• PTJ ONLINE トップ
  • お知らせ
  • 【AD】滅菌バリデーションセミナー開催 ISO規格・Annex 1の改訂内容を踏まえた実務対応を解説

─AD─
滅菌バリデーションセミナー開催
ISO規格・Annex 1の改訂内容を踏まえた実務対応を解説

サクラエスアイ

木下氏.jpg
サクラエスアイ㈱ 代表取締役社長 木下 正道 氏

 2026年4月、サクラエスアイ株式会社は「滅菌バリデーションセミナー 基礎及び特別講演会」を開催した。本セミナーは同社が定期的に開催しているが、今回は2023年以来の開催となり、80人を超える参加者が集まった。
 開会にあたり、代表取締役社長の木下正道氏は、「医薬品業界ではさまざまな規制や規格があるが、抽象的な内容が多く、実際にはどのように対応すれば良いか分からないことも少なくない。セミナーでは、規格やガイドラインの解釈や具体的な取り組み方について解説するので、ぜひ日々の業務の参考にしていただきたい」と呼びかけた。

 

■ISO 17665:2024の改訂ポイントと実務への影響を整理

高橋氏.jpg
学術顧問 ISO/TC198 WG1(EO 滅菌) 国内対策委員会主査 髙橋 治 氏

 最初に、同社学術顧問の髙橋治氏が「ISO17665:2024改訂の概要と実務への影響~湿熱滅菌プロセスの国際標準の動向~」をテーマに講演。ISO17665は、医療機器湿熱滅菌プロセスについて、開発、バリデーション、日常管理に関する要件を定める国際規格である。改訂前の2006年版では、要求事項を示すPart1(2006年発行)、運用を補足するPart2(2009年発行)、Part3(2013年発行)に分かれた3部構成となっており、必要な情報が複数文書に分散していた。

 「微生物学的方法を重視する米国と物理的方法を重視する欧州の考え方が折り合わず、結果として分冊せざるを得なかった」と、3部構成になった背景について説明した。

 2024年の改訂では、これら3文書が統合され、本文の要求事項と附属書(ガイダンス)を1冊で参照できるようになり、要求の意図や根拠を追いやすくなり、教育や監査、SOP整備における運用、解釈のばらつきを抑えやすくなった点が大きなポイントだという。

 また、もう1つの重要な特徴が、附属書B(微生物学的不活化を根拠に滅菌プロセスを設定・評価するガイダンス)と附属書C(物理的パラメータにより滅菌プロセスを設定・評価するガイダンス)の関係が、「相互補完」と明示された点である。

 従来、物理的方法と微生物学的方法の併用については、欧州の蒸気滅菌器の規格であるEN285/13060に装置が適合しない場合に、“例外対応”として認められていた。これが見直され、2024年版では附属書Cは主にOQ、附属書BはPQ(必要ならOQでも可)というように役割分担が整理され、併用が正当な選択肢となった。これにより、微生物学的方法と物理的方法を組み合わせた、より合理的な滅菌保証の組み立てが可能となる(図1)。

 「併用は、以前はEN規格に合わない装置への“逃げ道”のように受け取られがちだったが、2024年版では相互補完が明示され、長年続いてきた議論がようやく歩み寄りの段階に入った」と語った。

 さらに、容器封入製品滅菌についても詳しく解説し、飽和蒸気が製品表面に直接接触する飽和蒸気滅菌と密封容器内の液体を加熱する容器封入製品滅菌とでは、成立原理や評価の着眼点が大きく異なると指摘した。

 「2024年版では、両者の前提条件が明確化されて混同しにくくなったが、それでも分かりづらい」とし、容器封入液の滅菌に用いる滅菌装置(ハード面)の要求事項とプロセス(ソフト面)に関する要求事項を、それぞれISO 17665とは別の独立した規格で整理していくのが良いのではないかとの考えを示した。

 「現実的な対応として、短期的にはISO17665の追補(AMD1)に容器封入製品滅菌の最小限の要件を入れ、長期的には容器封入製品の独立した国際規格化も検討していく」という方向性を提案した。
 

図1.jpg
       図1 ISO 17665:2024における附属書BとCの関係

■湿熱滅菌装置における汚染管理の考え方

木村氏.jpg
技術部長 木村 豊 氏

 続いて登壇した同社技術部長の木村豊氏は「湿熱滅菌装置の汚染管理」をテーマに、装置構造から汚染管理戦略、具体的な設計・検証のポイントまでを体系的に解説した。

 冒頭、ISO17665における湿熱滅菌の定義を確認したうえで、飽和蒸気滅菌と容器封入製品滅菌の違いを整理した。飽和蒸気滅菌の代表例として真空脱気式飽和蒸気滅菌、容器封入製品滅菌の代表例として熱水スプレー滅菌および空気蒸気混合滅菌を挙げ、各装置におけるチャンバ内の圧力・温度挙動や装置構成を示しながら、それぞれの成立原理を説明した。

