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開発スピード向上へ“データ駆動型の研究開発”へ転換
第一三共、CMC研究におけるDXの基盤にLIMS「LabWare」を導入
LabWare Japan

第一三共は、中期経営計画の重点テーマとしてDX推進を掲げ、創薬から臨床開発、サプライチェーン、販売・情報提供まで製薬バリューチェーン全体で先進デジタル技術の活用を進めている。その中で、CMC研究機能を担う複数拠点でのデータ管理・利活用を支える中核システムとして導入が進められているのが、LIMS『LabWare』である。
本稿では、第一三共においてLabWare導入を主導する、テクノロジー本部 テクノロジー開発統括部 技術開発マネジメント部 技術インテリジェンスグループ グループ長の中川弘司氏と、同グループの三浦学氏に、LabWareをはじめとするデジタル技術活用によって、同社がどのような研究開発の将来像を描いているのか話を聞いた。
■データ駆動型の研究へシフト、その第一歩としてLIMSを導入
第一三共ではDX化推進にあたり、グローバル全体での戦略を統括する組織がイニシアチブをとり、各事業・機能ユニットから提案されるDX施策に対して全体方針との整合も踏まえて優先順位をつけ、順次予算措置・導入が進められる仕組みをとっている。中川氏および三浦氏は、その枠組みの中でCMC研究所にあたるテクノロジー開発統括部でのDX化をけん引し、LabWare導入プロジェクトを進めている。
三浦氏は、「CMC関連の研究所では、開発初期のデータから申請に用いるレギュレーション対応データまで取り扱いの範囲が幅広いという特徴があります。これまではプロセス技術・製剤技術・分析など研究所ごとにデータ管理の方針やツールを独自に決めており、いわば拠点ごとにデータが散らばっているような状態でした。一方で昨今の製薬産業を取り巻く環境を見ると、研究効率化やスピードアップが必須になっており、そのためには“データ駆動型の研究開発”にシフトしていく必要があると考え、散在しているデータを一元管理するためのツールを探していました」と当初の課題とLIMS導入に至った背景を振り返る。
また中川氏は、「最終的には研究所のみならず工場での治験薬GMP関連データや、製造委託先のCMOからもデータを集約して“データレイク”を構築することで、データ駆動型のCMC研究につなげることを見据えています。今般のLIMS導入はそのための重要な一歩であると認識しています」と語り、 LabWareの導入は、同社が描くCMC研究の将来像の中で重要なマイルストーンに位置付けられることを示唆した。

■“効果的に活用する”ためのデータ管理へ
現在、同社でLabWare導入を進めているのは、プロセス技術・製剤技術・分析の3研究所である。これらの研究所ではすでに紙から電子への移行は進んでおり、電子実験ノート(ELN)やExcelを用いてデータが記録・保管されていた。しかしそれらは前述のとおり各研究所単位での管理となっていたため、“データ統合による一元管理で効率的な研究につなげる”という運用に転換を図る必要があった。
中川氏は、「複数拠点にまたがって研究データを集約・構造化する基盤の構築を考えると、単純にクラウド上にデータを集めて管理すればよいのではという構想もありました。しかし、そのためにはデータの扱いに関するルール化が重要になってきます。現実的に複数研究所でのルール遵守という実運用を考慮すると、やはりLIMSを導入するほうがスムーズかつ確実なデータ管理に移行できるのではと考えました」と説明する。中川氏のこの言葉からは、データをうまく利活用するためにはその取り扱いを標準化する必要があり、いかに現場の研究者に標準的なデータの扱いとシステムの利用を浸透させるかが重要だということがわかる。
また三浦氏は、「実はある研究所で過去にLIMS導入に挑戦したことがあったのですが、いくつかの課題からうまく活用が進まなかった経験があります。その反省を踏まえ、今回はどのようにLIMSを選定するかがポイントになりました」と付け加え、現場で実際に使われるシステムとして運用することの難しさを補足した。
■必要なのは“柔軟性”と“現場の使いやすさ”
これまでの経緯や現況を踏まえ、LIMS選定にあたって両氏が声をそろえて重要ポイントに挙げたのは、“業務に対する柔軟性”と“現場での使いやすさ”であった。同社は抗体薬物複合体(ADC)をはじめ、さまざまなモダリティの開発を手がけているが、開発品目が変わればワークフローや必要なデータ項目も変わる。そのため“品目・モダリティの変化にシステムが追随できること”は必須条件となった。
「過去にLIMSが定着しなかった原因を振り返ると、多くの品目を扱う中で現場の変化スピードに合わせられる柔軟性がなかったこと、そして画面や操作性が研究者の感覚と乖離しており、日常業務のツールとして根付かなかったことが反省点です。そのため今回は“高い柔軟性”を選定ポイントに定め、さらに“ユーザビリティの高さ”も重視した結果、われわれの希望に合致したLIMSがLabWareでした」と三浦氏。
CMC研究では、申請に用いるデータも扱う以上、データ完全性(Data Integrity)確保や各国規制への対応も前提条件となる。こうした要件と合わせて、プロセス技術・製剤技術・分析の3研究所で同一システムを運用できる汎用性や、ELNとセットで利用できる使い勝手の良さとユーザーフレンドリーなインターフェース、柔軟性が高く自社の要件に沿ってカスタマイズできる点などがLabWare採用の決め手になったという。

