開催日 | 2026年1月28日(水) |
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開催地 | Web |
【開催日時】
2026年01月28日(水) 10:30~16:30
【講師】
エイドファーマ代表 NPO-QAセンター理事兼事務局長
エヌエスファーマ(株) 薬学博士 高平 正行 氏
<ご専門>
GQP/GMP/QMS、品質保証、薬事申請、CMC、医薬品製造管理・品質管理、
国内外GMP監査及びFDAを中心とした当局査察対応、製薬プロセス開発
<主なご経歴>
1979年3月 東北大学薬学部修士課程修了
1979年4月 塩野義製薬(株)入社、杭瀬工場 治験薬製造業務
1994年5月 同金ヶ崎工場 医薬品製造管理者、同 製薬研究所
2004年4月~2011年11月
同信頼性保証本部 品質保証部次長 兼GMP統括管理グループ長として、
約170箇所ある関連医薬品製造所のGQP/GMP/GMS監査や国内外GMP監査対応を主導。
GMP関連レギュレーションのカスタマイズ化、FDAを中心とした規制当局の
GMP監査対応業務
2011年12月 塩野義製薬(株)退社後、(株)エースジャパン取締役
2016年6月 エイドファーマ代表
2018年4月 NPO-QAセンター理事兼事務局長
【価格】
非会員: 55,000円 (本体価格:50,000円) 会員: 49,500円 (本体価格:45,000円)
会員(案内)登録していただいた場合、通常1名様申込で55,000円(税込)から
・1名で申込の場合、49,500円(税込)へ割引になります。
・2名同時申込で両名とも会員登録をしていただいた場合、計55,000円(2人目無料)です。
【習得できる知識】
・ヒューマンエラー
・逸脱発生時の対応、文書管理及び教育訓練
・逸脱・インシデンツ対応のための文書管理、記録管理
・正しい標準設定と教育訓練、品質リスクマネジメント
・CAPA(逸脱是正措置と予報措置)対応
・品質文化(Quality Culture)
・2021年8月1日GMP省令改正施行
【趣旨】
医薬品製造におけるヒューマンエラー・逸脱・インシデンツ発生には、品質保証の仕組み(システム)作りによるところが大きいが、重要な点は、管理者のみならず現場で作業する作業員一人ひとりが日々「常に良い医薬品を造り」そして「益々質を高めること」を常に心がけることに尽きる。
GMPを経験や感性に頼るのではなく、リスク管理や傾向分析等の統計的手法を用い、より科学的・合理的な発生事象の根本的原因究明を行い、不良品等が発生しないような改善策を考えること。不幸にして不良品を発生させた場合でも、是正措置や予防措置(CAPA)を適切に実施し知識を積み上げることが重要である。なお、改正GMP省令第15条逸脱管理条項では、「逸脱管理」としてのCAPA管理が新規に制度化された。作業者自身が日々の作業の中で工程の僅かな異常や逸脱を先取り予見し、直ちに上司に報告が出来るような指導や教育訓練、そしてそのような職場のコミュニケーション、風土作りが益々重要となる。
本セミナーでは医薬品製造過程における「ヒューマンエラー・逸脱事例や未然防止策」について、特に重要となる教育訓練や手順書・文書管理、リスクマネジメントや教育訓練の観点から、これまで実際に発生した製剤、製薬現場でのヒューマンエラーによる事故・事例を検証しながら説明する。医薬品の製造現場において、ヒューマンエラーは依然として逸脱発生の主要な要因の一つでありGMPに基づいた品質保証体制の確立とともに、人為的なミスの未然防止策の導入は極めて重要となる。本セミナーでは、実際に発生した逸脱・ヒューマンエラー事例を通じて、現場で起こりうるリスクとその対策について具体的に解説します。
【プログラム】
1.GMPの目的とヒューマンエラーの防止
1.1 GMPの3原則
1.2 ヒアリハットとハインリッヒの法則
1.3 逸脱・インシデンツ・変更管理とは
1.4 具体的なトラブル事例と対策
製造指図書・記録書の不備、不良品の取扱いの間違い、
機器の取扱いの誤り、包装工程捺印不備等、連続運転による加熱事故
1.5「爪水虫治療薬への睡眠導入剤の混入」(S化工)、
「T製薬での異品種混入の事故」は何故発生したか?根本原因と対策
1.6 GMP省令改正(2021年8月)第15条におけるCAPAによる逸脱管理
2.正しい標準設定と教育訓練、職場環境について
2.1 正しい標準設定と基準
2.2 教育訓練の実効性の評価、教育プログラム
2.3 ヒューマンエラーをなくすための効果的な教育訓練について
2.4 品質を向上させるための意識付けと職場環境作り
3.ヒューマンエラー防止のための文書化
3.1 GMP文書・記録の必要性
3.2 国内法規制が求める文書管理
3.3 海外法規制の要請する手順書・記録書
3.4 文書監査におけるヒューマンエラー
3.5 コンピューター化システムにおける文書管理と逸脱防止
3.6 データインテグリティの不備と文書管理
3.7 手順書・製造記録の不備と3極当局指摘事例
4.逸脱・インシデンツ事例と未然防止策
4.1 逸脱・インシデンツとは
4.2 逸脱・インシデンツのリスクマネジメントの重要ポイント
5.記録の重要性とヒューマンエラーの防止(現場事例の検証)
5.1 記録の重要性について
5.2 SOPの必要性と記載事例
5.3 生産現場におけるヒューマンエラーの要因別分類と防止策
(人間の介在とミスの発生)
・「ボタンの押し間違い事故」(ボタンの掛け違い)にみる発生要因分析と対策
6.原薬・製剤・包装工程における逸脱管理と品質確保
6.1 目的と対応
6.2 ヒューマンエラー発生の原因と対応(ソフト、ハード両面から)
・更衣室で着衣の状態確認
・原料のサンプリングミス
・クリーンルームの排水口の不備
・蛍光灯のカバー
・木製の作業台
・品質管理(天秤、洗浄瓶のラベル管理)
・封緘用テープの剥がれ事故と原因
・個装箱「捺印なし」混入事故による回収
・点滴静注用製剤外袋内毛髪混入
・バイアル瓶の中にガラス片が混入
・封緘証紙浮き上がり
(その他の逸脱事例)
・仕込み間違い、バルブ操作ミス、温度管理逸脱
・毛髪 ・異物等 ・金属異物 ・ガラス片等混入
・設備異常、作業エラー
・異品種混合:他社品錠剤、A錠中のB錠剤回収
・洗浄不良(ヒューマンエラー、SOP不良)
・錠剤割れかけ、錠剤剥離、破損事例
・含量低下、造粒異状
・個装捺印なし苦情
6.3 教育面での対応(正社員以外も含めて)
・品質システム不備によるヒューマンエラー
6.4 全社的対応の必要性
7.PQS活動と連動した品質リスクマネジメント
7.1 品質リスクマネジメントシステム(QRM)とヒューマンエラー・逸脱防止
7.2 製品ライフサイクルにわたる継続的な品質改善と品質文化の醸成
8.まとめ (一部、内容変更の場合あり)