開催日 | 2025年6月24日(火) |
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開催地 | Web |
■講師
(株)スモールウィン 代表取締役 小山 匡子 氏
【略歴】
東京理科大学工学部工業化学科を卒業後、味の素(株)に入社。
研究所にて、アミノ酸系界面活性剤、油剤などの化粧品原料の研究開発および顧客への技術サポートに従事。
2010年より㈱ナノエッグ、2013年より太陽化学㈱、2021年株式会社スモールウィンを設立し現在化粧品原料技術コンサルティングを行う。
日本化学会コロイドおよび界面化学部会奨励賞(2003年)受賞。
味の素㈱では味覚審査委員を拝命。太陽化学㈱ではおいしさ科学館と共同研究を実施。
【学位】
博士(工学)
【ご専門】
界面化学、化粧品学
【ご活動】
日本化粧品技術者会東日本支部 常議員
公社)日本化学会コロイド及び界面化学部会 役員
公社)日本油化学会 代議員
■受講対象・レベル
化粧品およびその原料などの研究開発者。感覚の数値化に関心がある化粧品の企画販売に関わる人。
■習得できる知識
官能評価の基本的な考え方とその活用方法
化粧品の使用感を評価するための具体的な手法
感覚的なデータを可視化し、機器測定で数値化するための実践的なアプローチ方法
官能評価と機器測定との相関をとるための実験設計法
■趣旨
化粧品開発や販売において、「触れたときの心地よさ」「肌になじむ感覚」といった使用感は、製品の魅力を左右する重要な要素です。これら感覚的な要素をいかに的確に伝え、数値として評価するかは、企画・開発・マーケティングの各部門において共通の課題です。
本講演では、人の感覚を基にした古典的な官能評価の手法について理解を深めるとともに、近年注目される機器測定との相関を探る実験手法も紹介します。感覚評価と科学的データの融合によって、より効率的かつ信頼性の高い製品開発のための手法を提示します。
■プログラム
1.官能評価の基礎とその重要性
1-1. 官能評価とは何か
1-2. 化粧品業界における官能評価の3つの役割
1-3. 人の感覚を扱う際の留意点(パネルの選定と教育)
2. 化粧品の使用感を評価する具体的な手法
2-1. 使用される代表的な評価法(SD法、順位法、対比較法など)
2-2. 評価スケールや質問票の作成ポイント
2-3. 消費者調査との違いと融合の考え方
3. 感覚的データを可視化し、機器測定で数値化するアプローチ
3-1. 数値化の目的とデータ活用の実際
3-2. 機器測定の目的と手法
3-3. 実際に開発や研究を進めるうえでの注意点
4. 官能評価と機器測定との相関をとる実験設計と具体例
4-1. 洗顔料の泡評価
4-2. 洗顔料の原料となる界面活性剤の泡評価
4-3. クレンジングオイルの感覚の数値化
5.最後に
5-1. 機器による感触の数値化の留意点