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承認書遵守の徹底をAI で支える
『製造販売承認書チェッカー』による齟齬点検業務の変革

マクニカ

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スペシャリストの畠山 大祐 氏(左)と   専任課長の林 浩史 氏(右))

 医薬品供給不安の一因とされる製造販売承認書と製造実態の齟齬問題ー。品質・信頼性を確保する前提となる承認事項の遵守という観点から、行政は徹底した調査を求め、企業は齟齬の点検と改善に努めているが、負担が大きい点検作業をAIで効率化させ、高い精度も担保した事例がある。KMバイオロジクス(以下、KMバイオ)とマクニカが共同開発した『製造販売承認書チェッカー』の活用だ。
 本稿では、“承認書齟齬の問題”の背景を探り、解決に向けたAI活用の可能性について、KMバイオ品質保証統括部品質保証統括課の林浩史氏と畠山大祐氏に聞いた。
 

■承認書齟齬は偶発的なケースも多数

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 熊本保健科学大学 品質保証・精度管理学共同研究講座特命教授(取材当時)で、『医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議』の構成員なども務める蛭田修氏(写真)は、「一時期に比べ改善傾向にあるものの、今なお10%以上の医薬品が供給不安の状態で、複数の要因がある中でも承認書齟齬に起因するものは多数です。いわゆる“不正製造”として語られることもある承認書齟齬ですが、意図的な承認事項違反という不正だけでなく、偶発的に齟齬が発生して回収に至ることも多いのが実態です」と現状を指摘する。
 

 この偶発的な齟齬発生の構造的理由について蛭田氏は、「承認書、製品標準書、製造指図書(実態)の3つの文書の突合が難しい点にあります。文書ごとに目的が異なり、書き方や記載箇所、粒度も違うため、該当箇所を紐づけて整備する作業が煩雑です。変更管理では薬事手続きが不要な変更も含め更新が積み重なり、一貫性を保った改訂が難しくなることで、意図しない不整合が生じます。この問題は行政からの通知による一斉点検でも非常に多く見つかりました」と説明し、日常の小さな問題の積み重ねが齟齬と負荷増大につながる構図を示した。
 

■齟齬の早期発見が鍵、AI で効率化

 齟齬問題の解決には、承認書の記載事項簡素化も議論されているが、法令などの制度変更を伴う長期的アプローチのため、早期に齟齬を検知する仕組みづくりが重要になるが、人海戦術での点検作業は負担が大きく限界があり、現場疲弊が生産活動にも影響しかねない。そこで注目されているのがAIである。

 「AIを用いたシステムで文書間リンクを可視化し、点検作業を効率化できれば、限られた人的リソースでも迅速に網羅性を高めることができます」と蛭田氏は期待を寄せる。 

 このAI活用ですでに成果を上げているのがKMバイオの『製造販売承認書チェッカー』である。同社がマクニカと共同開発したこの承認書チェッカーは、AIが承認書の一節に該当する箇所を製品標準書、製造指図書などの膨大な文章から自動抽出し、Line byLineで突合するソリューションである。
 

■承認書チェッカー開発の背景

 ヒト用/動物用ワクチン、血漿分画製剤、新生児マススクリーニングなどを主軸とするKMバイオは、グローバル展開に加え、デュアルユース型設備の整備にも取り組み、安定供給確保に注力している。同社がマクニカと共同で、承認書チェッカー開発に踏み出したのは、承認書齟齬の点検に係る業務負担が重くのしかかっていた現実があったという。

 承認書齟齬問題の発生経緯を振り返ると、2015年に化血研(KMバイオの前身)で長年にわたる不正製造が発覚し、翌16年に行政が国内の全医療用医薬品を対象に点検を指示。この一斉点検で約7割に齟齬が確認され、以降、承認書に即した製造の徹底と定期確認が求められた。

 「化血研事案を教訓に品質・コンプライアンス・ガバナンス強化を最重要課題として取り組み、現在は信頼の回復から持続的成長に向けた事業基盤の進化へ移行し、人材育成や設備投資を通じて長期的に社会貢献できる企業を目指しています」と林氏は現状を話し、信頼回復後も齟齬問題に真摯に向き合うからこそ、点検・改善に伴う業務負荷の低減が必要だったと示唆した。

