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開発初期段階から見据える製剤化までのアプローチ
BA向上や溶解性改善など、多様な技術による低分子医薬品開発の迅速化

Lonza ┃ ロンザ

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David K. Lyon氏

 
 2024年4月19日、東京ビッグサイトで開催されたCPHI Japan 2024にて、LonzaのGlobal R&D Executive DirectorのDavid K. Lyon氏が、「バイオアベイラビリティの向上のためのアモルファス固体分散体:前臨床製剤処方から製品化までの製剤処方およびプロセス開発」のタイトルで講演し、同社が提供する低分子領域での幅広いソリューションについて解説した。

 

■開発初期から商業生産まですべてのステップを網羅

 Lonzaは低分子領域の拠点として、世界の3つの地域に5施設を有している(図1)。Visp(スイス)とNansha(中国)は主に原薬、Monteggio(スイス)はパーティクルエンジニアリングおよびジェットミル粉砕などの技術拠点で、Tampa(米国)は前臨床段階から商業化に至るまでの製剤化を担っている。

 そして講演したLyon氏はBend(米国)で従事しているが、ここはアモルファス固体分散体製造、特にスプレードライのセンター・オブ・エクセレンスとなる拠点だ。Lyon氏はこれら施設の特長を概説したうえで、「Lonzaは、顧客が必要とする技術や開発ステージに応じて柔軟に対応できるよう、原薬から製剤中間体、パーティクルエンジニアリングや製剤化に至るまですべてをカバーしているが、特に強調したいのは、我々は設計段階からサポートが可能ということである。前臨床研究を行っている設計段階から、臨床スケールでの生産のためのプロセスや製剤の開発へ進み、Lonzaが持つすべての技術を活用して、商用生産につなげるまでの展望を描くことができる」と語った。

 

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                                   図1 Lonzaの低分子領域の拠点

 

■BA向上、溶解性改善に寄与する種々の技術

 Lonzaは、開発初期段階から商業生産までを見据えることで、いわば上市までの道筋をトータルコーディネートするCDMOと言える。

 「現在、低分子医薬品の開発において、高い技術水準が必要とされている。その理由として、特に抗がん剤領域で増加しているパイプラインの中で、約25%が高薬理活性原薬であり、その多くが溶解性の問題を抱えているため、バイオアベイラビリティ(BA)が悪くなるという課題が挙げられる。そこで、溶解性改善やBAの最大化、さらには毒性作用の傾向を低減できる技術に注目が集まっており、開発初期から必要な技術を選択できる視野の広さが求められている」とLyon氏はその多様な技術への注目がより強まっている背景について説明した。

 

■シミュレーションによって開発初期から
 製剤化までのアプローチを選択

 「我々は、開発初期段階から顧客に総合的な製剤サービスを提供している。共結晶、多形スクリーニング、原薬の開発およびkgレベルでの供給、原薬形態の特性評価など、その内容は多岐にわたるが、PBPKモデリングによるシミュレーションで、結晶構造の観点から原薬を評価し、製剤化までの正しい技術を選択するアプローチをとっていることは特長の1つである。また、簡易製剤(カプセル)の技術も提供しており、顧客が迅速に第1相臨床試験に進むことをサポートしている」とLonzaが提供するサービスについてより具体的に紹介した。

 続けて、「まず原薬形態の情報から、化合物がBAの向上を必要とするかどうか、あるいはどの用量で結晶形からアモルファス(非晶質)に切り替える必要があるのか評価する。結晶形が有効であれば、最も安定性の高い多形を見出し、リード化合物とした後、結晶化プロセスと錠剤処方を開発してプロジェクトを進めるが、BA向上が必要な場合は、塩スクリーニングやアモルファス固体分散体スクリーニングを実施する。初期段階での評価に基づいて適切な形態や技術を選択することで、その後のスケールアップおよび適切な処方・工程設計につながることになる」と具体的な流れについて補足した。

 

■開発コスト合理化へ
 原薬の使用量を低減するアプローチ

 初期段階からのシミュレーションによって、とるべきアプローチや技術の適切な選択につながるが、講演の中では特定の技術として、特に可溶化に関して焦点が当てられた。前述のとおり、昨今パイプラインが増加している抗がん剤領域では、難溶性の候補化合物が多く、可溶化技術が必須となっている。そこで注目されているのが、アモルファス個体分散体だという。

 「米国FDAで承認されている製品のデータを見ると、可溶化技術で最も多く用いられているのがアモルファス個体分散体で、次いで脂質ベースの製剤処方となっている。これらの薬物送達技術により、元々難溶性で、BAの低い化合物の曝露を改善できることは知られているが、このデータから、アモルファス固体分散体は業界全体で臨床的にも商業的にも優れたアプローチであることが分かる。この事実を基にLonzaは、その製剤化および製造に関し、Bend(米国)の施設で多くのリソースを集中させることになった」(Lyon氏)。

 Lonzaは、アモルファス固体分散体を製造する工程としてスプレードライ法とホットメルトエクストリュージョン法の両方を提供しているが、開発初期からより少ない原薬量でその後の開発アプローチを検討できるよう、さまざまなスケールの機器を揃えることで開発の予見性を高めている。
   
 「Bend(米国)の拠点では、数100 mgの原薬で製剤化の可能性と最適化のシミュレーションを行うことができる小型の機器を用意しており、その後のスケールアップもスムーズに行うことができる。これにより、多くの原薬を無駄にすることなく、非常に簡単かつ効果的に処方スクリーニングを行うことができる」とLyon氏は2を示しながら説明。そして、スプレードライの工程について詳説し、望ましくない溶媒の使用を避けるための持続可能な工程開発の例や、ゲフィチニブの開発において、溶解性を大幅に改善しつつアモルファス固体分散体製造に要する時間を短縮した事例なども紹介した。

 

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      図2 各開発ステージに対応可能なスプレードライ設備(グラムからトンスケール)

■積み重ねた知見を技術としてフィードバック

 Bend(米国)の施設は、スプレードライと製剤処方および最適化のために専門家が集まる拠点だが、その歴史は長く、約25年間にわたって同サービスを提供してきたという。この知見の積み重ねが、現在の市場トレンドに合致する技術やソリューションの構築に活きているのだろう。

 「アモルファス固体分散体を用いた最初の臨床試験は1997年に実施された。そして現在では、毎年約175件のプロジェクトを実施しており、これらのプロジェクトには大小さまざまな規模のものが含まれる。小規模企業は、開発の早期段階にあるパイプラインを多数構築して保持しているケースもあるが、多くの場合自社の製造設備や基本的な資材を保有していない。そこでLonzaは、多様なサービスを展開することによって、小規模の顧客にも開発を迅速に推し進めるための技術を活用できる環境を提供したいと考えている。顧客とともに商業化を見通してプロジェクトを成功に導くべく、日々研鑽を積んでいる」とLyon氏は総括した。

 

■Lonzaの低分子医薬品サービスについてはこちらから

 

 


■お問い合わせ
ロンザ株式会社 低分子医薬品部門
〒103-0027 東京都中央区日本橋2-1-14 日本橋加藤ビルディング 9F
TEL:03-6264-7630(代表)
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