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改訂Annex 1対応で求められる技術革新
自動化による効率化・高精度化を実現、汚染リスクの低減+αの品質強化めざす

シンテゴンテクノロジー

 EU GMP Annex 1(2022年、改訂Annex 1)において、汚染管理戦略(contamination controlstrategy;CCS)の構築、無菌性を高め保証するための先進的技術が推奨され、無菌医薬品製造業界はその対応に迫られている。2024 年10月に東京と大阪で開催された「シンテゴン ファーマシンポジウム 2024」では、改訂Annex 1の要件と注射剤製造の多様なニーズに応えるため、充填設備や容器完全性試験を自動検査装置へ取り込んだ実質的な技術が紹介された。
 

■アイソレーター 一体型設備でAnnex 1準拠の理想を実現

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Klaus Ullherr氏

 改訂Annex 1では無菌医薬品の製造設備に対し、バリア性の高いアイソレーターやClosed RABSなど、堅牢な無菌管理システムの導入、搬入する資材の除染システムの改善などが求められ、汚染リスク低減の一環として自動化の重要性が強調されている。

 シンテゴン ドイツ本社シニアプロダクトマネジャーのKlaus Ullherr氏は、こうした改訂Annex 1の要求に応えつつ、シリンジやバイアルなど多様なRTU(ready-to-use)容器に対応できる製造ソリューションの開発、安全かつ効率的な充填や工程内全数検査の技術革新の必要性を訴えた。Ullherr氏は、実際に運用されている注射剤充填の製造ラインを例に具体的な技術を紹介した。

 
 
 例えば、RTU容器の搬入から充填・打栓、凍結乾燥、巻締めなどの工程を自動化し、モジュール化した場合、自動化によって汚染リスクが減り、モジュールを組み換えることで多様なライン構成にフレキシブル対応できる。また、シリンジ用設備では、滅菌済みシリンジを、パッケージングしたネストを外表面に触れずにグレードA区域内へ搬送し(no-touch-transfer;NTT)、開封・取り出しを自動化したことで、汚染リスクの低減だけでなく、効率化・高速化が望めるとした。さらに、各モジュールとアイソレーターを一体化させたことで、充填工程などのクリティカルエリアを最適化でき、高薬理活性製剤の封じ込めなどの気圧制御・ゾーン設定といったエアハンドリングを最小限に抑えられるという。

 「今後ニーズが高まる遺伝子治療などの高価で少ロット生産には、グローブレスアイソレーター(写真)やNTTシステム、環境モニタリングなどの機能を備え、自動化して人の介入をほぼゼロにした『Versynta microBatch』が適しており、Annex 1に最も準拠した設備だ」とUllherr氏は紹介した。

 

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Annex1 準拠 グローブレスアイソレーター 一体型生産ユニット『Versynta microBatch』

 

■充填量を高精度にコントロール、製品ロスを低減

 ドイツ本社グローバルプロダクトマネジャーのMarkus Heinz氏は、ワクチンや抗がん剤、血液製剤などの少量で高価な医薬品を効率的に充填し、収率を最大化するための技術について、改訂Annex 1の規制内容が機械設計に与える影響をふまえて、充填設備などの設計・技術面から解説した。

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Markus Heinz氏

 改訂Annex 1 4.4項で、グレードAは高リスク作業を行うクリティカルゾーンとされ、first air(局所的なエアフロー)によって保護された環境と定義されている。
 Heinz氏は、first airのエアフローを最適化するために充填針ホルダーなどの重要部品の設計変更、フォーク型光バリアから光スキャナーセンサーへの変更事例を示し、積極的に分析を行い最適な設計変更に努めている取り組みを紹介。そして、4.15項のクリーンルーム内およびゾーン内のエアフローパターンを可視化すべきとの要件に基づき、流動シミュレーションを行い、first air接触部品は滅菌し、滅菌できないものは洗浄・殺菌して、リスクベースで評価することが望ましいとした。

 