 さらに畠山氏は、「承認書の記載事項を一文ずつ追い、製品標準書や製造指図書から該当箇所を探して突合する作業は、製造現場の通常業務と並行して行うには負荷が大きい。点検には製造経験に裏打ちされたノウハウが必要で、属人化しやすく、自分が担当の工程で齟齬があってほしくないという心理的負担もプロアクティブに動きにくい要因になっていました。作業負荷を減らして効率化させ、個人の経験値で行われていたLine By Lineの確認作業をAIがアシストすることで“暗黙知”である個人の経験知を“形式知”化し、それらを経験値の浅い従業員に共有することを期待して開発に着手しました」と、一度整備しても文書改訂時の影響評価不足や思い込み、情報共有不足などで偶発的齟齬は再発し得る課題解決について説明した。
 

■工数3 ~4 割削減、「根拠が残る」点検へ

 実際の開発にあたり、当初はAIを用いた既存のQCチェックサービスの転用も選択肢にあったが、必要機能を満たすにはコストが大きく断念。その後、一から開発することを模索する中で、AI技術の発展も後押しとなり、UI開発が非常に優れていたというマクニカ社からの提案を受けて共同開発に乗り出した。

 承認書チェッカー最大の特長は、高精度な文章突合AIによりLine By Lineで確認できる点で、時間削減や人手不足の緩和、網羅性向上、人的エラー低減が期待される。KMバイオの検証では、代表製剤の複数プロジェクトにおける承認事項確認作業で、約35~38%の工数が削減されたという。

 「従来は誰が・なぜその判断をしたかが残りにくく、追跡する際に根拠が曖昧なこともありましたが、承認書チェッカーは齟齬確認結果を一覧化して判断過程を記録できるため、GMPの要求に対する根拠資料として提示しやすくなりました」と、効率化にとどまらないメリットを畠山氏は指摘する。

 さらに、副次的な効果として従業員の教育訓練に資する点も見逃せない。承認書・標準書・指図書などの対応関係をLine by Lineで追えることは、文書体系を学習する機会にもなるためだ。アドバイスを送る立場で開発に携わった蛭田氏も「各文書の関係性を学ぶ良い訓練になり、SOP間の紐づけや暗黙知の見える化につながるのでは」としており、多様なメリットを生む可能性を秘めたシステムであることがわかる。

 KMバイオが利用開始後に従業員へ行ったアンケートでは「相違確認の重要性認識が高まった」との回答も得られており、承認書遵守意識の向上と品質文化醸成にもつながるものだと言えるだろう。

 

■承認書点検以外への対象拡大も視野に

 24 年9月から本番環境での承認書チェッカー利用を開始しているKMバイオだが、そのメリットを享受するには現場への浸透が前提になる。この点では、マクニカのサポートが大きかったと林氏は言う。

 「新しい仕組み導入には抵抗感もありますが、マクニカは工場ごとの実地説明会を複数回行うなど丁寧に対応してくれました。現場の声を改善につなげ、今もより良いものにしていく意識を保てています」(林氏)。

 マクニカは、現場担当者との対話を継続し、利用定着を後押しすると同時に、現場の声を改良に反映するサイクルを回している。AIという先端技術に任せるのではなく、使い手である人間を中心に据え、運用中で磨き込んでいく姿勢がこの取り組みの特長と言える。

 「今後は、対象製剤数を広げ、文書改訂後の点検業務などへ適用範囲を拡大する構想です。文書間の相違や連携を突合する機能を生かし、バリデーション業務や技術移転の領域への展開も検討していきたい。マクニカは、当社の課題に対して常に複数の選択肢を提示し、メリット・デメリットを明確にした上で提案してくれます。承認書チェッカーの現場浸透や新たな展開に向けて、引き続き伴走してほしいと思います」と2人は期待を寄せた。

 


■お問い合わせ
株式会社マクニカ
〒222-8561 神奈川県横浜市港北区新横浜1-6-3
TEL:045-470-9851
FAX:045-470-9853
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