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高付加価値医薬品の低コスト・スピードアップ開発へのツール・技術を提案
「難溶解性候補化合物の課題解決・プレフィルドシリンジへの剤形変更戦略」

パセオン(Patheon by Thermo Fisher Scientific)

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Sanjay Konagurthu氏

 
 2021年4月15日から東京ビッグサイトで開催されたCPhI JAPAN 2021の出展社セミナーでパセオンのSanjay Konagurthu氏とVincenza Pironti氏から製剤の溶解性改善の切り札となる新たなツールや、今後市場拡大が見込まれているプレフィルドシリンジに関する最新技術などが紹介された。
 医薬品のグローバル市場を熟知し、上市スピードアップや高付加価値製品の創製などで豊富な経験を有する同社だから伝えられる情報に多くの聴衆者が聞き入っていた。

 

 

■溶解性・バイオアベイラビリティ改善をAIが解決

 近年、医薬品開発をめぐる環境は新薬創出難易度の上昇や薬価引き下げなどを受け厳しさが増しているとともに、1990年代より難水溶性候補化合物の急激な増加に直面しているのが現状である。Konagurthu氏は講演のはじめに「候補化合物のうち70~90%が溶解性やバイオアベイラビリティ(BA)の問題を抱え、そのうちP1に進むのが30%、P2が14%、そしてP3/NDAに進むのは8~9%で、溶解性・BAを適切に改善することが重要」と述べる。

 従来から溶解性などを上げるために、原薬物性の改善手法として塩の利用や微細化、可溶化剤の添加、非晶質固体分散体やナノ結晶製剤などが提案されているが、化合物ごとに最適な手法は異なっており、製剤研究者が試行錯誤をしているのが現状である。しかし、同社ではこれまでP1まで14~19カ月要していた期間を8~9カ月まで短縮することに成功しているという。「切り札がQuadrant 2TM」とKonagurthu氏は自信を示す。

 Quadrant 2TMとは一言でいえば、「化合物の情報をインプットするだけで、『技術』『賦形剤』の2面から最適な手法を示してくれるAI」である(図1)。

 

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図1 Quadrant 2による技術選択(適合性)プロセス

■原薬不要でコスト削減・スピードアップ

 通常、開発の初期段階では利用できる原薬量は限られている。また高価な原薬が増えていることから、小スケールでのプロセス開発が一般的である。「Quadrant 2TMはコンピュータによるモデル解析であるため、原薬は不要。開発コスト削減を図るとともに、わが社の多くの研究者の実際の経験値に基づいて開発されたアルゴリズムによって開発期間を大幅に短縮することができる」(Konagurthu氏)。

 Quadrant 2TMによる具体的な技術選択プロセス例を図2に示す。
 まず、原薬の化学構造を入力すると、化学記述子を立体モデリングし、分子特性を把握する。そして、「選択アルゴリズム」で微粒子化やナノ化などのサイズリダクションや固体分散体、シクロデキストリンによる可溶化や脂質ナノ粒子化などを検討し、特定の分子に対する有効性をシミュレーションしてモデリングを行う。これによって推奨レベルに応じて3段階に分類された技術選択肢(適合性)が提示される。図2の例では「分散体-スプレードライ、分散体-ホットメルト押出法」が成功する可能性が高いとして推奨されている。

 また添加剤選択においては前述した化学記述子のモデリングで把握された水素結合受容体や水素結合供与体、芳香族や疎水性などを複合的に勘案し、また密度や結合力などの分子レベルでの解析結果とあわせて比較することで最適な賦形剤候補を提示してくれる。

 

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図2 Quadrant 2による賦形剤の技術選択プロセス(非晶質分散体の例)

■技術90%、賦形剤80%の高精度を実現

 「分子動力学シミュレーションを通じて、最適な技術、最もフィットする賦形剤を示すことが可能。現在、250種類以上の分子でQuadrant 2TMの予測と実際に上市されている医薬品での採用技術などを比較するバリデーションを実施しているが、ヒット率として技術選択では90%、賦形剤選択では80%の高精度を誇っている。なお、Quadrant 2TMが選択する技術・賦形剤はグローバルスタンダードとの位置づけともいえる」と語るのは同社アジアパシフィック事業開発シニアディレクターの谷元浩二氏である。実際にQuadrant 2TMを用いて開発を行う際には、専門家のコンサルテーションにはじまり、原薬の化学構造、物性値などを記入した情報・データを同社に提出、約2週間のコンピュータモデリングを経て最適な製造技術などが提示される。その後、6~8週間の前臨床開発、4~6カ月後に初期臨床試験がスタートするというスピーディーな流れになる。

 「Quadrant 2TMは迅速な臨床入りを実現する総合的サービスの一部で、最適な製剤設計を最短で実現可能なツール。われわれは長年蓄積してきた難溶解性製剤の膨大なデータとAIに基づく技術選択において高い精度を誇ると自負している。なお、わが社は提示されたあらゆる技術について世界中に有する製造サイトで対応でき、近年活用されるケースが多いスプレードライ技術についても前臨床から商業生産スケールアップや原薬と製剤の一括サポートも可能である」(谷元氏)。

 

■開発時のプレフィルドシリンジ検討のタイミングとは?

 Vincenza Pironti氏からは注射剤のプレフィルドシリンジへの切り替えタイミングなどについての検討課題が提起された。Pironti氏は年々増加する新薬などにおける承認取得製品に占める注射剤の状況を示しつつ、プレフィルドシリンジ市場は2026年までに95億3000万ドルに達すると予想されると述べ、その利点として、①薬剤を速やかに投与可能、②患者が自宅で自己投与可能、③汚染リスクの低減、④医療従事者の外傷リスクの削減、⑤投与精度の向上、などをあげた。

 また、P3まではバイアルで治験を進めていた剤形を液体バイアルからプレフィルドシリンジに切り替える際のブリッジング戦略において検討事項としては、①バイアル製剤の処方の変更の必要性、②シリンジタイプ、③プレフィルドシリンジ内の複数の薬液接触材料の製剤の安定性への影響、④オートインジェクターを採用するか、などがあると紹介した。Pironti氏は、「プレフィルドシリンジに切り替える際には、P3に進む前に各ステージに必要な作業を完了し、リスクに基づくプロセス評価やデータに基づく改善をし、適切にプロジェクトの各段階で満たすべき要件を計画、実行することが重要」とした。

 現在、需要が伸びているオートインジェクターなどのアッセンブリーサービスも併せて提供できるようになり、さらなるエンドーツーエンドのサービスを展開している。成長を続ける注射剤市場ニーズに応えるため、継続した投資を行い2020年から2022年にかけて製造キャパシティを2倍に拡張し、2022年にはシンガポールにワクチンの充填施設、そして中国にバイオ原薬および注射剤の充填拠点を新設予定している(図3)。

 

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図3 注射製剤施設

 以上、切り口の異なる内容の2つのセミナーであったが、グローバル企業として世界各国のレギュレーションを熟知し、市場動向にマッチした医薬品を低コスト・迅速に提供し続けている同社の技術力の高さが際立っており、同社の技術に対する飽くなき探求心がにじみ出ているといえよう。

◎溶解性改善サービスの詳細はこちら    
◎注射剤サービスの資料はこちら
 

■その他の製品についてはこちらをご覧ください。
 


【お問い合わせ】
パセオン株式会社
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町 3-3-6 ワカ末ビル 7F
TEL:03-6202-7666
E-Mail:wakako.kawada@thermofisher.com
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