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バイオ医薬品のスピード開発を実現する「CHOZN🄬細胞株」
~UCOE🄬技術との融合で細胞株開発効率アップへ~

メルク

 メルクのアップストリームのコア技術であるCHOZN細胞株プラットフォームとOpen Chromatin構造を誘導する技術UCOE(Ubiquitous Chromatin Opening Element)の採用が、アジアを含むグローバルで加速している。CHOZN細胞株とは、GMPバンク化したバイオ医薬品製造向けCHO細胞株で、すでにリサーチライセンス200件以上、商業ライセンスで50件以上の実績を収めており、バイオ医薬品の臨床・商業生産の早期実現に導くCHOZN細胞株への期待が日本を含めたアジアで高まっている。
 第1部では、CHOZN細胞株を用いてすでに2品目を治験段階まで進めている韓国のバイオベンチャー企業GI Innovation社Executive Vice PresidentのYoung Min Oh博士に、その有用性や開発成功事例を解説いただいた。第2部では、CHOZN細胞株とUCOEという独自の技術による相乗効果やさまざまなソリューションによるさらなる開発効率アップの可能性についてメルクの担当者に話を聞いた。

 

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Young Min Oh博士

第1部 GI Innovation社での成功事例を探る

■GI Innovation社の概要をお教えください

 当社は、トランスレーショナルリサーチを通じて、免疫腫瘍治療薬やアレルギー疾患などを対象に、AI支援によるGI-SMARTプラットフォームという技術を活かして融合タンパク質を開発しています。メルクのCHOZNシステムを導入して現在、GI-101、102、301、108を含むさまざまな多特異的標的Fc融合タンパク質候補の開発が成功裏に進行しています。

 

■なぜ、メルクのCHOZN細胞株を採用されたのでしょうか

 早期リードの構造として、初期段階で開発可能性が高くqTPP(品質ターゲットプロダクトプロファイル)の基準を満たしたリードは、競争力を得るために臨床ステージに早く入る必要があります。安定した生産細胞株が確立された後で、スケールアップでの失敗は許されません。この段階での失敗は、時間やコスト面で最初のボトルネックになることを意味します。

 メルクのCHOZNシステムは、安定生産細胞株の作製において、大手製薬企業で多数の実績を持ち、生産細胞株の不安定さの原因となる遺伝子増幅がなく、高い生産性と強固な細胞増殖性を持つという利点があるほか、詳細なマニュアルやCHO-K1 GS KO細胞株に適した培地プラットフォームを提供しており、細胞株構築に必要なラボの環境を容易に立ち上げることができます。

 さらに、CHOZNシステムは、ほかのCHO細胞株と比較して、研究段階から商業段階までのマイルストーンが比較的安価に設定されていることも魅力なうえ、手厚いテクニカルサポート体制も高く評価しています。

 

■細胞株が持つ潜在的な品質リスクに対して、どのようなアプローチが必要だとお考えですか。
 また、初期の細胞株構築段階での生産性は、どこまで考慮すべきだとお考えですか

 組換えタンパク質医薬品開発における安定生産細胞株の品質リスクには、多くの側面が考えられます。まず、最終的な生物学的製剤承認申請書(Biologic License Application)での承認において、採用された宿主細胞株の安全性に関する履歴情報の信頼性が挙げられます。すでに多くの国際的な製薬企業が、CHOZNシステムを用いて臨床試験を行っていることから、GMPで管理された細胞ストックバイアルによる無菌リスクの低さ、TSE/BSEフリー条件の最小化など、正確な情報を提供することに問題はないと考えています。シアル酸含量が高く、細胞由来の副産物や不純物が少ないなど、望ましい品質を持つRCB(Research Cell Bank)クローンを選択する上でのリスクは内在しています。

 また、RCBクローンが一定の生産性を持ち、安定した細胞増殖プロファイルを持つかどうかを長期培養試験で確認する必要があります。潜在的な品質リスクとして、開発初期に一過性発現システムのリード材料試験環境で検証された標的タンパク質の結果と、CHOZNシステムを用いた実際の生産結果との間に相違が生じる場合があるかもしれません。

 私たちのビジネスは、マルチで特異的な治療用Fc融合タンパク質の創製に特化しており、製造安定性の高い生産細胞株を作成する中で、3g/L以上の生産性に重点を置いています。ただし、高投与量を必要とする組換えタンパク医薬品の場合は、より高い生産性を持つ細胞株が必要です。

 

