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低分子医薬品開発上の諸課題を早期のアプローチで解決する
−迅速な上市に寄与する種々のソリューション−

Lonza ┃ ロンザ

 

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     岡野 享 氏

 
 2023年7月に東京ビッグサイトで開催されたインターフェックスWeek東京にて、Lonzaの受託製造開発事業部,APACアカウントマネジメントマネージャーの岡野享氏が「低分子医薬品(原薬およびその製剤)の開発早期サポート」をテーマに講演。低分子医薬品開発の過程で、製薬企業が直面する課題の解決に向け、同社が提供する幅広いソリューションを紹介した。

 

■先を見据えた早期対応が鍵

 低分子医薬品が上市されるまでの道のりでは、開発のボトルネックになり得る課題が複数存在する。具体的には、難溶解性のためにバイオアベイラビリティ(BA)が低い、生体内での薬物挙動を事前に把握することが難しい、最適な合成ルートを見出すことが困難―などが挙げられるが、これらは開発スピードやコストにも大きく影響し、プロジェクト進捗上の懸念事項となる。

 岡野氏は講演でこれら課題へのアプローチを説明したが、そこに共通するキーワードは“早期対応”だ。「開発早期段階でのより良い結晶形選択、あるいは適切な塩や共結晶を同定する原薬形態スクリーニングはその後の円滑な開発のために大事で、生理学的薬物速度論(PBPK)を活用したモデリングで薬物の体内挙動を予測し、潜在的な問題を早期発見することも重要です。またスケールアップに先立ち、合成ルートを最適化することもプロジェクトの迅速化に寄与します」とし、実際に課題に直面するより前に、先手を打つ形で“早期対応”していくことの重要性を説いた。
 

■製剤設計を見据えた原薬形態スクリーニング

 そして岡野氏は、原薬形態スクリーニング、PBPKモデリング活用、合成ルートの最適化について、それぞれ深掘りして解説を進めた。

 まず原薬形態スクリーニングについてだ。原薬製造にあたっては収率、粒子径、不純物プロファイルなどを考慮して結晶形を選定するが、「結晶形により収率が異なることを理解して晶析をコントロールすることが必要で、製剤工程側から見て十分に性能を発揮できる製剤設計を可能にする形態を選定することが重要です。化学的安定性、添加剤との配合安定性、粉砕、打錠時の結晶化度などへの影響も考慮する必要があり、原薬形態スクリーニングは原薬と製剤の間をつなぐ重要なステップです」と岡野氏は説明。そして結晶多形、塩、非晶質、溶媒和物、共結晶についてそれぞれ特徴を解説し、「多くの場合、複数の原薬形態があるのが一般的ですが、安定性、製造性、性能などのバランスを取りながら、早期に最適な原薬形態を選定することで時間とコストの低減につながります」と続けた。

 Lonzaが提供している原薬形態スクリーニングのワークフローでは、まず原薬の物性評価からはじめ、その結果によって結晶多形スクリーニングのみ、あるいは並行して塩スクリーニング、および/または共結晶スクリーニングなどを選択する。そしていずれもBA向上が見られない場合は非晶質としてスクリーニングするなど、合理的かつ効率的なフローになっている。

 岡野氏からは「例えば結晶多形スクリ-ニングでは2〜5gのサンプルで、2〜3週間でスクリーニングを行い、さらに2〜5gのサンプルで、3〜4週間で目的の結晶多形のスケールアップのディベロッパビリティの評価を行います」と実際のタイムフレームなども紹介された。
 

■吸収特性を予測する

 続いてPBPKモデリングだが、これは候補化合物の経口吸収特性を正しく把握するためのツールである。これまでもヒト経口吸収性予測の方法論は多く検討されてきたが、吸収の一部の過程を注視した評価系では全体を同時に評価できないことや、動物実験での結果をヒトに外挿することが難しいなどの課題があった。

