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滅菌バリデーションセミナー 基礎及び特別講演を開催
滅菌条件の新たな設定手法、PIC/S GMP Annex 1の改訂内容を解説

サクラエスアイ

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サクラグローバルホールディング株式会社
代表取締役会長
松本 謙一 氏

 2023 年9月、サクラエスアイ株式会社は「滅菌バリデーションセミナー基礎及び特別講演」を開催し、一般講演・特別講演の3演題で行った。
 サクラグローバルホールディング株式会社会長の松本謙一氏は冒頭、「この100年の間に、消毒・滅菌はどのくらい変化したのだろうか?」と自ら問いかけ、振り返ったことに触れ、「昨今は滅菌対象物そのものも進化しており、それにあわせて滅菌技術も進んでいかなければならない。皆さまから教わることも多々あり、われわれもそれに応える努力をしながら進んでいきたい。一緒に歩んでいく気持ちでご協力いただきたい」と話した。

 

 

■仕様決定が最も重要
 綿密な打ち合わせで目的の品質達成を

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サクラエスアイ株式会社
技術部 山下 高広 氏

 一般講演の1題目は、同社技術部の山下高広氏が「滅菌装置納入時の流れ」について講演。GMPに準拠した滅菌装置を導入する際には、「ただ滅菌装置を購入すればよいわけではなく、バリデーションにも密接に結びついた書類などのやり取りを行う必要がある」として、ベンダー側からの視点や考え方、装置の仕様決定について紹介した。

 「滅菌方法や滅菌条件、設備条件などを記載した要求仕様書(URS)をユーザー様から提出いただき、ベンダー側からは機能仕様書(FS)、設計仕様書(DS)を提出するが、この段階で綿密に打ち合わせを行い、深くコミュニケーションをとることが重要。どんな装置技術が良くても、詳細なクオリフィケーションを繰り返しても、初期設計が意図したものでなければ、目的の品質を達成することはできない。クオリティバイデザインの考え方からも、最初の仕様決定が最も重要であり、ここで装置の性能が決まるといっても過言ではない」と強調した。

 滅菌バリデーションから納品までの流れでは、滅菌バリデーションの検証にあたっては、設計時適格性評価(DQ)、設備据付時適格性評価(IQ)、運転時適格性評価(OQ)、性能適格性評価(PQ)などの検証について、 ベンダー側で行う評価、提出資料などを確認。PIC/S GMP Annex 15の記載に基づき、IQ/OQの補助資料として、要望に応じて工場における受け入れ検査(FAT)/製造所における受け入れ検査(SAT)を実施して資料を作成すると説明。ユーザーごとに適合規格や検査項目に違いがあるため、同社では標準的に実施するFAT/SATの検査項目を定めているとして、その内容を解説した。
 

■BIの特性値に依存しない滅菌条件の設定手法を提案

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サクラエスアイ株式会社
学術顧問
ISO/TC198 WG1(EO滅菌)
国内対策委員会主査
髙橋 治 氏

 一般講演の2題目には、同社学術顧問の髙橋治氏が登壇。「新規滅菌条件設定法 滅菌プロセス効率(SPE)とTSALの考え方」と題し、滅菌条件設定における新たな手法について事例をもとに解説した。

 オーバーキル法などの従来法では、滅菌条件を設定する際、使用するバイオロジカルインジカルケータ(BI)の特性値(D値、菌数N0)などの影響を受けていることを説明。

 「製品の滅菌は、BIを10-6にすることではない。BIはあくまでも手段であり、最終的に求めたいのは製品中の微生物群であるバイオバーデン(BB)が、無菌性保証水準(SAL)の10-6以下になっていることを証明することである」と、髙橋氏は本来の目的を指摘。

 
 そこで、滅菌プロセス効率(sterilization processeffi ciency;SPE、SPE=DS[表示値]/DM[実測値])を新たに定義し、目標とするSALに到達するまでの滅菌時間を示すTSAL に基づいた滅菌条件の新たな設定法(SPE/TSAL法)を提案。滅菌温度121℃の飽和蒸気滅菌プロセスで、オーバーキル法を採用し、BBの管理上限値の設定方法の手順では、① BIによる滅菌プロセスの評価を行った後、② BBによる滅菌時間の検討、BBについてSPEの妥当性を評価し、滅菌時間を設定するという大きく2つのセクションからなる。そして、BIのDS、N0 をもとに、いくつか分類された検討事項をフローチャート形式で検討を進めていくというもの。髙橋氏は、フローチャートに沿って計算を進め、BB がSAL ≦ 10-6となる滅菌時間TSAL-6(BB)が12.0~15.4 分と定まるとした。

 さらに、滅菌温度121℃で、BIの特性値がばらついた場合の滅菌時間をSPE/TSAL法と従来法で比較。SPE/TSAL法では、BIの特性値にかかわらず12.0~15.8分に収まった結果を示した(図1)。

 「SPE/TSAL法による滅菌時間の設定は、使用するBIの特性値に依存しない方法である。本法については、ISO17665改訂案の附属書BのBIを用いた滅菌条件の設定に、引用文献として明記されることが、ISO/TC198WG3(湿熱滅菌バリデーション規格)で了解されている」と紹介した。

 

図1_滅菌条件設定121度.jpg
図1

■滅菌に関する要件はより具体的に

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GMPテクニカルアドバイザー
佐々木 次雄 氏

 特別講演で登壇したGMPテクニカルアドバイザーの佐々木次雄氏は、「改訂Annex1において滅菌要件はどのように変わったか?」と題して講演。

 佐々木氏は冒頭、PIC/S GMP Annex1の改訂版が2022年に発行され(以下、2022年版)、2023年8月25日から運用開始となったことに触れ、Annex 1の主な改訂理由として、①前版のAnnex1(以下、2008年版)は、ICH Q9およびQ10の開発前に発行されたものであり、これらのガイドラインを反映させること、②欧州薬局方(EP)の「注射用水の製造」の改訂内容を反映させること、③品質リスクマネジメントの原則を適切に利用する領域を明らかにすることなどを挙げて説明した。

 佐々木氏は、2008年版と2022年版における滅菌に関する記載を詳細に比較。滅菌蒸気の品質については、2008年版96.において「滅菌に使用する蒸気は適切な品質であり…」と記載されていたが、2022年版では具体的な記述になったと紹介(図2)。
 

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図2 滅菌蒸気の品質に関する記載

 2022年版で新たに導入された“ポーラス(多孔質)サイクル”や“過熱水”による滅菌バリデーション要件、また、バリアシステムとしてのアイソレータやRABSにおけるfi rst air(曝露している製品や製品接触面と接触するのに先立って、遮られていない、HEPAフィルターからの直接気流)要件や過酸化水素蒸気による除染における注意点などを解説して講演を終えた。

 

 


■お問い合わせ
サクラエスアイ株式会社
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町4-5-14 入江ビル
TEL:03-3231-1612
E-mail:contact@sakurasi.com
URL:https://www.sakurasi.com

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