後藤 健太 氏 / 略歴・講演主旨

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【略歴】
 ・1997年 第一製薬株式会社入社(後の第一三共株式会社)
 ・2007年 第一三共株式会社 品質保証部
 ・2013年 Daiichi Sankyo, Inc.  Quality Assunrace へ出向
 ・2018年 アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社 品質保証部長
                 (Director  Quality, IDL JPAC, Head of Quality Japan/Korea/Taiwan )
 ・2020年 ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 品質保証部長
       (Director, Commercial Quality – Head Japan & Korea, Consumer Health )
 ・2022年 武田薬品工業株式会社 光製薬品質部 部長

 【演題】
研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーによるQuality Culture醸成への取り組みと人財育成
 ~品質・GMP向上、生産性、文化醸成、DX~

【講演主旨】
 本講演では、タケダにおける品質文化(Quality Culture)の重要性とその醸成に関する取り組みについてご紹介します。品質文化の重要性として、製薬企業において高い倫理基準を維持し、患者さんために医薬品の安定供給を確実なものとすることが強調されています。品質文化の欠如は、企業の存在意義やサステナビリティに重大な影響を与えるリスクがあり、全従業員が品質に対する意識を持つことが求められています。

 タケダの品質文化は「物事をシンプルにしよう」「正しい行いに誇りを持とう」「スピークアップできる文化を創ろう」「品質への取組みを行動で示そう」という4つの柱で構成されており、これらを実践するための具体的な活動をご紹介します。品質文化の推進にあたり、リーダーの強いコミットメント、心理的安全性の確保、リーダーと従業員のエンゲージメントを重要な要素として挙げています。

 また当社では、タケダの価値観である「タケダイズム」(誠実:公正、正直、不屈)に基づき、「1.患者さんに寄り添い(Patient)、2.人々と信頼関係を築き(Trust)、3.社会的評価を向上させ(Reputation)、4.事業を発展させる(Business)」ことを日々の行動指針にすることが求められています。品質文化の醸成は、タケダの価値観を日常業務で一人一人が実践することが重要であり、これを継続的にリマインドすることで、組織全体に品質文化を浸透させることを目指しています。

 さらに、当社では「企業理念メトリクス」を用いて、品質文化への取り組みによる品質への影響をスコア化しています。このスコアは、近年上昇しており、タケダの品質文化が高い水準で維持されていることが示されています。

 最後に品質文化の醸成とデジタルの融合が今後重要であると考えています。近い将来デジタルを活用したGMP管理及び品質文化の推進が不可欠であると考えており、そのための取り組み例もご紹介します。

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