 「PBPKモデリングは、化合物の体内動態を分子特性と生理学パラメータの間に表現する数理モデルで、近年は開発上の重要なツールとして注目されています」と岡野氏は話し、in vitroテストとPBPKモデリングを使用することで、BAおよび血漿曝露量のプロファイルの予測が可能になるとした。例えば薬剤によっては食事の摂取によって吸収が阻害されるケースもあるが、事前にプロファイルを予測し、適切な原薬形態と製剤処方選択によって、食事や他の薬剤の影響を緩和することができるという。

 「溶解性向上によって吸収性を改善するいくつかの製剤選択肢があります。例えば固体物性では結晶多形、アモルファス固体分散体、微粒子化などで、また新たな結晶化合物、共結晶や塩を検討することも可能です。選択される適切な戦略は、物理化学的性質や用量などで異なりますが、LonzaではPBPKモデルと組み合わせたin vitroテストを用いて、これら異なる戦略を評価可能です。吸収不良や変動による開発遅延や難航を回避し、より迅速な上市をめざすために重要なツールとなります」と岡野氏はまとめた。

 Lonzaはモデリングにおいてソフトウェアや専用の設備などを活用し、経験豊富なメンバーが解析を行う体制を整えている。その専門性により、現在10以上のプロジェクトでアモルファス固体分散体が商業化され、スプレードライブを含めたパテントファミリーは 20超、2022年で臨床開発段階にある候補化合物は 200を超えるなど、多くの実績を生み出している(図1)。
 

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図1 PBPKモデリングサービス主要構成成分

■合成ルート最適化で開発期間の大幅短縮へ

 最後に岡野氏は、最適な合成ルートを探索するルートスカウトサービスを紹介した。同社はAIと機械学習のアルゴリズム、機械学習(マシーンラーニング)を取り入れ、自社独自の原料評価や製造実績などを組み合わせることで、合成ルート最適化を行っている。

 「前臨床の開発期間を50%削減することを目標に、インフォーマティクスおよび自動化技術を組み合わせ、ときに自社知財も活用して最適な合成ルートプランを見出します」と岡野氏は説明。従来はサプライチェーン部門の情報をもとに合成ルートのデザインと比較を行い、プロセス開発を経てnon-GMP製造に至るという労働集的型のプロセスだったが、現在は逆合成を担当するチームがサプライチェーン部門の情報へ直接アクセスし、原料コスト、調達リスクの考察を行いながら最短ルートを選択しているという。

 昨今プロセスケミストは、日常的に20を超える合成ステップが必要な新規化合物と向き合っており、その中でin silico逆合成技術(ISRT)活用においては、十分ではない市販化合物データベースと価格情報が不安要素になっている。この点について岡野氏は、「十分な情報が充足されていれば、競争を優位にすることができる」と指摘する。Lonzaは、1980年代からの受託製造実績に基づく自社の資源をISRTと統合し、より優れた商業用合成ルート予測と前臨床サービスの迅速な立ち上げを可能としているのだ(図2)。

 例えば一般的なカタログなどに基づいたアプローチとLonzaによるものを比較すると、平均合成ステップ数は削減され(図2中央)、コスト上好ましくない選択肢のように見えるルート(図2右)も、実は最もコスト優位性があるということが見えてくる。Lonzaが提供するアプローチの活用で、最適なルート選定が可能になることが示唆されるデータだ。
 

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図2 IPおよびAI対応逆合成(ISRT)

 本講演ではLonzaが提供する様々なサービスの詳細が紹介されたが、前述の通り共通するのは〝早期対応〟を可能にするソリューションだということである。課題やプロジェクト進捗上のリスクが発現する前に、先回りして障壁を取り除くことができる同社の対応力が、岡野氏の講演で示された。
 

●その他、低分子医薬品のサービスについてはこちらをご覧ください。

 


■お問い合わせ
ロンザ株式会社 低分子医薬品部門
〒103-0027 東京都中央区日本橋2-1-14 日本橋加藤ビルディング 9F
TEL:03-6264-7630(代表)
E-mail:pharma-biotech-jp@lonza.com
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