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高薬理活性医薬品の開発・製造プロジェクトを成功に導く総合力
原薬・製剤・ADCペイロードリンカー

Lonza ┃ ロンザ

 2021年12月9日、幕張メッセで開催されたインファーマ ジャパンの特別講演にて、「高薬理活性医薬品の開発とスケールアップ」をテーマに講演が行われた。演者を務めたLonzaの早川道也氏は、昨今の医薬品市場を概観し、需要が高まっている高薬理活性医薬品の製造戦略や、特殊製剤技術を活用したプロジェクト推進のポイントを示した。

 

■市場に変化をもたらした要素

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早川 道也 氏 受託製造開発事業部  シニアマネージャー

 現在、世界の医薬品市場を取り巻く環境は大きく変化してきている。開発品の約30%が高薬理活性、複雑な構造を持つ分子が増加していることに加え、約70%に溶解性あるいはバイオアベイラビリティの問題があるとされる。また、全体の約80%のパイプラインがスタートアップなど小規模組織によるものであることも特長だ。薬効を強化する特殊製剤技術へのシフトも盛んであり、また約65%が迅速承認であるため短期間での開発が求められる。

 これらを俯瞰して早川氏は、「開発難度の高い分子が増加し、さらには開発期間短縮の要望が高まることで、より迅速に開発・製造を行うための専門知識や技術力が強く求められている。その中で、必要となる多様で高度な専門知識を持つ技術者を管理できるマネジメント能力と経験が非常に重要になってきている」と現状を総括した。

 

■高薬理活性医薬品で検討すべき事項

 演題にもある「高薬理活性医薬品」の開発・製造プロジェクトを例に考えても、早川氏の言う“多様な要素の管理”が重要だ。「高薬理活性原薬(HPAPI)においては、ただ封じ込めればよいのではなく、人的リソースが重要。高度な有機合成化学者はもちろん、毒性学や産業衛生学のエキスパート、エンジアリング部門、それらを俯瞰的に束ねる経験豊富なマネジメントチームがいることで、多角的な観点から適切なアプローチがとれる」と早川氏は指摘する。

 毒性学の専門家がいることで、安全性情報が少ない初期開発パイプラインでも様々なデータベースや知見を活用してバンド(OEB)を設定でき、開発が進み安全性が示された場合では不要なコスト上昇を避け、正しく評価を見直すことが可能になる。またエンジニアリング部門が関連部門と連携することで、アイソレーターのグローブの位置などの細かな点にも気を配って作業性を向上させ、様々な事態、例えば漏洩時の洗浄の容易性なども考慮して、総合的な生産効率を高めることができる。

 Lonzaはこうした多分野のエキスパート人材を擁しているが、当然その能力を最大限活かすハード面も充実させている。プロジェクトの開発ステージに応じて柔軟に製造スケールを選択することが必要になる中で、顧客ニーズに応えるため、数L~数十L規模(OEL>=1ng/m3対応)のリアクターから、最大で10,000L(OEL>=0.1μg/m3)のものまで取り揃えているという。作業員の安全性とクロスコンタミ防止、すなわち安全性と品質2つのポイントを押さえたうえで、様々なエキスパートによる複合的な視点からプロジェクトを推進することをLonzaは可能にしている。

 

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マルチパーパス HPAPI Kilo-Suite

 

■市場ニーズに対するLonzaの取り組み

 本稿の冒頭で触れたように、「高薬理活性で複雑な分子」、「薬効を強化する特殊製剤技術へのシフト」、「小規模企業による開発の増加」、「迅速な承認取得の必要性」、さらには「需要量の予想困難性」などが現在の市場の課題になっている。早川氏は、これらの課題を解決するためにLonzaが提供しているサービスを具体的に紹介した。

 まず、Lonzaならではの“総合力”によって、顧客を開発から商用生産までワンストップで支援する体制だ。ファーストインヒューマン(FIH)までの期間を迅速化すべく、原薬製造、中間体から微粒子化、製剤化までフルセットでサポートする『SimpliFiH®』というソリューションをはじめ、上市後の商用生産まで対応可能な体制を整えている。

 「特にリソースが限られる小規模企業では、原薬や中間体の製造開発を行うCDMO、製剤化のCDMOを別々に複数もち、複雑なサプライチェーンを管理することの負担は大きく、開発期間短縮やプロジェクト管理の負荷を考えると、統合された製造能力をもつ単一のCDMOと組み、全体のプロジェクトをシンプルでスピーディーに運用をすることが有利」と早川氏は指摘する。