■医薬品開発の迅速化を成功できた理由は何だとお考えですか。
 また、CHOZN細胞株を採用することで経済面でのメリットはありましたか

 組換えタンパク質医薬品のプロセス開発において、高い生産性と強固な増殖を持つ安定した生産細胞株の構築は、最初のボトルネックとなるステップであることは触れましたが、実際にメルクのCHOZNシステムの持つCHO-K1 GGS KO細胞株に加え、提供された適切なプラットフォーム培地を活用することで、遺伝子増幅のプロセスを経ず、平均3カ月で高い生産性と強固な細胞増殖プロファイルを有する信頼性の高いRCBクローンを選択することができました。ほかのCHO細胞株では、培養プロセスの開発時に、一貫した品質を維持しようとしても不安定になることがありますが、CHO-K1 GS KO細胞株で選択したさまざまなトップRCBクローンは、スケールアップしても安定性が高く、より増殖性を強化するリッチなさまざまな培地にも適応しやすく、結果として従来よりもプロセス開発期間を短縮することにつながりました。

 目的タンパク質に適した生産性と品質を持つ最終的な安定生産細胞株を構築するには、多くの時間や労力、経費が必要です。安定生産細胞株構築後のスケールアッププロセスを通じて、安定生産細胞株が不安定であれば、さらに時間と労力、経費が追加されます。CHOZNシステムを用いて、高い生産性と安定した増殖を持つ安定生産細胞株を作製すれば、このような複雑なプロセス開発時の状況においても、時間とコストを大幅に削減することができると考えています。

 

第2部 さらなる効率化に向けてのメルクの挑戦

 近年、高品質なタンパク質を発現できる高産生・安定クローン取得のニーズがさらに高まりつつある。メルクでは、さまざまなソリューションを提供し続けているが、その1つにCHOZN細胞株とUCOEによるOpen Chromatin構造の誘導を組み合わせたプラットフォームがある。グルタミン合成酵素遺伝子(GS)をダブルノックアウトしたCHOZNGS-/-細胞株を用いて、GS活性阻害剤のメチオニンスルホキシミン(MSX)を使用せず、目的タンパク質産生の高生産性クローンを選択、また、UCOE技術を組み合わせることで導入遺伝子のサイレンシングを防ぎ、安定した発現を実現させ、目的タンパク質産生のヒット率を大きく向上させるというものだ。

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 バイオ医薬品の生産性を確保するためには、最適な培地とフィードを選定する必要がある。メルクでは、EX-CELLAdvancedCellventoの2ブランドの培地とフィード製品も提供。さらに、プロセスを最適化するためのフィード検討や培地のカスタム製造で、ユーザーの生産性向上をサポートしている。

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上から)加藤氏・李氏・小沢氏

 「アップストリームエコシステムのコンセプトを提唱するメルクでは、バイオ医薬品開発・製造におけるSpeed to Market、生産性の最大化、品質要求への適合の3つを目的とした技術とサービスをグローバルで展開し、TAKE THE RIGHT PATH UPSTREAM という生産性向上を目指したキャンペーンを推進しています」とメルク社のアップストリーム事業でアジアパシフィックを統括している加藤真司氏は語る。

「細胞株以外にも関連技術として、Bio4C™ PATラマンソフトウェア搭載  ProCellics™ ラマンアナライザーなどの先端PAT技術の推進、 および、プロセス開発用最小2mLの灌流培養装置MobiusBreezやCellicon灌流培養ソリューションなど、次世代製造技術を統合展開するとともに、将来を見据えた細胞培養培地製造設備キャパシティ増強にも取り組んでいます」(テクノロジーアプリケーションエキスパート李寧氏)。

 「メルクには、高品質なタンパク質を発現できる高産生かつ安定クローン取得における長年の経験と実績があり、GMPで求められるトレーサビリティにも対応しています。CHOZN細胞株とUCOEプラットフォームやアップストリームエコシステムをご活用いただくことで、バイオ医薬品の臨床・商業生産を早期に、安定性高く実現でき、かつシンプルでリーズナブルなライセンス契約も特長です。テクニカルサポートも充実させているので、これからバイオ医薬品開発に取り組まれるという企業様、すでに取り組まれていてもさらに生産効率をアップさせたいという企業様は是非、メルクにご相談ください」(テクノロジーアプリケーションコンサルタント小沢貞雄氏)。

 GI Innovation社の成功事例からも、メルクのアップストリームエコシステムが、時間とコストというバイオ医薬品のプロセス開発のボトルネックを解決し、バイオ医薬品創出を加速させることに期待が寄せられている。

 

●その他の製品についてはこちらをご覧ください。

 


■お問い合わせ
メルク株式会社 プロセスソリューションズ事業本部
〒153-8927 東京都目黒区下目黒1-8-1 アルコタワー5F
TEL:03-4531-1143
URL:www.merckmillipore.jp

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