「当社がもつ研究プロジェクト管理の基幹システムとの連携もスムーズで、各研究所にある分析機器や電子天秤なども種類を問わずに接続できるという外部連携の観点でも、LabWareは柔軟性が高いのが利点です。また、グローバルでの利用実績も豊富で、製薬業界向けの標準機能を備えた『Pharma Template』というテンプレートがあることも導入検討で役立ちました。そうした標準的な要件のほかに、各研究所での細かな要件に適合させるカスタマイズも柔軟に対応可能であったことが大きいです」と中川氏はLabWareを選定した理由を列挙。そして、システムの利点を最大化するためのサポート体制にも言及した。
「カスタマイズでは、研究現場からさまざまな希望が寄せられますが、それをそのまま丸呑みしてシステム構築してしまうと、まとまりがなく使い勝手が損なわれてしまいます。そこをうまく整理してくれたのがLabWareのコンサルタントの方でした。われわれの希望と意図を的確に捉え、要件を整理し、現実的な運用面も加味して機能として落とし込んでいく作業を丁寧に行ってくださったことが、スムーズな要件定義と実装につながったと考えています」(中川氏)。
製薬業界向け標準テンプレートをベースにしつつ、研究所ごとの業務に合わせたカスタマイズ※を行うことで共通化と個別最適のバランスをとる。その中で顧客要望を正確に拾い上げて実装していくというコンサルタントの存在は、LabWareというシステム自体の柔軟性や機能性の高さを最大限に発揮する、ベンダーとしての“総合力”の表れだといえるだろう。
※ここで言うカスタマイズは、LIMSのソースコード変更ではなく、マクロ言語を用いて業務へ適合させることを指す。
■“なくてはならないもの”としての定着、その先に理想像がある
第一三共でのLabWare導入は、機能や対象範囲を段階的に広げていく計画で進められており、取材時点では最初のリリースを迎え、現場での本格的な利用を開始する段階にあった。
「以前の反省も踏まえ、まずは現場で使ってもらうことが何より重要だと考えています。システム導入はゴールではなく、“データ駆動型の研究開発”を達成するためのスタートラインです。データに基づいて意思決定できる環境を整えること、その土台がLIMSを含むデータ基盤だと考えており、しっかりと現場に浸透させていきたいです」と中川氏は強調する。
三浦氏もまた、「繰り返しになりますがデジタル技術やLIMSはあくまでツールであり、それをいかに使いこなすかが重要です。現場でまずは使ってみたいと思ってもらえる環境を整え、徐々に“なくてはならない存在”にしていきたいです。その中で、新たな機能要件や、昨今話題の生成AI活用など一歩踏み込んだ要望も上がってくるかもしれません。LabWareには、技術の進歩や現場ニーズに合わせてどんどん機能を改良していくことも期待したいですし、そうした機能拡張の先に、われわれがめざす研究開発の理想像があると捉えています」と展望を述べた。
第一三共によるLIMS『LabWare』導入プロジェクトは、データを統合して研究開発に“活かす”という発想への転換であり、複数研究拠点をまたぐ“データ駆動型の研究開発”の実現を目指す取り組みとして、今後の展開が注目される。
■お問い合わせ
LabWare Japan株式会社
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台2-3-16 駿河台スカイビル5F
TEL:03-6811-7154 FAX:03-6811-7155
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