開催日 | 2025年4月10日(木) |
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開催地 | Web |
<セミナー No.504111(Live配信)>
<セミナー No.504163(アーカイブ配信)>
タンパク質吸着制御への
シミュレーション・機械学習の活用法
~膜・フィルター・生体材料への応用事例~
【Live配信 or アーカイブ配信】
★タンパク質吸着のメカニズム解明から制御、材料設計まで!データ駆動型の手法を学ぶ
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■Live配信日時: 2025年4月10日(木)10:00~16:00
■アーカイブ配信日程:2025年4月22日(火)まで申込み受付(視聴期間:4/22~5/2)
※お申し込みの際備考欄にLive配信、アーカイブ配信いずれの視聴かをご記入下さい
■講師
【第1部】名古屋工業大学 大学院工学研究科 工学専攻
生命・物質化学プログラム/カーボンニュートラルプログラム
准教授 南雲 亮 氏
【第2部】東京科学大学 物質理工学院 材料系 准教授 林 智広 氏
■聴講料
1名につき55,000円(消費税込/資料付き)
1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき49,500円(税込)
大学、公的機関、医療機関の方には割引制度があります。詳しくはお問い合わせください。
■セミナーの受講について
・下記リンクから視聴環境を確認の上、お申し込みください。
→ https://zoom.us/test
・開催数日前または配信開始日までに視聴用のURLとパスワードをメールにてご連絡申し上げます。
セミナー開催日時またはアーカイブ配信開始日に、視聴サイトにログインしていただきご視聴ください。
・出席確認のため、視聴サイトへのログインの際にお名前、ご所属、メールアドレスをご入力ください。
ご入力いただいた情報は他の受講者には表示されません。
・開催前日または配信開始日までに、製本したセミナー資料をお申込み時にお知らせいただいた住所へお送りいたします。
お申込みが直前の場合には、開催日または配信開始日までに資料の到着が間に合わないことがあります。
・本講座で使用される資料や配信動画は著作物であり、録音・録画・複写・転載・配布・上映・販売等を禁止いたします。
・本講座はお申し込みいただいた方のみ受講いただけます。
複数端末から同時に視聴することや複数人での視聴は禁止いたします。
・アーカイブ配信セミナーの視聴期間は延長しませんので、視聴期間内にご視聴ください。
プログラム ----------------------------------------------------
(10:00~12:00)
【第1部】タンパク質吸着という複雑な現象を分子シミュレーションで「解きほぐす」
~高分子バイオマテリアルや浄水膜を例に~
名古屋工業大学 大学院工学研究科 工学専攻
生命・物質化学プログラム/カーボンニュートラルプログラム
准教授 南雲 亮 氏
【講座主旨】
浄水膜やバイオマテリアルの材料開発において、タンパク質の材料表面への吸着は、高度に制御すべき重要課題である。しかし、溶液中を漂うタンパク質は複雑に折りたたまれたポリマーであり、その立体構造は3次元的かつダイナミックに変化する。そのため、詳しい吸着メカニズムを解析するには多大な労力を伴う現実がある。
そこで講演者らの研究グループは、タンパク質と材料表面の原子間力が実質的に1~2ナノメートル程度の極めて微小な領域内でのみ作用する事実に着目した。この厳然たる事実を踏まえつつ、分子シミュレーション手法を効率的に利用すれば、タンパク質吸着抑止の可否を簡便に判定できる可能性を見出した。
本講演の前半では、タンパク質吸着抑止の可否を判定する方法論のコンセプトを紹介する。後半では、この判定法をろ過膜や高分子バイオマテリアルなどの様々なポリマー材料に適用した具体的な研究事例について言及する。また「中間水」や「自由水」など、タンパク質や材料表面を取り囲んでいる水分子の役割についても私見を述べたい。「複雑怪奇」とも言える材料表面へのタンパク質吸着現象ではあるが、吸着抑止の有無を判定するというただ1点に的を絞ることで、効率的で見通しのよい材料設計が期待できることを紹介したい。
【講座内容】
1.タンパク質吸着制御の現状
1)高分子バイオマテリアルの場合
2)浄水膜の場合
3)水の役割とは何か?
2.分子シミュレーションとタンパク質吸着
1)シミュレーションで分かること
2)これまでのシミュレーション活用事例
3.タンパク質吸着抑止の可否を判定する方法論
1)分子シミュレーションを活用するメリットと課題
2)吸着抑止を判定する方法論とコンセプト
4.吸着抑止法の具体的な応用事例
1)双性イオン性マテリアル
2)ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)
3)ポリ(2-メトキシエチルアクリレート)
4)浄水膜材料
5)シリカ系材料
5.今後の展望
【質疑応答】
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(13:00~16:00)
【第2部】吸着・接着を決める界面相互作用の理解と機械学習を用いた材料設計
東京科学大学 物質理工学院 材料系 准教授 林 智広 氏
【講座主旨】
本セミナーでは、有機物・セラミクス・金属などの材料と生体分子・細胞・微生物がどの様に相互作用するか、分子レベルでの解釈から、巨視的に観察される現象までを俯瞰して議論し、材料設計にフィードバックするための知見を得るための方法論を議論します。そのために、界面相互作用の基礎の理解、界面の測定手法の原理と測定結果の解析を実際の例を元に解説します。また、後半では情報科学の手法(機械学習・多変量解析など)を用いた材料のスクリーニング、材料設計に関して解説します。研究開発に情報科学的手法を導入する際、一体どこから手を付ければ良いのか?その手法の選択・データベースの構築などに関して解説します。
【講座内容】
1.生体材料表面の解析に用いられる分析手法~表面・界面解析手法の基本を抑える
1)様々な表面分析手法とその特徴
2)水中でのバイオマテリアルの解析~真空中との物質間の相互作用の違いを理解する
a.タンパク質吸着
b.細胞接着
3)原子間力顕微鏡(AFM)を用いた計測
a.原子間力顕微鏡を用いた表面構造計測~少しの工夫で再現性・定量性を向上させるノウハウ
b.原子間力顕微鏡を用いた界面相互作用の解析~定量的に吸着・接着現象を理解
4)その他、表面・界面科学の分析手法を用いた計測
5)有機物表面の構築
a.自己組織化単分子膜~その特徴と作製法~基板作製から化学修飾のコツ
b.高分子薄膜
c.細胞接着を促進するための表面改質~メカニズムの理解に基づいた設計
d.(研究事例) 原子間力顕微鏡を用いた細胞接着サイトの可視化
2.(研究事例)抗タンパク質吸着・抗細胞接着特性を持つ表面解析
1)タンパク質吸着・細胞接着を決定する界面相互作用
2)付着性表面・抗付着性表面が引き起こす界面相互作用
3)界面における水分子の振るまいと抗付着性の関係
4)分子夾雑状態におけるバイオ界面・界面における微生物の振る舞いの解析
3.(研究事例)情報科学の手法を用いた自己組織化単分子膜・高分子薄膜の設計
1)情報科学を用いた単分子膜表面へのタンパク質吸着量の予測
2)情報科学を用いた高分子薄膜の設計
3)機械学習を用いた生体分子表面の構造ルールの抽出
4.情報科学的手法の導入に関して
1)準備するもの~一体どこからはじめれば良いのか
2)YouTubeを用いた情報収集と生成AI(ChatGPTなど)を用いた効率的プログラミング
【質疑応答】