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査察対応を見据えたGMP記録電子化の現実解
紙運用の課題を踏まえ、DI対応と業務効率化を両立する電子化
スカイコム
医薬品製造の現場では、製造記録や点検表、試験記録など、多くの帳票がいまも紙で運用されている。紙は扱いやすい一方で、データインテグリティ(DI)の観点から見ると、構造的な弱さを抱えやすい。近年は規制当局の査察においても、「データの信頼性をどのように保証するか」が重要課題として改めて問われている。

株式会社スカイコム取締役 執行役員 営業本部長の梶原寛氏は、2026年3月5日~3月19日に配信されたPHARM TECH JAPAN ONLINE WEBセミナー「医薬品GMP現場におけるQuality DX推進事例とDI対応の実践~紙運用を崩さず進めるGMP記録の電子化・ペーパーレス化~」で、データの信頼性保証と業務効率化を両立させる同社ソリューション「SkyPAS® AT」を紹介した。
■紙ベース運用に潜むDIリスクと査察指摘の傾向
査察で問題になりやすいのは、日常運用の中に潜む「誰でも変えられてしまう」「後から追えない」「なくなってしまう」といった状態である。アカウント管理やアクセス制御、監査証跡が不十分なまま機器やシステムを使っているケースでは、バリデーション不足や電子記録レビュー不足として指摘につながりやすい(図1)。OOS処理で都合のよい結果だけを採用したり、再試験の手順が不適切だったりする場合も、試験実施者が管理者権限を持ち、自ら記録を変更できる状態であれば、改ざんリスクとして疑義を招く。
さらに、バックアップ不足、機器内へのデータ滞留、記録用紙の自由なコピーや再発行、機器時計の変更可能性といった状態は、差し替えやバックデートのリスクとして査察上の論点になりやすい。「つまり、データを誰でも変えられてしまう、データを後から追えない、データがなくなってしまうといった状態は、査察で問題視されやすい点となります」と梶原氏は説明する。

■電子化のポイントは現場負荷を下げ、自然にDIを確保すること
実際の指摘事例を見ると、その傾向はより明確だ。ある事例では、フィルター完全性試験機の監査証跡やテスト結果がバックアップされておらず、削除された記録の復旧ができなかったうえ、パスワードが個人秘密として管理されず、誰でも管理者権限でデータ削除が可能な状態だった。別の事例では、試験装置のデータを削除でき、しかも削除履歴が残らない状態に加え、バッチ記録用のブランク用紙が自由にコピーでき、発行と回収の突き合わせ管理も行われていなかった。これらに共通するのは、記録そのものよりも、「その記録が本当に信頼できるのか」を裏づける仕組みが欠けていた点にある。
こうした状況を踏まえると、GMP記録の電子化は単なるペーパーレス化ではない。紙で行ってきた権限管理、レビュー、承認といった運用を大きく作り替えるのではなく、既存の運用を無理なく当てはめながら、紙では負荷の高かった部分を電子的に支え、DIを自然に確保できる状態へ移行することが本質になる。紙運用では、記録の追跡や突合に時間がかかり、変更有無の確認は後追い作業になりやすく、複数帳票・複数工程の横断確認や長期保管、検索、提示にも工数がかかる。一方、電子化によって操作履歴・変更履歴の自動記録、記録後の変更防止、検索や提示、レビューのしやすさが実現できる。
■既存システムの隙間を埋める「SkyPAS® AT」の位置づけ
こうした文脈の中で紹介されているのが、スカイコムの「SkyPAS® AT」である。「SkyPAS® AT」は、マルチデバイス対応のクラウド/オンプレミス型セキュア・ドキュメント共有システムであり、単なる電子帳票ツールにとどまらない。MESやLIMSを置き換えるのではなく、それらでは取り込みきれない帳票類、いわば既存システムの外側に残る紙帳票を補完する。現場では、検査書や点検表、試験記録など、多くの帳票がなお紙のまま残りやすい。「SkyPAS® AT」は、そうした帳票を紙の様式のままPDFで電子化し、GMP要件とDI対応を両立させる仕組みとして設計されている。
大がかりな基幹刷新ではなく、既存システムの“隙間”を埋める発想であるのがポイントだ。品質部門を起点に、現場負荷を抑えながら段階的に展開しやすい設計であることも特徴である。MESやLIMSでは取り込みきれない帳票領域を「SkyPAS® AT」は“置き換え”ではなく“補完”で応える製品として整理できる(図2)。

■査察に耐えうる電子記録を支える「SkyPAS® AT」の機能
「SkyPAS® AT」の特長は、査察で問われやすい論点に対し、機能として答えやすい点にある。帳票はPDFとして扱われ、長期保存に適した形式として管理できる。既存帳票の元ファイルをそのまま活用できるため、短期間で大量の帳票を電子化しやすい。作業者ごとにIDを割り振って利用する前提のため、「誰が」「いつ」「何を」行ったかを自動記録・保存でき、監査証跡の確保にもつながる。権限設定も詳細に割り振ることができ、帳票記録や帳票自体の削除防止、改ざん防止、署名やロックによる再編集不可の設定も可能だ。
必要な帳票を迅速に検索・提示できることも、査察対応では重要な意味を持つ。記録をすぐに出せることは、可用性だけでなく、適切に管理されていることの説明にもつながる。加えて、紙とボールペンの代わりにタブレットと電子ペンを用い、紙と同等の操作性で記録できるため、現場手順を大きく変えずに運用へ乗せやすい。帳票原本の登録、現場での記録、署名・ロック、アーカイブ保管という運用の流れもシンプルで、紙の延長線上でDIを仕組みとして担保しやすい構成になっている(図3)。

■現場に無理なく定着するGMP記録電子化
「SkyPAS® AT」の価値は、高機能であることだけではない。現場が無理なく使い続けられることを前提に、査察に耐えうる電子記録のあり方を実装している点にある。教育負荷を抑えやすく、クラウド利用ではスモールスタートも可能で、CSV対応に関する資料提供など導入時サポートも用意されている。製薬企業側には電子記録を適切に保存しレビューできる体制やSOP整備が求められ、ベンダー側には監査証跡、アクセス制御、記録保護、バックアップ/アーカイブ、CSV対応支援などが求められるが、「SkyPAS® AT」はそうした役割分担を踏まえた製品である。
査察に耐えうる電子記録とは、単に電子化されている記録ではない。誰が、いつ、何をしたかがわかり、必要なときに確認・提示でき、改ざんや削除、差し替えのリスクが適切に制御され、長期保管にも耐えうる状態が継続的に保たれていることが重要になる。その意味で「SkyPAS® AT」は、紙運用の延長線上にありながら、その弱点を補い、DIをより堅牢にするための現実的な選択肢といえる。現場の流れを尊重しつつ、MESやLIMSでは拾い切れない帳票の電子化を進め、規制当局の査察を見据えた記録管理へつなげていく。
梶原氏は「電子化というと大きな変化のように感じられますが、“紙を使わずに紙のように使える仕組み”を整えることで、現場の負担を減らしながら確実な記録管理が実現できます」と述べ、「SkyPAS® AT」は、GMP記録電子化を“無理なく現実化”するための1つの具体解として位置づけた。
■お問い合わせ
株式会社スカイコム
〒101-0023 東京都千代田区神田松永町19 秋葉原ビルディング10F
TEL:03-5289-0788
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