日本包装機械工業会の大森会長に聞く JAPAN PACK 2019の見どころ

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 一般社団法人日本包装機械工業会は本年10月29日(火)から11月1日(金)までの4日間、幕張メッセ国際展示場で、JAPAN PACK 2019(日本包装産業展)を開催する。本稿では、同会会長の大森利夫氏に、展示会の魅力を聞いた。

Q1  ジャパンパック2019では医薬品関係のプログラムがご用意されているそうですが、それらを企画された背景についてお教えください。

 日本のヘルスケア市場規模は、日本の産業の中でも成長著しい市場と捉えられていますが、2025年に向けて、75歳以上の高齢者が一気に増え、その後2040年にかけては15~64歳の生産年齢人口の減少ペースが加速するといわれる、2025年問題、2040年問題が話題になっています。服薬を助けるための一包化が進んでいますし、服薬を助ける包装容器もすでに発売されていて、高齢化社会に対応するために医薬品包装も今後大きく変化していくと思われます。他方、製造分野における労働力不足による省人化・自動化ニーズは高いものがあります。

 このような社会環境の変化に応じた課題の解決に向けてソリューションの場として各社の最新機器・技術による展示と併せて各分野でご活躍されている講師による各種セミナーを企画しました。

Q2  医薬品関係のプログラムの見どころをお教えください。

 特別講演では、「GMP省令改正と最近のGMPに関する話題」として、医薬品製造の原点であるGMPに関して、2005年のGMP省令施行後の国際化の進行、昨年のGMP省令改正案等に関して、今後どのようなことが求められてくるのか等、非常に関心の高いテーマと考えます。

 専門セミナーでは、高齢者社会の問題の1つとして、医師から処方された薬を飲み残す「残薬」の問題があります。薬の飲み残しは健康への影響として「治るのが遅くなる」、「症状が改善されない」等の状況が起こりますし、その他に大きな問題として「医療費の無駄遣い」との指摘もあります。飲み残しで無駄となる薬剤費は75歳以上の高齢者だけで年間約475億円との試算もあります。このような問題への対応として、服薬管理が注目されています。

 医療用医薬品の包装にバーコードの表示がされていますが、2016年にバーコード表示の実施要項の一部改正が行われ変動情報(有効期限等)の表示が決まり、今後、医療機関においてバーコードの利活用が進むと考えられます。そのためには、包装工程においてバーコードの印字品質を保ち、かつ正しく印刷することが求められます。

 そのほかに関連するテーマとして、調剤業務の効率化に役立つマーキング及び医薬品包装の適正品質に関するセミナーを設けました。このような高齢化の進展、健康志向の高まりなどの社会構造の変化に対応した課題解決策になることを期待しております。また、専門セミナーの後には、医薬品業界交流パーティーとしてご講演いただいた講師を含めたネットワーキングパーティを企画していますので業界関係者の交流の場として活用していただきたいと思います。

Q3. 今度予定されているGMP省令では、包装関係の企業の方にも影響があるとお考えでしょうか。

 「GMP省令改正と最近のGMPに関する話題」として、医薬品製造の原点であるGMPに関して、2005年のGMP省令施行後の国際化の進行、昨年のGMP省令改正案等に関して、今後どのようなことが求められてくるのか等、非常に関心の高い内容のテーマと考えます。包装業界においても今般のGMP省令改正の影響度は今後精査していかなくてはいけないと思いますが、製造分野での人手不足による自動化ニーズに高まりなどにより必要な技術を包装ラインに組み込んでいくことも多くなっていきます。ロボットの活用は元よりIOT・AIも活用した省人化や自動化を狙った機器も増えていきます。また、リモートメンテでは従来型の予防保全に変わり機械が自ら判断し部品の交換時期を知らせるようなインテリジェントント型の機能も注目されていくことになると考えます。

 このように製造ラインに求められる機能がより変化・進化して段階において会期中お紺われる櫻井審議役様の特別講演内容はまさに包装企業においても時宜を得たものと考えております。

Q4  ジャパンパック2019全体の見どころをお教えください。

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 昨今の食品、医薬・化粧品、日用品など需要業界におきましては、社会構造の大きな変化に伴い、労働力不足による生産性向上はもちろんのこと、食糧問題や環境問題への対応など課題は多岐にわたり、従来以上に高度かつ多様な解決策が求められております。このような環境下、当展は「きっとみつかる、あなたの包程式」をテーマとし、製造加工から計量・充填・包装・印刷・印字・検査・梱包さらには物流・環境・要素技術など、サプライチェーンに係る総合展示会として、需要業界が抱える課題に対して出展者が持つ技術・ノウハウの提供による様々な「包程式」が生み出すトータルソリューションにより、関連業界のさらなる発展に寄与してまいります。

 当展の併催行事についても注目していただきたいと思います。関係業界の有識者や第一線でご活躍の方々を講師にご招聘の上、合計70本以上の自動化・環境への課題解決に向けた「各種講演会・専門セミナー」を実施いたします。

 また、今回より新たに日本印刷産業連合会様ご支援のもと先進的かつ画期的なパッケージの展示の「ジャパン・パッケージング・コンペティション受賞製品展示コーナー」の設置、さらには地球規模の新たな課題である海洋プラスチックごみ問題の解決へ向けた組織として本年1月に発足しました「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス」(CLOMA)会員の皆様の取り組み事例も発信いたします。そのほか、ジャパンパック・アワーズ表彰式やライン展示コーナーなど、多彩な主催者企画を会期中に計画しております。

 最先端の機器・技術によるイノベーションの提供とともに持続可能な社会の実現に向けたサスティナビリティの追求によりJAPAN PACK 2019が、出展者の皆様の活発なご商談による新たなビジネス創出の場として包装業界ならびに関連業界の発展に資することを期待しております。

 

 

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