[書籍紹介]
毒性学的評価による洗浄バリデーション 第2版
PIC/Sガイド・改正GMP省令等を踏まえたHBELにもとづく洗浄評価

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書籍のポイント

科学的根拠に基づいた洗浄バリデーションの指針となる実践書!

 医薬品製造において求められる製造設備の洗浄バリデーションおよび洗浄評価は、これまで0.1%投与量基準や10ppm基準が使われていましたが、科学的な視点からの課題が指摘され、昨今は健康ベース曝露限界値を用いる毒性学的な評価が必要とされています。その流れを受け、PIC/SやEMAから関連ガイダンスが発出されていますが、具体的な対応にあたってはHBELの考え方や品質リスクマネジメントの手法など科学的なアプローチが必要です。

 本書は、初版発行の2019年以降に改訂された各種ガイダンスの内容を踏まえ、PIC/S、EMA等海外当局が求めている要件や、ASTM、ISPE等、業界から出されている文書等を俯瞰してまとめるとともに、日本の改正GMP省令の概要も含めた総合的な実践書として洗浄バリデーションの指針となる1冊です。

  

編著:島 一己/著
定価¥10,450(税込)B5判/336頁/2022年5月刊

 

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目次

1 マルチパーパスプラントの洗浄を巡る課題
 1.1 マルチパーパスプラントと洗浄評価
 1.2 交叉汚染リスクと交叉汚染の経路
 1.3 最近の規制改正に至る背景~概要
 1.4 専用化要件:従来の問題点と今後
 1.5 洗浄評価基準:従来の問題点と今後
 1.6 伝統的な洗浄評価基準の今後の取り扱い
 1.7 洗浄に関する合理性を求める動き
 1.8 今後のマルチパーパスプラントのあり方

2 洗浄にかかわる最新規制と関連ガイドライン
 2.1 規制・ガイドラインの動向~概要
 2.2 EU-GMP/PIC/S-GMP
 2.3 EU-GMP/PIC/S-GMP Annex 15 Validation
 2.4 EMA/PIC/S HBELガイドライン
 2.5 EMA/PIC/S HBELガイドラインQ&A0
 2.6 PIC/S査察官用ガイド
 2.7 Risk-MaPP改訂版
 2.8 ISPE洗浄ガイド
 2.9 ASTM洗浄ガイド
 2.10 ASTM HBELガイド
 2.11 ASTM目視検査ガイド
 2.12 改正GMP省令
 2.13 洗浄に関するそのほかのガイド

3 高薬理活性物質を扱うプロジェクトの進め方
 3.1 プロジェクトの大きな流れ
 3.2 ハザードレベルの区分け
 3.3 コントロールバンディング
 3.4 HBELに関する社内ハザードコミュニケーション
 3.5 委託受託間のハザードコミュニケーション
 3.6 毒性学専門家の要件
 3.7 認定トキシコロジスト
 3.8 健康サーベイランスの必要性

4 HBELを理解するための基礎知識
 4.1 HBEL設定までのステップ
 4.2 医薬品と毒性試験
 4.3 ハザードアセスメントのためのデータ探索
 4.4 データの信頼性
 4.5 MSDSおよびIFの取り扱い留意事項
 4.6 高薬理活性物質・高ハザード物質の定義
 4.7 毒性学の専門用語

5 HBELの設定
 5.1 概要
 5.2 対象範囲と設定の優先順位
 5.3 使われ方
 5.4 HBELの定義と用語
 5.5 HBELの前提
 5.6 用いるデータ
 5.7 計算式
 5.8 PoDの設定
 5.9 体重の設定
 5.10 不確実係数
 5.11 閾値がない化合物への対応
 5.12 毒性データが限定されている場合の対応
 5.13 ヒトデータの利用
 5.14 プロダクト特定HBEL
 5.15 HBELの有効数字と単位表示
 5.16 文書化(モノグラフ)
 5.17 HBELのバラつきについて
 5.18 HBELの性格
 5.19 医薬品開発の進捗に伴うHBELの見直し
 5.20 今後の課題
 5.21 HBELを理解するうえで有益な報文の紹介

6 HBELを用いる洗浄閾値の設定
 6.1 洗浄閾値の計算式
 6.2 HBEL にもとづく洗浄閾値の意味合い
 6.3 安全マージン
 6.4 投与量の情報
 6.5 現場でよく生じる問題
 6.6 洗浄評価で用いられる用語

7 目視検査について
 7.1 今後の洗浄バリデーションにおける目視検査の位置づけ
 7.2 規制における目視検査の位置づけ
 7.3 実際のVRL事例
 7.4 目視検査に関する科学的アプローチの例
 7.5 目視検査を唯一の基準とするための模索
 7.6 目視検査の課題

8 HBELを用いた洗浄評価シミュレーション事例
 8.1 国内報文のデータによる事例
 8.2 海外報文のデータによる事例
 8.3 Risk-MaPP改訂版のデータによる事例
 8.4 安全マージンに関する事例
 8.5 唯一の基準としてのVRLに関する事例
 8.6 まとめと考察

9 HBELを用いる洗浄バリデーション実務
 9.1 HBELを用いる洗浄バリデーションの流れ
 9.2 テストラン回数の設定
 9.3 洗浄目標の設定
 9.4 プロダクト特定HBELによる洗浄閾値
 9.5 分析機器について

10 さまざまな製品・剤形への対処方法
 10.1 バイオ医薬品
 10.2 治験薬
 10.3 中間体
 10.4 洗浄剤
 10.5 既存上市製品
 10.6 外用薬
 10.7 抗体薬物複合体

11 洗浄工程のQRMとそのツール
 11.1 概論
 11.2 当局からの期待事項
 11.3 リスクアセスメントツール
 11.4 洗浄FMEAについて
 11.5 洗浄リスクマトリックス その1
 11.6 洗浄リスクマトリックス その2
 11.7 洗浄工程のリスクレイティング
 11.8 そのほかの分野への展開

12 HBELの封じ込め設備への適用と曝露管理
 12.1 概要
 12.2 OEL
 12.3 CPT
 12.4 ASL
 12.5 製品非接触部の清掃と目視限界
 12.6 間接製品接触面
 12.7 累計曝露総量の計算
 12.8 モニタリングインターバル
 12.9 運用開始後の環境モニタリング留意事項
 12.10 封じ込め設備における外部環境汚染防止
 13 洗浄評価を巡る今後の課題

13.1 HBELの情報整備
 13.2 HBELの設定における国際調和
 13.3 ワーストケースについて
 13.4 目視検査に関する標準的なガイドライン
 13.5 テストランの回数の議論
 13.6 毒性学専門家の養成
 13.7 現場での咀嚼

14 付 録
 
14.1 洗浄評価および専用化要件についての経緯
 14.2 医薬分野でのOELの設定とハザード区分の経緯
 14.3 健康障害に関する用語

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