 単一CDMOにすることで、複数と契約するよりも約24億円収益が向上するという調査の試算結果もあるというが、コスト面に加えて、データ共有、技術移管、契約やレポートなどのドキュメント統一化などは、多くの負担を低減できるメリットは大きい。開発から商用生産まですべてに対応できるLonzaだからこそ、顧客に提供できる価値だと言えるだろう。

 

■ADCペイロードリンカーでも迅速かつ柔軟な製造計画を実現

 Lonzaのこの“総合力”が、より高い技術レベルで発揮された例もある。ADCのペイロードリンカーに関するものだ。ペイロードリンカーは、一般に高薬理活性物質の中でも特に高い薬理活性をもち、また有機合成的に非常に複雑な分子構造を有している。商業レベルで大量かつ高品質な製造が求められ、主に適用される制がん剤は迅速承認になることも多いため、技術力だけでなくスピードも重視されるチャレンジングな開発プロジェクトだ。

 「当社が経験した実例で、技術移管を行いプロセス開発およびGMP製造まで移行した後、将来の需要増に対応するため、並行してスケールアップのための新設備の準備に取り掛かかり、商用生産まで移行したプロジェクトがある。この例では、ラボスケールから新製造設備設計と商用運用までを、わずか30カ月というタイムラインで行った」と早川氏は同社の実績を紹介。まさに市場のニーズに高いレベルで応えた実例だが、その成功要因は「高度な有機合成技術、産業衛生学、エンジニアリング部門と、それら専門家を適切に管理するプロジェクトマネジメントなど、強力なチームワークによるものだ」と早川氏は話す。

 また、Lonzaが現在進めている『モノプラント』というビジネスモデルも、先に挙げた「需要量の予想困難性」という課題に対し、迅速かつ柔軟な製造計画を目指す、Lonzaの示した1つの解答例だ。「多目的プラントで進めてきたプロジェクトも需要に応じて、モノプラントとしてプロジェクトごとの専用設備にすることで、切り替え洗浄のコストを低減し、適切な封じ込め、可能な限りの自動化によるコスト低減と急なニーズに応じて柔軟な製造計画を立てることができる」と早川氏はその特長と利点を説明した。

 

■豊富な実績が総合力を高める

 ADCに関してもワンストップサービスを提供していることもLonzaの大きな強みだ。先に述べたペイロードリンカーの製造はもちろん、コンジュゲーションの設備も、ラボでのプロセス開発に始まり、治験薬製造から600Lの商業生産まで対応する様々なサイズのリアクターを完備している。もちろん、ADC製造で必要となる抗体の製造はLonzaの得意技術で、生産施設もLonzaは世界7カ所に有し、さらに前述の「モノプラント」のバイオ版として「Ibex®」という最大20,000Lのリアクターを保有する超大型製造設備の建設もスイス・フィスプで進められ、既にいくつかのプロジェクトは商用生産を開始している(写真

 高い技術力とワンストップのサービス体制、多様なエキスパート人材など“多様な要素を管理”する“総合力”が高い、早川氏の講演ではLonzaのそんな特長が垣間見えたが、この“総合力”は実績を積み重ねることで日々高められている。

 Lonzaは2020年の段階で300以上の治験薬プロジェクトを世界中から受託しており、商用原薬や中間体も140以上、さらにブレークスルー指定された低分子プロジェクトに関しては、過去5年間で全体の約22%に関与しているという。また、高い技術力が求められるADCでも、世界で上市されている製品の半数以上をLonzaが手掛けている。

 「多くの実績があり、お客様からの厳しい要求にも応えてきたからこそ、鍛えられた部分がある」と早川氏は胸を張る。長年の実績と経験の積み重ね、教育による伝承が、Lonzaの“総合力”につながっているのだろう。

 

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スイス・フィスプにあるLonza のバイオパーク Ibex®では米モデルナ社のCOVID-19ワクチンも製造している

 

 ●その他の製品についてはこちらをご覧ください。

 


■お問い合わせ
ロンザ株式会社 受託製造開発事業部
〒103-0027 東京都中央区日本橋2-1-14 日本橋加藤ビルディング 9階 
TEL:03-6264-7630(代表)
E-mail:pharma-biotech-jp@lonza.com
URL:lonza.co.jp

 

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