ファームテクジャパン 2026年2月号 紹介
LNPの「不均一性」をみる! 単粒子解析で品質評価をアップデート
PHARM TECH JAPAN2026年2月号特集「LNPのいま」では、LNPの基礎研究の動向、品質評価の現在地、業界の取り組みを紹介しています。本稿ではその中から「LNP製剤の品質評価における技術的課題と将来展望」の内容を紹介します。
●平均分析×単粒子分析の“二刀流”へ
mRNAワクチンで脚光を浴びた脂質ナノ粒子(LNP)は、核酸医薬の送達基盤として急速に拡大。一方で、粒子サイズや内部構造、空粒子の混在など“本質的な不均一性”が、品質特性の設定と評価を難しくしています。DLSやRiboGreenを使用するといった平均分析は効率的ですが、サブポピュレーションの把握には限界があります。そこで注目が高まるのが、粒子ごとに分布を捉える単粒子分析です。記事では、nFCM/AFM/cryo-TEMという三つの単粒子手法を横断し、品質評価の現在地と実装ポイントを整理します。
●nFCM・AFM・cryo-TEM “使いどころ”と実装の勘所
フローサイトメトリー(nFCM)は、空粒子と封入粒子を単粒子で識別し、工程条件の違いを鋭敏に反映。PBSでは流路吸着が起きやすくTE緩衝液が有効、染色はプラセボLNP/直接標識mRNAを用いた対照設定が鍵、染色後は“適濃度に希釈→10分以内に測定”など運用のツボを解説します。AFMは液中で“ありのままの形態”と硬さを同時把握できる強みがある一方、固定化法・探針・測定モード・解析条件の最適化が成否を左右。図1(p.44)はPEG抗体基板で崩壊を避けつつ形態観察した事例を示します。cryo-TEMは外殻膜の連続性、内部ラメラやブレブ等の構造を高分解能で直接可視化できる一方、試料氷厚・自動撮像条件・画像処理のバイアス管理と、他手法との相互検証が不可欠と説きます。
●“測る”から“管理する”へ 標準化と相関解析がカギ
単粒子手法は高情報量だがスループットや標準化、施設間再現性が課題。本稿は、①緩衝液・前処理・染色・濃度・時間管理を含む測定プロトコルの標準化、②参照試料・標準粒子の整備、③cryo-TEM×nFCM×AFM+平均分析を束ねた相互検証、④空粒子割合・形態・硬さ等と力価/体内動態の相関解析——を段階的に進める道筋を提示。EMAドラフトでも空粒子が評価対象に位置付くなか、用途・投与経路に応じた“測定頻度と指標”の合理化を図り、評価から工程設計・管理へとつなぐ実務フレームを提案します。
見どころ
-
空粒子を“単粒子で評価”:用途により影響が異なる空粒子をnFCMで定量、工程・比較性評価の指標に。
-
AFMで“形態×硬さ”の対を把握:液中観察と力学計測を両立。固定化スキームは実装のヒント。
-
cryo-TEMで内部構造を直視:外殻連続性やブレブの有無を高分解能で確認、ただし氷厚・撮像条件の最適化が鍵。
-
“標準化→相互検証→相関解析”:多手法を束ねて構造—機能相関を描き、評価から管理
▶2月号の詳細はこちら
▶定期購読のお申込みはこちら