 血液分画製剤の製造ライン事例では、工程での製品ロスは利益損失であると同時に、命を救う機会の損失でもあるとの考えのもと、ツイン充填(twin fill)が特長の「Max Pro」シリーズを開発。ツイン充填とは、2つのノズルを使用し、3ステップで高精度に充填するシステムで、まずメイン充填で約95%を前充填し、次に約5%を追加充填(最終充填)、最後に充填量を確認する()。

 「容量を満たしていないものはピックアップされ、再充填されるという徹底したインプロセスコントロールで充填量不足の発生を防止する。ツイン充填により製品収率を最大化し、製品ロスを最小化できた。こうした高速かつ正確な充填が、結果的に患者への高品質な製品の安定供給という価値につながる」とHeinz氏は説明した。

 

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                           図 従来型の充填(左)とツイン充填(右)のイメージ

 

■容器包装完全性試験に自動外観異物検査を導入

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 宇野 隆也 氏

 自動外観異物検査機の技術革新について講演した設計二部の宇野隆也氏は、改訂Annex 1 8.22項を示し、容器包装完全性(container closureintegrity;CCI)について言及されていると説明。
 目視検査は、容器包装完全性試験法とはみなされないことがポイントで、自動検査は必至となるだろうとして漏れを検出する代表的な検査方法、①シリンジを対象に液体漏洩による放電に伴う微小電流を捉える高電圧リーク検査(high voltage leak detection;HVLD)、②凍結乾燥剤を対象に容器内ガスをレーザーの周波数変調で捉えるheadspace analysis(HSA)を自動外観異物検査機に組み込んで、一体化させた開発事例を紹介した。

 
 HVLDは、容器を高速回転させることによって内部の液体を容器の外観に沿って広げ、良品との微小電流の差を捉えることで、クラックやピンホールなどを検出することができる。

 「気中放電は環境湿度に依存するため、HVLD検査時は室内の湿度を一定に保つか、良品の電流値を定期的に測定して閾値を更新する必要がある。しかし、工室内の空気環境(温度や湿度)と容器表面の湿り気を完全に制御することは極めて困難である」と宇野氏は述べ、温度や湿度に影響を受けにくい抵抗値を日々の機械の確認に使用するほうが理にかなうだろうと推察した。

 最後に将来に向けた技術革新の1つとして、AI・ディープラーニングの活用について触れ、ImageClassification法を用いた画像による異物検出アルゴリズムを紹介。

 「製造ラインから出てくる不良品サンプルが少なく、モデルを構築する際も何に基づいて不良と定義するのか、不良データをライブラリーとして蓄積できるか、またそれをきちんと選別できるかというところが難しい。良品にもばらつきがあるため、良品サンプルをどれだけ準備できるかどうかもポイント。現実的にはルールベースの通常検査とディープラーニングを組み合わせていくことが大事」とし、今後、Anomaly Detectionという良品画像のみを学習させて異常を検出する技術やSemantic Segmentationというピクセル単位で画像内のオブジェクトを分類して識別する技術の可能性に触れ、これら技術の利点・点をふまえて、1つの方法論ではなく、さまざまな方法を組み合わせて活用していくのがよいと、現実的な運用法を見据えた。

 無菌医薬品の需要の高まりとともに、医薬品製造業界はグローバル規制の変化や市場からの新たな要求に直面しているが、本シンポジウムで紹介された製造ソリューション・技術が、グローバル規制に準拠した設備設計やバリデーション対応を可能にし、効率化・高精度化といった付加価値をもたらすと期待される。シンテゴンテクノロジーは、グローバル企業として、また、国内に開発・製造拠点を構える日本企業として、両者の強みを生かし、こうした課題に対しフォローアップしていくとした。

 

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■お問い合わせ
シンテゴン テクノロジー株式会社 マーケティンググループ
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-3-2 アーバンセンター渋谷イースト5F
TEL:03-5466-2550 
URL:www.syntegon.jp

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