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国内外のサプライチェーンを可視化
医薬品の安定供給をシステムで支援

Resilire[レジリア]

 

 製薬企業向けにサプライチェーンリスク管理システムを開発し、医薬品の安定供給を支援している株式会社Resilire[レジリア]。同社が2021 年にリリースしたサプライチェーンを可視化するクラウドシステム「レジリア」は、小林製薬、小野薬品工業、アリナミン製薬、富士製薬工業など、すでに製薬企業20 社の調達部門、SCM 部門に導入され、その威力を発揮している。医薬品業界全体の安定供給を支援したいとする同社の代表取締役CEO の津田裕大氏らに話を聞いた。

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            写真左から)浦山 博史氏、津田 裕大氏、中瀬 良樹氏、藤原 祐氏

■サプライチェーンの上流はブラックボックスになっている

 レジリアの開発のきっかけは、新型コロナ感染拡大中に、中国の原薬メーカーの供給不安の影響を受けた、ある製薬企業からの要望だったという。

 「その製薬企業では、直接取引している1 次サプライヤーの状況は把握できていましたが、その先の2 次サプライヤー以降を十分に把握できていなかったので、供給不安への対応が後手に回っていました。2 次サプライヤー以降の企業数は数千社あり、エクセルで管理することは非常に難しく、サプライチェーンを可視化して、サプライヤーの情報を管理できるシステムを開発して欲しいと要望を受けました。2020 年から開発をスタートさせ、約1 年後にレジリアを完成させました」と津田氏は明かす。

 サプライチェーンのリスク管理の課題として、①中国・インドなど海外の原材料サプライヤーを把握しづらく、サプライチェーン上流がブラックボックスになっている、②サプライヤーの情報はエクセルで管理されておりタイムリーに更新されない、③サプライヤーの情報は部門ごと・工場ごとに管理されており見える化できていない、④海外の有事情報をタイムリーに収集できない、⑤供給不安発生時は1 件ずつ電話やメールで取引先に問い合わせており、影響範囲の特定に時間がかかるなど、多岐にわたる。

 「安定供給を妨げる要因はさまざまありますが、製造販売業者や製造業者にとって、サプライチェーン上流の原材料サプライヤーが可視化されていないことが要因の1 つとして挙げられます。これではリスクの評価や対策の検討はできません」とセールスを担当する浦山氏は語る。

 2019 年のセファゾリンの供給不安発生以降、厚生労働省は安定供給に関して複数の有識者会議を立ち上げ、サプライチェーンの強靭化を進めている。2022 年の同省の調査で、製造販売業者の約半数が原材料サプライヤーの所在国を把握できていないことが判明した。

 

■取引先に開示メリットを用意し、取引先の情報開示を促進

 レジリアは、サプライヤーのリストをインポートするだけで、サプライチェーンの全体像をツリー状に可視化する(図1)。導入企業は取引先に入力用ID を付与し、その取引先は、自社の取引先の情報を入力していく。これによりサプライチェーン上流の情報がレジリアに登録されていき、ツリーが広がっていく仕組みだ。

 「取引先の情報入力が進んでいるのは、入力する側にもメリットがあるからです。ID を持つ取引先は、入力した情報を活用し、導入企業と同様に自社のサプライチェーンを管理できます。費用負担なくレジリアのさまざまな機能を利用できるわけです」(浦山氏)。

 また、同社では、調達部門や製薬企業出身のカスタマーサクセスと呼ばれるコンサルティング部隊が、取引先に説明会を行い、システムの外側で情報開示を手厚く後押しする。

 「説明会では取引先に対し、操作方法だけでなく、情報開示の重要性も丁寧に説明します。昨今の供給不安、コロナ禍でのグローバルサプライチェーンの寸断、能登半島地震などが重なり、情報を開示いただけない取引先はほとんどありません」(カスタマーサクセスの藤原氏)。

 そして、登録された情報はデータベース上で管理可能だ。取引先は入力した情報に変更があれば更新を行うため、データベースには最新の情報が登録されるという。
 「データベースは、部門や工場の壁を超えて共有できます。レジリアにより、サプライチェーン上流の情報を収集し、それをデータベースに落とし込み、最新情報を全社で一元管理する、という流れができます」(カスタマーサクセスの中瀬氏)。

 

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             図1 サプライチェーンをツリー状に可視化

 

■能登半島地震では迅速な影響把握を支援し、医薬品の安定供給に寄与

 レジリアは有事のときにも活躍する。取引先の拠点はマップ上に一覧化され、国内だけでなくグローバルでのリスクを自動で把握できる(図2)。また、災害影響を確認する自動アンケートも便利だ。2024 年1月の能登半島地震では、能登半島の取引先にアンケートが自動で送付され、影響の有無についての一次回答を短時間で回収。スマホで回答できることもあり、アンケートの回収率も非常に高く、初動対応に成功した製薬企業も多かったという。

 「正月休みの中、多くの製薬企業が取引先への影響調査に苦慮したと聞きました。レジリアなら、影響確認のアンケートは自動送信され、受け取る側はスマホからワンクリックで回答できます。影響調査を効率化することが可能です」(津田氏)。

 

図2 グローバルのリスク情報を自動検知.jpg
             図2 グローバルのリスク情報を自動検知

 同社は業界標準のシステムを目指している。「当局と連携しながら、より多くの関係者に知っていただいて、業界全体での安定供給を支援していきたい。レジリアをきっかけにして、導入企業と取引先が安定供給に関する課題を共有し、コミュニケーションを増やし、関係を強化していくことが安定供給のためには重要です。そのためのツールとしてレジリアをご利用いただきたい」と津田氏は意気込む。現在、サプライヤーのサスティナビリティ評価、セキュリティ評価、品質管理など、多くの新機能開発に取り組んでいるという。

 津田氏はWeb コンサルティング会社の経営などを経験後、西日本豪雨で被災したことで気候変動リスクの課題解決を志して2018 年にResilire の前身となる会社を創業し現在に至る。世界を変える30 歳未満が選ばれる「Forbes Asia 30 UNDER 30 2023」に選出された。問題解決のプロである同社が開発したレジリアは、製薬企業のみならず、すでに当局や業界団体からも大いに注目を集めている。

◎導入事例はこちら

 


■お問い合わせ
株式会社Resilire
〒105-7510 東京都港区海岸1-7-1 東京ポートシティ竹芝10F
E-mail:info@resilire.jp
URL:https://www.resilire.jp/
資料請求:https://www.resilire.jp/request

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