 次に、PIC/S GMP Annex1で求められる汚染管理戦略(CCS)の概要に触れ、汚染物質の混入源は被滅菌物である医薬品や一次包装材料のほか、滅菌装置本体や配管、ユーティリティ、洗浄工程、設置環境など、多岐にわたることを説明した。

 また、被滅菌物の汚染管理については、湿熱滅菌で除去できるのは主に微生物で、粒子や化学物質は除去できない点を前提に、残留汚染物質が滅菌効果を低下させる可能性があることや過剰な滅菌は品質・機能・安全性に影響を及ぼすことなどを解説した。

 さらに、湿熱滅菌装置における汚染管理を考慮した装置仕様も示された(図2)。チャンバの材質や表面仕上げ、チャンバドアの構造やパッキン、配管の材質・勾配・デッドレグ対策、エアーフィルタや真空ポンプの選定など、湿熱滅菌装置が汚染物質をもたらさないようにするための設計上の工夫などを例示した。加えて、エアーリーク試験やフィルタ完全性試験など、検証および維持管理におけるポイントについても説明した。

 「湿熱滅菌は製品への影響が大きく、汚染は品質や安全性、滅菌不良の原因となるため、汚染管理が極めて重要である」と強調。そのうえで、PIC/S GMP Annex1のCCSとISO 17665のどちらにおいても、定期的な見直しと変更影響評価を通じて、品質システムを継続的に改善することを求めているとし、滅菌バリデーションと汚染管理を適切に行っていくことの重要性を訴えた。
 

図2..jpg
    図2 湿熱滅菌装置の汚染管理を考慮した装置仕様

■Annex 1改訂に基づく滅菌要件と実務上の留意点

佐々木氏.jpg
GMPテクニカルアドバイザー 佐々木 次雄 氏

 本セミナーの特別講演として、GMPテクニカルアドバイザーの佐々木次雄氏が登壇し、「無菌医薬品の製造に関するAnnex1ガイドラインの各種滅菌要件」と題して、2022年に改訂されたPIC/S GMP Annex1の要件や実務における対応などについて講演した。

 まず、改訂版Annex1ではICH Q9(品質リスクマネジメント)とICH Q10(医薬品品質システム)の考え方が組み込まれ、汚染管理戦略(CCS)という言葉が新たに定義されたことが特徴であると説明。CCSは、微生物、エンドトキシン/パイロジェン、微粒子に関する管理の組み合わせにより、工程性能と製品品質を保証するために計画され、管理対象には原薬、添加剤、施設、設備、操作条件、工程内管理、最終製品規格、管理の頻度に関するパラメータなどが含まれ得るとした。

 CCSの構築については、「強固な土台をもつ建物」に例え、「担当者の意識(Quality Culture)」、「品質リスクマネジメント」、「製造工程と汚染防止に関する科学的知識」という3つの基本的要素が“土台”となるとした。そして、それらを踏まえて作業員の教育や工程設計、設備設計といった汚染管理をするための要素を整理し、バリデーション活動やモニタリング活動を行い、変更管理やCAPAなどを通じて、継続的に管理・改善をしていくことが重要であると強調した。

 改訂Annex1における滅菌関連の項目についてポイントの解説では、8.34項の滅菌法の選択について、可能な限り最終製品は最終滅菌法を第一選択とするのは変わらない一方で、最終滅菌ができない場合は、無菌操作後の最終熱処理を考慮するという内容が追加されていることを紹介(図3)。日本国内においては、PIC/S GMPガイドラインの手法を活用することの是非については製造業者などにおいて主体的に判断されるものであるため、必ずしも無菌操作後の最終熱処理が必要というわけではないが、欧州に輸出する場合には実施しなければならない点に留意すべきとした。

 8.49項の滅菌できない原材料、設備・器具、部品などの管理については、バリデートされた消毒法が実施され、再汚染防止と環境モニタリングを含めた管理が求められていると説明。消毒法のバリデーションにおいては、EN規格に基づき消毒剤の効果を確認することが求められているが、菌液を乾燥固着させる手順が含まれることから、「乾燥すると菌は死ぬことが多い。乾燥によって死んだのか、消毒剤の効果によって死んだのかの区別は難しいので、その点に注意する必要がある」と指摘した。
 

図3.jpg
            図3 滅菌法の選択に関するディシジョンツリー

 講演ではこのほかに、5.5項において、製品と直接または間接的に接触する部品の滅菌が求められているものの、ゴム栓ボウルなど滅菌が難しい大型部品もあるため、対応を検討する必要があることや4.36項において求められている蒸気消毒のバリデーションについて、過酸化水素蒸気を使用する場合には凝縮しやすい性質をもっている点に留意すべきであることなどが紹介された。

 


■お問い合わせ
サクラエスアイ株式会社
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町4-5-14 入江ビル
TEL:03-3231-1612
E-mail:contact@sakurasi.com
URL:https://www.sakurasi.com

前のページへ戻る

この記事に関連する商材情報

こちらの記事もご覧ください

    TOP