ファームテクジャパン 2026年1月号 紹介
現場が変わる 茨城県のGMP調査、実態と学び

PHARM TECH JAPAN2026年1月号・「茨城県におけるGMP調査について」の内容を紹介します。


制度改正の波と、地域の現在地

令和7年の薬機法等改正で、後発医薬品のGMP調査主体の一部がPMDAへ移管、定期適合性調査は「5年→3年」に短縮され、調査制度は大きくアップデートされました。こうした動向を受け、本稿は茨城県の産業概況(医薬品生産額2,732億円〈13位〉、医療機器2,320億円〈3位〉)と、県内の製造販売業・製造業の分布を概観しつつ、地方当局の視点で品質確保の現状と課題を整理します。地理・物流・研究基盤の優位性にも触れ、なぜ県内に多様な製造所が集積するのかを読み解きます。

“見に行く”調査力——体制・実績・可視化

茨城県のGMP調査は本庁・薬務課が担い、薬事/麻薬/企画調整の3グループ体制となっている。調査品質の要である専門人材の育成・継承を重視し、リーダー調査員の兼務発令など運用工夫を進めています。令和6年度末時点の調査対象施設は35件(原薬、非無菌、無菌、包装表示、特定保管、部外品等)。同年度の調査実績は40件、そのうち無通告の立入調査4件、指摘事項書発出10件という具体値を開示し、実施状況を図表でわかりやすく可視化しています。PIC/S再評価の実地審査対象となった経緯や、厚労科研ワークショップ開催県としての活動も紹介され、当局の取り組み姿勢が伝わります。

不備事例から学ぶ——“書面だけでは見えない”を埋める

本稿の読みどころは、調査先での不備事例(2件)を“原因・問題点・是正の示唆”まで踏み込んで解説している点です。事例1は、作業前点検を実施していないのに記録は“実施済み”となっていたケース。機器は長期故障状態で、出荷リスクと記録信頼性の毀損が懸念されました。教訓は明快——自己点検やQA確認は書類だけでなく、作業前・作業中・終了時を含む現場確認が不可欠、そして“記録の形骸化”を生まない教育と職場風土(ローテーション、相談しやすさ)の整備が要諦です。事例2は、無菌製剤の中間製品で生菌数が警報値超の逸脱が発生した事例。洗浄・清掃の是正はしたものの、製造環境の適格性やQC手技を原因から除外した理由が不明瞭で、根本原因の掘り下げ不足が指摘されました。再発防止には、十分な知識・経験を持つ人材の関与、CAPAの有効性モニタリングが不可欠であると結びます。最後に当局は、①全従事者の“品質責任”の自覚、②意見を言いやすい雰囲気、③結果先行にならない逸脱調査という3つの論点を投げかけ、研修・WSの継続提供を約しています。

 

見どころ

  • 数字でわかる“調査の現場”:対象施設35件/年間40件(無通告4件)、指摘事項10件ー—体制と実績を図表で可視化。
  • 不備事例からの実践知:点検未実施の“記録上は実施”問題、無菌逸脱の“原因切り分け不足”に学ぶ是正の勘所。
  • “書類+現場”で担保する品質:作業前・中・後の現場確認、教育と相談しやすい職場風土、CAPAの有効性確認を重視。
  • 制度改正の背景まで:PMDA移管や定期調査「3年化」など、最新の制度動向を踏まえた地方当局の対応。

 

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