ファームテクジャパン 2026年6月号 紹介
晶析まで“つなぐ”連続生産 パーキンソン病治療薬で示す一気通貫フローの実像
PHARM TECH JAPAN2026年6月号特集「連続生産の最前線――実用化に向けた検討事例」の記事「晶析による精製工程を含むパーキンソン病治療薬の連続フロープロセスの構築」の内容を紹介します。
●「反応だけ」では終わらない——連続生産の次の課題
医薬品製造の多くはバッチ法が主流で、エネルギーや廃棄物の観点に加え、将来的な労働力不足への備えも含めて製造のアップデートが求められています。そこで期待されるのが連続生産ですが、実務のハードルは“反応を回す”だけではありません。後工程の精製まで含めて設計しなければ、全体最適にはつながりにくいからです。本稿はこの点に対し、精製としての晶析を組み込んだ連続フロープロセスを、具体例で示します。
●供給を支えるプロセス設計
対象となるのはパーキンソン病治療薬(サフィナミドメシル酸塩)。患者数増加が予測される疾患領域であり、安定供給の観点からも製造プロセスの強靭化が重要になります。従来のバッチ法では工程間で単離精製や溶媒切り替えが必要になりやすい一方、連続生産では“途中で止めて整える”操作が難しいため、最初から一貫した設計思想が求められます。記事では、単一溶媒系で各工程を成立させ、工程間のつなぎ方まで含めて一気通貫にする発想をまとめています。
●実装に近い“現実解”——連結・安定運転・スケールの視点
プロセスを連結するうえでは、反応条件だけでなく、相分離や溶媒の扱い、晶析が成立する環境づくりなど、いわば“工程の都合”が重要になります。本稿は、インライン抽出や晶析を含む後工程を視野に入れ、連続運転の安定性やスケールアップの考え方にも触れています。さらに、既存法との比較評価を通じて、連続化がどのような価値(効率・資源面を含む)につながり得るかを示唆。連続生産を「いつかの理想」ではなく、実用化に向けた検討事例として捉え直せる内容です。次の課題として後処理工程の連続化にも言及しています。
見どころ
- 精製まで含めた連続プロセス:反応中心の議論にとどまらず、晶析を含む“全体設計”の重要性が伝わります。
- 単一溶媒系での一気通貫という発想:連続生産ならではの制約を前提にした設計思想が学べます。
- 実装目線の論点整理:工程のつなぎ方、安定運転、スケールを見据えた検討の空気感がわかります。
- 次の展開が見える:後処理工程の連続化など、今後の発展も示唆されます。
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