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除染に“過酢酸”を用いることで多様なメリットを実現
独自技術とユーザビリティの高さで企業の課題解決の選択肢に

SDバイオシステム

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  左)榊 昭雄氏 右)磯貝 未来氏

 無菌医薬品製造の環境整備で、微生物除染は品質確保上不可欠である。バイオ医薬や再生医療等製品などモダリティの多様化に加え、ウイルスベクターなどの市場も伸長している現在、製造段階で微生物除染を効果的かつ効率的に行うことの重要性が高まっている。
 そんな中、従来除染剤として一般的だった過酸化水素やホルマリンに代わり『過酢酸』を用いることで、除染効果・効率・安全性の確保を実現したのがSDバイオシステムの『過酢酸サイクル除染システム』だ。本稿では同システムの特長について、代表取締役の榊昭雄氏と事業開発部マネージャーの磯貝未来氏に聞いた。

 

■過酢酸を用いることのメリット

 微生物除染において、従来一般的だった過酸化水素やホルマリンといった除染剤は、安全性 での問題が指摘されており、十分な除染効果を得ることと安全性確保のバランスが課題とされてきた。一方で過酢酸は安全性が高いことが知られているが、榊氏は「過酢酸は他の除染剤と比べ “低濃度での高い除染効果”、“分解が早く残留毒性がない”といったメリットがありますが、汎用されてこなかったのは、その分解の早さゆえに効果を長時間維持できず、高湿度で噴霧することで施設・設備の腐食や匂いの問題が発生してしまうためです。しかし裏を返せば、この課題をクリアすれば除染効果と安全性を両立できる。そう考えて開発したのが『過酢酸サイクル除染システム』です」と語る。

 同システムの仕組みを端的にいうと、湿度をコントロールし、薬剤噴霧と回収を繰り返すサイクルを回すことで、低湿度で安全かつ高い除染効果を維持するというものだ。「我々は、過酢酸が分解される際に発生するラジカルに強い除染効果があることに注目し、“分解が早い”という特長を逆に利用し、噴霧と回収を繰り返すことで、ラジカルが空間に多く存在する状態の維持、すなわち高いレベルでの除染を可能にしました。設備腐食のリスクが低い75%ほどの相対湿度にコントロールするため、腐食防止のための設備養生の必要もなく、安全キャビネット・インキュベーターなどの設置機器も丸ごと除染可能で、作業効率面でもメリットが大きいです」と榊氏は説明する。

 まさに逆転の発想ともいえるアイデアで独自性が光るだけに、日本・中国・アメリカ・韓国・欧州など多くの国と地域で基本特許を取得しているというが、これはいかに本システムの技術がユニークなものであるかが垣間見える事実だろう。

 

■顧客との協働で生まれた高いユーザビリティ

 すでに製薬企業などへの導入実績を複数持つ同システムだが、顧客のニーズに沿った機能を追加することで、実務的な観点でのユーザビリティも向上させている。「医薬品製造業の企業様が施設を設計する段階から携わり、本システムの導入を進めたこともあります。その際はゼネコン様ともやりとりしながら、除染が完了したら空調が自動で立ち上がる空調連動型のシステムに対応しました。また、従来はタブレット端末による操作が基本でしたが、モニタリング室で一括管理して除染操作や監視を可能にするなど、運用している企業様ならではの視点で機能を追加できたことは、本システムのさらなる利便性向上につながっています」と磯貝氏は手応えを語る。

 導入においてはバリデーションも必須となるが、顧客との協働によりその経験を蓄積できたことも同社の強みになっている。顧客の中には、既存の除染法でのバリデーションに課題を抱えている企業もあるというが「実際に顧客施設でデモンストレーションを行い、安全性と効果を実感していただくことで導入を決めていただいた製薬企業様もあります。バリデーションも含め、企業様の課題を共有して共に解決にあたることで、当社としても多くの知見を得ることができ、これらの知見をさらに今後の製品にフィードバックしていきたいと思っています」(磯貝氏)。

 

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    顧客施設におけるアイソレーター除染試験の様子

■アイソレーターの除染に“過酢酸”を ~前例のないシステムを構築

 同システムはこれまで、主にクリーンルームなどの空間除染を行う『SD cube α』、安全キャビネットなどの機器庫内除染に用いる『SD mini』、庫内の小型機器や消耗品の表面を除染する『過酢酸サイクル除染ボックス』の3製品をラインアップしていたが、顧客との協働によって生み出された新製品もあるという。

 「新製品として無菌医薬品のハンドリングを行うアイソレーターの庫内を過酢酸で除染する装置『SD cube Ci』を開発しました。クリーンルームの除染に当社の製品を導入し、過酢酸の安全性と除染効果を実感いただいていた大阪の大手CMOのお客様から、新しく導入するアイソレーターを過酢酸で除染できないかという要望をいただいたのが開発の起点です」と榊氏。『SD cube Ci』は、過酢酸サイクル除染システムの原理をアイソレーターに応用するため、薬剤調製・噴霧・回収の機能を筐体内に一体化させたものだ。

 磯貝氏は、「アイソレーターメーカーである、株式会社ダルトン(東京都中央区)の協力のもと、約1年半の期間をかけて開発しました。ダルトン様の社内でテスト機を用いて動作試験や条件検討を行った後、お客様施設の納入機を用いて試験を繰り返し、設置機器やアイソレーター本体に影響せずに除染が行えるパラメーターを確認したという流れです」と、『SD cube Ci』が生み出された経緯を説明した。

 

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     左)SD cube α          右)SD cube Ci

■安全性と除染効果を両立した『過酢酸サイクル除染システム』

 アイソレーターの除染に過酢酸を用いるのは、世界的に見てもほとんど例がないという。

 「過酢酸で除染したいという要望はかねてからありましたが、分解が早い過酢酸は完全密閉空間に噴霧した際にはすぐに酢酸になってしまうため、高湿度で噴霧しなければならず、結露や匂いの問題から実現が難しいとされていました。当社の過酢酸サイクル除染システムを用いれば、技術的には可能であると確信していましたが、過酢酸の有用性を実感し、開発初期段階からGoサインを出してくださったお客様の先見の明とチャレンジ精神、またアイソレーターメーカーとして従来の過酸化水素除染に多くの知見を持っているダルトン様の助言をいただくことで実現につながりました」と榊氏は、これまでの常識を覆すともいえる実績に胸を張る。

 かつては難しいとされていた問題を技術力で乗り越え、安全性と除染効果を両立した『過酢酸サイクル除染システム』。そこに運用の視点からのユーザビリティが加わり、企業の要望に沿った新製品も誕生するなど新たな展開を見せている。今後も“課題解決の新たな選択肢”としての活用が期待される。
 

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 出展社による製品・技術セミナーを開催
 ◎2024年3月13日 13:20~13:50(4ホール)
 ◎滅菌・クリーン化ゾーン【小間番号:10-63】
 ◎演題:過酢酸サイクル除染システムによる無菌医薬品製造施設の除染

 


■お問い合わせ
SDバイオシステム株式会社
〒194-0013  東京都町田市原町田1-13-1 町田ハイツ壱番館1F
TEL:042-709-3212 FAX:042-709-3213
E-mail:info@sd-biosystem.co.jp
URL:https://sd-biosystem.co.jp

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