ファームテクジャパン 2026年1月号 紹介
“平時×有事”を両立する製造拠点戦略と実装

 PHARM TECH JAPAN2026年1月号から新連載「デュアルユース施設の現在地」が始まりました。経済産業省の「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」に採択された各事業者のみなさまに、新施設の現状と今後の展開をご紹介いただきます。本記事では、初回の「AGC株式会社~横浜新拠点の概要と取り組み」の概要を紹介します。


国内供給の要に——デュアルユース×最大級キャパシティ

 AGCは、平時はバイオ原薬受託、有事は迅速にワクチン製造へ切替えるデュアルユースの新拠点を横浜テクニカルセンター内に建設中です。総投資約500億円、2026年にプロセス開発受託開始、2027年半ばにフルGMP受託製造を開始予定。5,000L SUB×2、2,000L SUB×4の配置で、国内CDMO最大級の生産能力を確保します。グローバル3極の査察・製造実績を横浜に集約し、抗体・細胞治療・mRNAまで日本から世界水準で提供する構想です。

6ゾーン分離×Pharma 4.0——標準化とデジタルで“強い工場”に

 建屋は機能別に“動物細胞/細胞治療/mRNA/QC/プロセス開発/大型自動倉庫”の6ゾーンを完全セグリゲーション。動線・空調・入出庫を分離し、混交リスクを最小化します。さらにMES・LIMS・ERP・QMS・CDSなどを一体運用し、製造・分析・在庫・品質イベントのデータを連携。逸脱低減、トレーサビリティ強化、問い合わせ即応を実現します。環境面もCASBEE横浜Sランク取得予定、太陽光・Low-Eガラス・高効率空調で省エネを徹底。Pharma 4.0の思想で“見える化と標準化”を同時に進めます。

人財×ネットワーク CoE移転と実地研修で立上げを加速

 立上げの要は人財です。千葉拠点からの異動とキャリア採用でコア人財を早期確保し、基本設計段階から欧州CoE(コペンハーゲン=動物細胞、ミラノ=細胞治療、ハイデルベルク=mRNA)と協働。リーダー候補は情報移転・設備選定・査察知見を実地で学びます。現場オペレーターはOJTに加え、千葉やR&Dでの研修、ミラノ長期派遣でフローまで修得。メディネット社との連携では、社内だけでは得がたい臨床近接の実践経験も取り込みます。デュアルユース特有の運用課題(顧客調整、資材の長納期、非常時要員確保)も直視し、国家レベルの供給体制整備と“できる限りシンプルな製造・分析体制”でレジリエンスを高めると結びます。

 

見どころ

  • 国内最大級SUBキャパ:5,000L×2、2,000L×4で平時の原薬受託から有事のワクチン製造切替まで。

  • グローバルCoEからの技術移転:コペンハーゲン/ミラノ/ハイデルベルクの知見を横浜へ。

  • 人財育成の設計:千葉・R&Dでの研修、ミラノ長期派遣、メディネット社との連携で“現場力”を底上げ。

  • リアルな運用論:顧客調整・資材長納期・要員確保など、デュアルユースの課題を明確化。

     

 

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