土肥 優史 氏 / 略歴・講演主旨

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【略歴】
 ・2000年 岐阜薬科大学大学院 薬学研究科 博士前期課程修了
 ・2000年 藤沢薬品工業株式会社(現アステラス製薬株式会社)生産技術研究所製剤技術 入社
 ・2004年 Fujisawa Ireland Ltd. 出向
 ・2006年 製剤研究所 経口剤研究室
 ・2017年 東邦大学大学院 薬学研究科 博士後期課程修了(薬学博士)
 ・2019年 製剤研究所 プロセス設計研究室長
 ・2022年 製薬技術本部 高岡工場長(現職)
入社後、一貫してP-2b以降の開発品の製剤開発から製造方法最適化、生産工場への技術移転、既存品のメンテナンスの業務に従事。特にICHQ8が推奨するQbDをベースとした製剤開発、PATの適用、データマイニング等について尽力。現在は高岡工場にて、無菌製剤に関わる工場マネージメントに従事。

【演題】
安定生産/安定供給を目指した製品開発戦略と工場運営

【講演主旨】
 医薬品の安定供給を実現するためには、研究開発段階から商用生産が終了するまでの間、研究所と工場が一体となって継続的に製品理解を高めるとともに、良質な組織風土を醸成する必要がある。本講演では、弊社における製剤設計戦略と工場運営に関する考え、具体的な取り組みについて、下記の視点を交えながら網羅的に説明する。

 ①Quality by Design(QbD)に基づく製剤設計により網羅的かつ客観的な製品理解が達成される。段階的なリスクアセスメント、実験計画法を用いた検証実験、適切な管理戦略の設定及び商用段階での検証内容等について、固形製剤での実例を交えて紹介する。

 ②PATによる重要品質モニタリング及びデータマイニングによる商用生産時のデータ解析手法について具体的な取り組みを紹介する。これらは品質安定化のみならず、生産サイト従業員に対して品質を見える化し、品質への意識を醸成することに貢献する。

 ③研究所と工場が一体となり、製品が設計通り生産できているか否かを継続的にチェックできる体制が重要である。技術移転PJ、安定稼働PJ、製品の年次報告書レビューなどについて紹介する。

 ④工場の運営方針を従業員に明確に示すこと、そして具体的な行動に移すことが重要である。Speak up風土、クオリティーカルチャー醸成、査察を通じて見につくケイパビリティ、固形製剤と無菌製剤の人材育成の考え等について言及する。

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