開催日 | 2024年12月13日(金) |
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開催地 | Web |
【開催日時】
2024年12月13日(金) 13:00~16:00
【講師】
シオノギファーマ(株)生産技術部 製剤部門 シニアアドバイザー 薬学博士 谷野 忠嗣 氏
《専門》
製剤学・製剤工学
《略歴》
1979年3月 京都大学工学部工業化学科卒業
同年 塩野義製薬(株)入社
以来、一貫して経口固形製剤の製剤設計、製造設計を担当
2004年1月 塩野義製薬(株) 攝津工場長
2006年4月 塩野義製薬(株)CMC開発研究所 製剤研究部長
2013年4月 塩野義製薬(株)CMC開発研究所 製剤研究センター長
2015年2月 沢井製薬(株)技術部長
2021年8月 シオノギファーマ(株)生産技術部 製剤部門 シニアアドバイザー
現在に至る
【価格】
会員(案内)登録していただいた場合、通常1名様申込で49,500円(税込)から
★1名で申込の場合、46,200円(税込)へ割引になります。
★2名同時申込で両名とも会員登録をしていただいた場合、計49,500円(2人目無料)です。
【趣旨】
毎年多くの新薬化合物が創出されている。しかし、これらはあくまでも生理活性物質であって医薬品ではなく、ヒトに投与できる剤形に加工することにより初めて医薬品となる。そして、これら新薬化合物を医薬品へ加工・変換する技術が製剤技術であると言える。製剤の歴史は古く、世界大百科事典(平凡社,1998 年)によると,メソポタミア文明の紀元前 3000 年ころの粘土板には散剤や液剤,軟膏剤などの楔形文字が,また紀元前 1500 年ころのエジプト新王朝時代のパピルス紙の文献には吸入剤や丸剤などの象形文字があるという.しかし、その中にあって本講義のひとつである錠剤が正式に日本薬局方で規定されたのは1932年(昭和7年)であり、まだ100年を経過しておらず、先の古代文明における製剤の歴史とは比すべくもない。また、その錠剤を製造する錠剤機の登場は更に新しく、現在の2段圧縮機が実用化されたのは1965年ころのことであり、まだ60年を経過していない。しかし、その打錠技術は現在までに格段の進歩を遂げ、高い品質を有する錠剤が無人で製造されるようになっている。造粒技術もまた然りである。しかし、ここで注意すべきは、造粒工程と打錠工程は互いに独立して存在するのではなく、打錠工程で得られる錠剤品質の多くは造粒工程に大きく依存しているという事実である。このことはすでに1932年の局方註解にも実例とともに記載されているとおりであって、このことが、製剤工程を複雑化し、現在でも様々なトラブルの原因のひとつともなっている。すなわち、当該工程でのトラブルを解決するためには、その前工程での不具合を解決しなければならない事例が少なくない。本講義では、このような実情を捉えて、各製剤工程における基本技術および問題点やトラブル、そしてその解決方法などをできるだけ事例を交えて平易に解説して行きたいと考える。
【プログラム】
1.造粒工程の基礎知識と実際
1-1適正な造粒度とは何か?
1-2造粒のメカニズムが異なる要因
1-3限界含水率とは
1-4スケールアップ時の造粒条件と造粒物性
1-5小スケールでの造粒時間と錠剤の崩壊時間の関係
1-6攪拌造粒のスケールアップ
1-7スケールアップ後の錠剤品質の比較
2.打錠工程の基礎知識 と打錠障害とその解決方法
2-1錠剤のキャッピング
2-2キャッピングのメカニズム
2-3打錠用顆粒の見かけ密度の変化
2-4滑沢剤混合条件と錠剤品質の関係
2-5打錠設備内での粉粒体の状態解析
2-6固形製剤製造工程のスケールアップ
3.製剤技術移管、技術継承の重要性
3-1研究開発から製造への技術移転
3-2共有化すべき情報(文書)
3-3事例1混合機への原料の投入方法
3-4事例2スプレー液タンクの攪拌の必要性
3-5製造部門内での技術移転・継承の継続
4.ICH Q8 の概略解説
4-1製剤開発に関するガイドライン
4-2ICH Q8で重要な語句
4-3重要品質特性(CQA)
4-4実生産規模でのデザインスペースの構築
4-5プロセス解析工学(行程解析システム)(PAT)
5.新薬およびジェネリック医薬品の双方における製剤開発の解説
5-1ジェネリック医薬品とは
5-2申請区分による提出データの差異
5-3ジェネリック医薬品の開発フロー
5-4錠剤印字による識別性の向上
5-5カンデサルタン錠について