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「量る」から「つなぐ」へ―。
ラボのデジタル化とデータインテグリティを支える次世代天びん
ザルトリウス・ジャパン
近年、ラボのデジタル化が加速している。LIMSやELNといった業務システムの導入が進み、クロマトグラフィーなどの分析機器もネットワークにつながるようになったが、すべての機器が、スムーズに「つながっている」わけではない。機器ごとに異なる通信規格、既存システムとの互換性やコンプライアンス対応、サイバーセキュリティ、さらには導入後の保守やアップデートなど、デジタル化が進むほど、システムを「つなぐ」そのものが、新たな課題になりつつある。
2026年9月に幕張メッセで開催された分析機器・化学機器総合展「JASIS 2026」の企業セミナーにおいて、ザルトリウス・ジャパンLWGアプリケーションスペシャリストの古関邦光氏が登壇し、ラボのデジタル化を取り巻く現状と次世代分析用天びんが果たす役割について解説した。

■デジタル化が進むほど「つながらない」が課題に
ラボのデジタル化を後押しする大きな要因の1つが、コンプライアンスやデータインテグリティ(DI)への対応である。研究・品質管理の現場では、データの真正性や追跡可能性を確保することが求められるため、紙への記録や手入力をできるだけ減らし、機器からシステムへデータを自動的に取り込む仕組みが重要となる。
一方で、デジタル化には別の壁もある。既存設備の老朽化に加え、メーカーごとに通信方式やデータ形式が異なれば、機器同士を接続するための追加システムが必要になる。データをデジタル化しても、システム間で連携されなければ、データは個々の機器やシステムの中にあるままで無駄になってしまう。
さらに、特定のベンダーやシステムに依存する「ベンダーロックイン」も、長期的なラボ運営を考えるうえで無視できない。つまり、ラボのデジタル化で重要なのは、単純に「ネットワークにつながる機器」を増やすことではない。
「簡単につながり、確実にデータを管理できること。将来的なシステム変更や拡張にも対応できることをいかに実現するかが、これからのデジタルラボにとって重要なテーマ」と古関氏は指摘する。
■Connect・Comply・Simplifyを実現
こうした変化に伴い、分析用天びんにも新たな役割が求められている。ラボにおいて、天びんは日常的に使用される基本的な計量機器である。しかし、見方を変えれば、さまざまな実験・製造プロセスの起点となる重要なデータを生み出している機器でもある。
だからこそ、これからの天びんには、高い計量性能だけでなく、①計量データを確実に取得・記録、②LIMSやELNなどのシステムと連携、③DIやコンプライアンスに対応、④特定のシステムやメーカーに過度に依存しない、⑤導入後の運用・保守まで含めてIT負担を抑えられる─といった要件が求められる。
こうした課題に対し、同社が提案する解決策が、次世代分析用天びん「Cubis® Ⅲ」である。同社がCubis® Ⅲで掲げるのが、新しい時代の要求に応える「Connect・Comply・Simplify」という3つの価値である。

Cubis® Ⅲの大きな特長の1つが、ラボのデジタルエコシステムとの接続性である。LIMS、ELN、MES、ERPなどと機器を連携させる場合、従来は追加のソフトウェアやミドルウェアを必要とするケースがあったが、Cubis® Ⅲは天びん側に接続機能を組み込むことで、こうしたシステム構成をシンプルにすることを目指し、PCへの直接入力から双方向のLIMS連携まで、さまざまな運用に対応できる。
また、Cubis® Ⅲは天びん本体にOPC UAサーバーを内蔵している。OPC UAは、異なる機器やシステム間でデータを交換するための標準的な通信・システム統合の仕組みのこと。OSへの依存を抑えながら、セキュリティにも配慮した通信を可能とする。
Cubis® Ⅲで使用するOPC UAは、デバイスの種類に応じてデータの意味や構造を定義する「コンパニオン仕様」の1つである「Simple Scale」仕様を実装している。これにより、異なるシステムや機器間の相互運用性向上の支援を可能とするとともに、バリデーション工数や統合コストの削減、プロジェクトの迅速な開始を可能としている。
■確実なコンプライアンスでデータインテグリティを支える
ラボのデジタル化を考えるうえで、避けられないのがコンプライアンスへの対応である。特に、医薬品製造の規制環境では、ALCOA++原則の遵守やDI要件への適合などが求められる。Cubis® Ⅲでは、ラボの要求仕様に合わせて構成を選択でき、機能を拡張させた「Cubis® Ⅲ Max」では、DIや改ざん防止監査証跡をはじめ、ユーザー管理、ガイド付きワークフロー、検証済みキャリブレーションなどのコンプライアンス管理を支援する機能をもつ。

「正確に量り、その結果を信頼できるデータとして残す。コンセプトの1つである“Comply”は、この一連のプロセスを支える考え方といえる。また、“Simplify”はシステムを増やすのではなく、シンプルにするというもの。システムが増えれば、それだけ管理対象も増える。導入時の設定、バリデーション、アップデート、ライセンス管理、保守など、機器とシステム間に複数のミドルウェアが介在することが、長期的なIT負担につながる可能性がある。Cubis® Ⅲは、天びん自体がさまざまな接続機能を備えることで、こうした構成をできるだけシンプルにすることを目指している。導入時のコストだけでなく、システム統合や運用、保守までを含めた総所有コスト(TCO)を考えるという視点がある」と古関氏は説明。
また、ブースでの取材に応じた同社フィールドアカウント営業部部門長の浅野武志氏も「OPC UAを組み込んでいる電子天びんは、わが社の製品のみ。Cubis® Ⅲは精度が高く、かつ秤量範囲が広い。一般的な研究・分析環境では、Cubis® Ⅲ、製薬・医療技術分野など、より高度な規制対応やシステム統合が求められる環境ではCubis® Ⅲ Maxを製薬業界に活用いただき、認知度を高めていきたい」と補足した。
ラボのデジタル化は、一度にすべてを刷新できるとは限らない。既存設備を使いながら段階的にデジタル化を進めるケースも多く、研究テーマや組織規模によって必要な機能も異なる。Cubis® Ⅲは、ラボの要求仕様に合わせて構成を選択でき、必要に応じて機能拡張が可能である。持続性+コンプライアンス+真のコスト削減。「量る」から「つなぐ」へ。天びんの役割が変わり始めている。
■お問い合わせ
ザルトリウス・ジャパン株式会社
〒140-0001 東京都品川区北品川1-8-11 Daiwa品川Northビル4F
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