、生物製剤、およびその他の温度に敏感な医薬品の有効性を保つために非常に重要です。
各国の規制当局は、医薬品の安全性と有効性を確保するために厳格なガイドラインを設けています。
製造業者は、コールドチェーン全体でこれらの規制を遵守していることを示さなければなりません。
改善案:
-温度、湿度、光の露出、衝撃などの重要パラメータを輸送/保管中に常時監視するスマートセンサーを採用します。
-リアルタイムモニタリング機能を採用する事で、定期的な手動チェックやヒューマンエラーによるリスクを軽減し、
問題が発生した際には迅速かつ積極的に対応できるようにします。
-輸送後のデータ分析により、出荷後のパターン、トレンド、および非効率性を特定し、
最も重要な予防措置や付加価値のある対策を実施できるようになります。
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当記事の後編は近日中に公開予定となっております。
後編は、"輸送の透明化" と "リスク管理" についての内容となります。
公開後、当記事にもリンクを追記いたしますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
*記事内容に関するお問い合わせは、以下の担当者までお気軽にご連絡ください。
Envirotainer APAC
山下 将太 / National Sales Manager, Japan
shota.yamashita@envirotainer.com
http://www.envirotainer.com/
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