ファームテクジャパン 2024年1月号 紹介
"攻め" で使いこなすDX
あらゆるモノやコトの、デジタルへの転換が急速に進み、DX(デジタルトランスフォーメーション)によって、仕組みや組織、サービスやビジネスモデルに至るまで、効率のよい、イノベイティブな企業活動が期待されています。ただ電子化し、情報を蓄積するフェーズから、どのような情報を集め、統合し、最適化を図ったり、新たな予測値を導いたりすることなどの可能性のイメージに、実践が追いついてきたように思います。
では実際に、企業はどのようにDXを取り込み、個々の部署ではどのように活用している(活用できる)のか? 部署によって、扱うデータの種類、アウトプットの方法は、さまざまに考えられます。
『PHARM TECH JAPAN』2024年1月号では、まず「特集:DXと製剤と粒子設計」で、医薬品製造プロセス設計、デザインスペース構築、原薬プロセス開発、製剤開発、製剤工程におけるRCA(根本原因分析)などにDXを活用している事例が紹介されています。また、「データサイエンスによる製剤の品質保証へのアプローチ」をテーマに開催された、「第24回 製剤機械技術シンポジウム」のレポートでは、データ解析の際のポイント、データサイエンスの品質評価へ活用する際の留意点やレギュレーションの課題等について言及された発表内容を報告しています。
組織の取り組みとしては、中外製薬株式会社がDXを推進するために、全社的にデジタル文化を創りあげる方策や、各人のスキルを底上げしていく取り組みを紹介した「CHUGAI INNOVATION DAY 2023」のレポートも参考になるのではないでしょうか。また、DXが大きく謳われているわけではありませんが、「協和キリン株式会社のグローバル展開に向けた品質保証体制の構築」の記事では、グローバルで統合された品質マネジメントシステム(QMS)を構築するなかで蓄積されたRCAのレコードをデータベースとして、将来的にはAI技術を応用したRCA解析を実現したいと言及していることからも、組織的なQMSへの活用も期待できます。
さらに、1つの要素技術として、「ChatGPT、BARD、その他の大規模言語モデルと規制のある製薬業界との邂逅」という海外記事の翻訳も掲載されていますが、おそらく海外のほうが活用を見据えた、一歩先を歩む情勢を感じ取れるのではないでしょうか。ぜひ参考にご覧ください。
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