開催日 | 2025年9月25日(木) |
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開催地 | Web |
【開催日時】
2025年09月25日(木) 12:30~16:30
【講師】
笹嶋グローバルコンサルティング 代表 笹嶋 政昭 氏
【専門】分子生物学、光学分析、機能材料、医療情報管理
【略歴】
約30年間ライフサイエンス業界一筋に、チバ・コーニング・ダイアグノスティックス株式会社(現シーメンスヘルスケアダイアグノスティックス)にて化学発光法により全自動検査診断システムの薬事、設計開発、日本メドトロニック株式会社にて植込み型医療機器の臨床開発、三菱化学株式会社にて体外診断薬と検査機器の薬事、新規事業開発並びにライフサイエンス事業の再構築を行った。2007年から2014年まで極東製薬工業株式会社にて取締役研究開発本部長、事業企画部門長を歴任。2014年から現在まで、笹嶋グローバルコンサルティング代表。
2014年度から2015年度にかけて経済産業省所管(現在はAMED所管)医工連携事業化推進事業の技術支援、医療機器開発支援ネットワーク事業の立ち上げ支援に尽力。
現在は、主として大手の異業種参入企業を中心に、医療機器や体外診断用医薬品事業立ち上げ、中期経営計画立案支援、製品開発や量産工程設計、海外展開、さらに様々な医療ICTシステム開発支援を行っている。
【価格】
非会員: 49,500円 (本体価格:45,000円) 会員: 46,200円 (本体価格:42,000円)
会員(案内)登録していただいた場合、通常1名様申込で49,500円(税込)から
・1名で申込の場合、46,200円(税込)へ割引になります。
・2名同時申込で両名とも会員登録をしていただいた場合、計49,500円(2人目無料)です。
【趣旨】
本セミナーは、体外診断用医薬品(IVD)業界への新規参入を検討している異業種企業を対象とした実践的な内容である。
IVDの開発、製造、販売、サービスには、通常の医薬品や医療機器とは異なる法規制や業界特有のノウハウが求められる。
特に、臨床検査の品質管理、保険償還制度への対応、医療機関との連携など、多岐にわたる専門知識が必要となる。
本セミナーでは、IVD事業における事業企画から上市後のサービス提供まで、一連のプロセスを網羅的に解説し、具体的な実務と成功のためのノウハウを提供する。特に、異業種からの参入企業が直面しがちな課題に焦点を当て、実践的な解決策を提示することで、円滑な事業立ち上げを支援する。
【プログラム】
1 はじめに
1.1 本セミナーの目的・ゴール
1.2 体外診断薬(IVD)市場への期待と異業種参入の可能性
- なぜ今、体外診断薬なのか?
- 異業種からの参入における強み
- 特殊な市場であることの認識
2 体外診断薬事業の全体像と法規制・品質保証の基礎
2.1 体外診断用医薬品とは?
2.2 体外診断薬事業参入に必要な法規制の基礎
2.3 体外診断薬の品質保証体制(QMS)の構築
3 開発から上市までの実務とノウハウ
3.1 研究開発・製品化の実務とポイント
- 企画・コンセプト策定
・ 市場ニーズの把握とアンメットニーズの特定
・ ターゲット疾患・マーカーの選定
・ 製品の差別化要因と競争優位性
・ コスト、納期、性能、安全性、使いやすさのバランス
- 基礎研究・要素技術開発
・ 測定原理の確立、試薬・材料の選定
・ プロトタイプの開発と性能評価
- 性能試験
・ 分析的性能試験(感度、特異性、精度、安定性など)
・ 頑健性、干渉物質の影響評価
・ 標準品・管理品の開発と評価
- 臨床性能試験
・ 目的、計画、実施体制
・ 被験者・検体選定の留意点
・ 倫理審査委員会(IRB)の承認
・ データ収集、解析、報告
・ 統計学的有意性と臨床的有用性の証明
3.2 知的財産戦略と開発提携
- 体外診断薬における知的財産(特許、ノウハウ)の重要性
・ 競合他社との差別化、参入障壁の構築
・ 技術流出防止策
- 特許戦略の立て方
・ 出願時期、範囲、グローバル展開
・ 他社特許の調査と回避
- 共同開発・ライセンス契約の活用
・ 異業種参入企業が不足する技術・ノウハウの補完
・ 大学、研究機関、既存IVD企業との連携のメリット・デメリット
・ 契約交渉における留意点
3.3 製造・供給体制の構築とサプライチェーンマネジメント
- 自社製造 vs. 外部委託(ODM/OEM)の選択
・ メリット・デメリット、判断基準
・ 委託先の選定と管理(品質監査、契約)
- 製造プロセスの確立と管理
・ バリデーション(工程、設備、洗浄など)
・ 原材料の受入検査、保管、トレーサビリティ
・ 工程内検査、最終製品検査
- サプライチェーンマネジメント
・ 原材料調達から製品配送までの最適化
・ 安定供給体制の構築、リスク管理(災害、紛争など)
・ コールドチェーン(低温輸送)の必要性
3.4 マーケティング・営業戦略の立案
- 市場調査と競合分析
・ ターゲット顧客(臨床検査室、病院、診療所など)の理解
・ 検査ニーズ、導入障壁、意思決定プロセス
- 製品ポジショニングとプロモーション
・ 製品の独自性、ベネフィットの明確化
・ 学会発表、論文発表、専門誌広告、展示会
・ Webサイト、デジタルマーケティングの活用
- 販売チャネルの選択と構築
・ 直販、代理店販売、商社販売のメリット・デメリット
・ 販売パートナーの選定と育成、関係構築
- 価格戦略
・ 保険償還価格を考慮した価格設定
・ 競合製品、市場ニーズとのバランス
・ ランニングコスト(試薬、消耗品)の重要性
4 上市後のサービスと成功のためのノウハウ
4.1 上市後の顧客サービスとサポート体制
- 製品導入支援とトレーニング
・ 導入時の立ち会い、操作説明、Q&A
・ 定期的なトレーニング、技術セミナーの開催
- 保守・メンテナンス体制
・ 修理対応、消耗品・部品の供給
・ リモート診断、予防保守
・ サービスレベルアグリーメント(SLA)(保守契約)の締結
- 技術サポートとトラブルシューティング
・ ヘルプデスク、電話・メールでの問い合わせ対応
・ 臨床的な疑問、検査結果に関する相談対応
・ 緊急時のオンサイト対応
- 顧客満足度向上のための取り組み
・ 定期的な顧客訪問、フィードバックの収集
・ 顧客からの声の製品改善への反映
・ ロイヤルティプログラム、ユーザー会など
4.2 異業種参入企業が陥りやすい課題と乗り越えるノウハウ
- 課題例
・ 医療分野特有の専門知識・人材不足
・ 既存事業とのカルチャーギャップ
・ 規制対応への過度な負担
・ 医療機関との関係構築の難しさ
・ 長期的な視点での投資回収
- 乗り越えるためのノウハウ
・ 専門家(コンサルタント、顧問)の活用
・ M&A・アライアンスの検討
・ 社内での医療分野人材の育成
・ 既存事業とのシナジー最大化
・ トップコミットメントと長期的な戦略
・ 失敗からの学習と改善
5 まとめ・質疑応答
5.1 本日のまとめ・重要ポイントの再確認
5.2 質疑応答