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双日京都ファーマテック誕生
GEA社ファーマ製品を中心にラインサプライを実現
双日京都ファーマテック
2025年6月、双日マシナリー(東京都千代田区)と京都製作所(京都市)の合弁会社「双日京都ファーマテック株式会社」が誕生した。すでに2024年7月からGEA社ファーマ製品の国内総販売代理店として本格スタートさせた双日マシナリーおよび同社と深い関係を持ち、製薬向け包装機の納入実績を多く持つ京都製作所による新会社設立で、両社の強みを最大限に活かし、製剤から包装まで一気通貫のシステム構築を実現することが可能になった。本稿では、新会社の社長に就任した今枝浩二氏と営業管掌の遠藤幾勇氏に、今後の取り組みなどについて話を聞いた。
■双日・京都製作所双方の強みが融合
双日マシナリーが手掛けるGEA社ファーマ製品は、凍結乾燥機を中心とした液剤分野機器、固形剤分野では造粒、乾燥、打錠、コーティングまでのプロセス機器のほか、連続生産方式含め、生産性向上を図るためのラインの供給、加えて、高活性薬理(OEB5-6)に対応できる高い封じ込め技術を使ったさまざまなソリューションを展開している。
一方、京都製作所は自社製包装機械の販売のみならず、前後設備を取りまとめた包装ライン供給ができる高度な技術力と開発力を持つ総合産業機械メーカーである。
実は、両社のつながりは古く、双日株式会社の前身の1社である日商岩井時代までさかのぼる。現在では、医薬品包装機以外に電気自動車(EV)用二次電池製造ラインでコラボレーションを続けており、非常に親和性の高いパートナーとして関係を深めてきた。
双日株式会社は、約15年前から医療分野への事業展開として、海外での病院PPP事業、シンガポールにおける民間医療事業などを展開しているが、双日マシナリーとして医療医薬分野でどのような事業ができるかを模索し続けていたという。
2024年7月に、GEA社ファーマ製品の国内総販売代理店権を取得し、製薬分野での活動を本格スタートさせ、今般、京都製作所とのパートナーシップにより、自動包装ラインとGEAファーマを中心とした製薬ラインを連結させ、トータルラインサプライヤーを目指す合弁会社を設立するに至った。さらに、企業付加価値を高めるために、ソフト面においても製薬・ライフサイエンスコンサルティング会社である米国Pharmatech Associates社による許認可取得支援サービスも用意し、海外の規制当局の情報を熟知した専門家集団による医薬品のプロセス開発、薬事支援を行うサービス提供も進めている。
■双日京都ファーマテックが目指す姿
双日京都ファーマテックは、双日マシナリーと京都製作所双方の強みを融合させ、以下の実現を目指す。
1)お客様の信頼を得るためにカスタマーサービスの体制強化を図る
・輸入機において不安視される「カスタマーサービス」体制と技術力を強化
・3年内の関西サービスセンター設立を目指す
2)世界基準のGEA社ファーマ製品、技術を紹介
・GEAが世界で優位性を持つ技術、製品の紹介
・製剤技術者によるサポートも提供でき、顧客が試作テストできるテストセンターの2年内の設立を目指す
3)GMPを遵守した品質管理体制の構築
・DX活用による納入機器の完成図書、点検修理履歴の閲覧システム構築
4)製薬トータルラインサプライヤーを目指す
・GEA機器はもちろん、その前後機器、搬送機器、検査機器、包装ラインの取りまとめと一貫供給ができる
技術と体制の早期構築
■GEA社ファーマ製品+高付加価値製品で「新たな解」を提案
GEA社ファーマは固形剤分野では、連続生産、フレキシブルバッチ生産ライン供給の実績のほか、低圧打錠によるプロバイオテックス製造に適した打錠機、高活性薬理対応のバルブによる封じ込め技術やカナリアシステム(作業者の安全確保のための常時漏洩検知器)による作業者の安全確保機器など、多岐にわたる用途に適する機器を有することが強みである。
こうしたGEA社ファーマ製品を中心とした機器販売を進めるほか、国内の労働力減少も見据え、双日マシナリーの取引企業とともに、ロボット・AGVなどを活用した自動化や省力化の提案を顧客に行っていくとしている。
「製薬企業におけるエンジニアリング部門が縮小傾向のなか、弊社がラインサプライを提案できることは、時代のニーズに合っていると考えている。日本には、優れた技術を有する機械メーカーが多数ある。GEA社のネットワークも駆使しながら、そのような企業の技術力をグローバルに向けて発信する取り組みも進めていく。SDGsの目標13(気候変動に具体的な対策)を達成する上で、省エネ効果が高く、環境に優しい冷媒として注目されているアンモニア冷凍機などもその一つだ。医薬品工場建設に環境への配慮が求められる昨今、グリーンエネルギーへの提案もする必要がある。双日マシナリーとしての実績をベースに、その領域で経験を有する取引企業と協業することで、顧客にとって最適なシステムを提供することができる。われわれにとっても新たな解を得ることができる」と遠藤氏は説明する。
「日本の医薬品製造は変革期。労働力不足の昨今、省力化、自動化は喫緊の課題だ。双日京都ファーマテックの提案が、解決策の一つになると考えている。GEA社ファーマ製品の優位性を前面に出し、双日マシナリー・京都製作所のノウハウを加えた営業活動を展開し、2030年には売上100億円を目指している。ハードルは高いが挑戦していく」と、今枝氏は意気込む。
双日マシナリーのネットワーク+ノウハウ、京都製作所の長年にわたる知見+技術力がタッグを組んで生まれた双日京都ファーマテックの動向から目が離せない。

◎第27回インターフェックスジャパン出展
・セミナー「GEA Pharmaの凍結乾燥機」
日時:2025年7月9日(水)15:50~16:20
会場:セミナー会場②南ホール1F
■お問い合わせ
双日京都ファーマック株式会社
双日マシナリー株式会社 新横浜営業所
環境・生活産業システム本部 GEAビジネスユニット
〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜2-3-12 新横浜スクエアビル5F
TEL:045-330-9189
E-Mail:lifeindsys-pharmaall@sojitz-mac.com