• PTJ ONLINE トップ
  • お知らせ
  • 【AD】卓越した分離技術で、視覚的に不純物を把握 さまざまな質量分析計とも接続可能の多次元HPLC

─AD─
卓越した分離技術で、視覚的に不純物を把握
さまざまな質量分析計とも接続可能の多次元HPLC

アジレント・テクノロジー

 核酸医薬品、抗体医薬品、ADCのような複雑なモダリティの分離分析で、異性体などのピークが重なって共溶出してしまい、その後の質量分析における脱塩も煩雑になってしまう課題を、一気に解決できるのがアジレント・テクノロジーのAgilent InfinityLab(Bio)2D-LCだ。同社が提供するMassHunterやOpenLab CDSなどのソフトウェアを活用することで、さらに効率的な分析作業が可能になる技術について話を聞いた。
 

■高分離・高ユーザビリティを達成させる2次元液体クロマトグラフィー

 医薬品の分析では、不純物を同定、定量することが極めて重要となるが、バイオ医薬品の場合はその特性上、異性体など、目的物質と近接するか重なってしまう不純物が存在する。従来の一次元クロマトグラフィーでの分離では、複数成分がほぼ同時に溶出する共溶出が起きてしまうため、個々の成分を正確に定量することは困難となる。

 また、分離後の質量分析(MS)に適合しない移動相やタンパク質溶液から塩類を除去する脱塩も煩雑な作業となるほか、保持の強弱課題などがあり、HPLCによる分離分析において別メソッドの検討が必要になるなど、課題は多岐にわたり、特性解析には時間とコストがかかる。この課題を解決するには、さらなる分離能力の向上に尽きる。

 アジレントは、2つのクロマトグラフィー条件を組み合わせることにより、通常のクロマトグラフィー条件では困難だった分離を達成する手法として、1次元目である第1カラムでの分離から溶出液のすべて、または、一部を2次元目である第2カラムに導入して分離する液体クロマトグラフィーを考案。膨大なデータを積み重ねて、装置の最適化を検討してきた。それによって、従来手法よりも高分離かつ高ユーザビリティを達成させた(図1)。
 

図1.jpg
     図1 共溶出する化合物を2次元目で分離

 InfinityLab 2D-LCは、図2に示すとおり、1次元目のポンプ、オートサンプラ後のカラム、そして検出器通過後、2D-LCバルブによって2次元目のカラム、検出器を通過、その後に質量分析計へとサンプルが導入される。

 特筆すべきは、InfinityLab 2D-LCは2次元と1次元双方の使い分けができることである。分離したい物質によっては、2次元分離は不要というサンプルも多い。同製品は、革新的な切り替えバルブによって、2次元と1次元の切り替えができるため、サンプルの特性に応じた分析が可能となる。

 

図2.jpg
               図2 InfinityLab 2D-LC の構成

 さらに、InfinityLab 2D-LCによって2次元マップで視覚的に違いを把握できる(図3)ほか、2次元目のカラムによってオンラインで脱塩できる。
 「InfinityLab 2D-LCは、ワークフローを簡素化・迅速化し、共溶出する化合物を分離するための最適なツール」とバイオファーマ・プロジェクトマネージャーの須澤祥貴氏は語る。

図3.jpg
 図3 2次元マップで違いを視覚化

■ソフトウェアとの組み合わせで効率化アップ

 InfinityLab 2D-LCの測定モードは、①未知サンプルや天然物、生薬、バイオ医薬品や複数サンプルの比較に用いられる「コンプリヘンシブ」、②MS導入前の脱塩や不純物分析、共溶出の確認に用いられる「マルチハートカット」、③クロマトグラムの特定領域をさらに分離する「ハイレゾサンプリング」の3つあり、簡単に切り替え可能である。ターゲット分析にマルチハートカット2D-LCを用いれば、1次元目で複数の不純物が1つのピークに重なり合っていても、そのすべてを1回の分析で分離して測定できるという。

 例えば、マルチハートカット2D-LCアプリケーションの場合、全体の測定時間を75%短縮でき、自動化によって以前のワークフローよりデータ品質・感度向上が図られ、サンプル消費量も減少させることができる。これらの測定モードとソフトウェアであるOpenLab CDSMassHunterを組み合わせることで、さらに効率的な運用が可能になる。

小林氏_0.jpg
     小林 聡和 氏

 OpenLab CDSは、UVおよびシングル四重極MSを使用した定性、定量ワークフローのための新しいフラッグシップソリューションを提供している。MassHunterは、アジレントの飛行時間型 (TOF)、四重極飛行時間型 (Q-TOF)、トリプル四重極、ICP-MSの各質量分析システムで、直観的でさらに強力な装置制御、データ取り込み、定性データと定量データの分析、レポート作成を実現。装置制御から最終レポートまでの MS 分析が簡単になるように、基礎からデザインされた MassHunter ワークステーションソフトウェアを、アプリケーションに特化した MassHunter ソフトウェアパッケージで補完すると、発現プロファイリングなどの専門的な分析作業をさらに効率的に行えるという。

 「当社のソフトウェアを活用いただくことでデータ解析が劇的に容易になる」と同社分析機器営業統括部門ラボインフォマティクス営業部の小林聡和氏は語る。

 

■困難な分離課題を解決、ユーザーの満足度向上

 「特定のピークをさらに詳細分析する際、分取LCで単離・精製してLC/MS分析するワークフローに比べて、2D-LC/MSでは少量サンプルでかつ短時間で質量分析まで行える。1次元目の複数ピークを2次元目でより詳細分析できるので、使い勝手という点でも満足している」と、オリゴ核酸のスペシャリスト企業の研究者は、その使いやすさと効率性を高く評価しているという。バルブやポンプなどの追加によって3次元、4次元の多次元分析も可能となっているため、1Dで陽イオン解析、2Dで脱塩・還元、3Dでトリプシン消化、4Dでペプチドマップという4D-LC/MSで抗体チャージバリアントの自動特性解析にも対応している。

須澤氏_0.jpg
  須澤 祥貴 氏

 従来の2D-LCは、モノクローナル抗体やオリゴ核酸分析において複雑、高価、品質管理向けではないと思われていたが、同社の2D-LCは簡単で、品質管理や規制にも対応し、低価格帯で提供している。さらに、2D-LCはアジレント社以外の質量分析計とも接続ができるのが特徴だ。

 「分析対象化合物がサンプルやマトリックスの複雑さのために、正確に測定できないことはよくある。2D-LCソリューションは、ピークキャパシティが非常に高く、すべての成分を1回の分析でまとめて測定できる。手作業での処理では、多くのワークフローが不必要に複雑化してしまうが、2D-LCならサンプル前処理や溶離液の脱塩など、手作業やオフライン作業が不要なため、ワークフローの簡素化も可能。みなさまのラボで活用いただくことで、劇的な効率化を実感いただけると確信している」(須澤氏)。

 

 アジレントでは、据付後すぐに使用できるサポート体制も整えているほか、幅広い2D-LCアプリケーションに役立つ資料やトレーニングコースも多数用意している。今後も、新モダリティ開発の効率化へのソリューションを提供していく同社に期待したい。

 

●その他の製品についてはこちらをご覧ください。
 


■お問い合わせ
アジレント・テクノロジー株式会社
〒192-8510 東京都八王子市高倉町9-1
TEL:0120-477-111 
E-mail:email_japan@agilent.com
URL:http://www.chem-agilent.com/

前のページへ戻る

この記事に関連する商材情報

こちらの記事もご覧ください

    TOP