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小規模バイオテック企業がLonzaのモノクローナル抗体(mAb)における専門性と
実績に価値を認める

Lonza ┃ ロンザ

 Lonza&Me_Logo.jpgLonzaの品質の評判や抗体分野の経験がいかにしてCorvus PharmaceuticalsのCPI-006抗体プログラム(現在、抗がん剤として開発段階、免疫不全および感染症の治療薬として研究段階にある)における医薬品受託製造開発機関(CDMO)選定の決め手となったかをお話しします。

 

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William B. Jones, Ph.D.,

●Senior Vice President of Pharmaceutical Development, 
   Corvus Pharmaceuticals
2012年12月~2014年12月にSanofi U.S.のオンコロジービジネスユニットにてグローバル規制関連業務部長を務め、2008年~2012年3月にはPharmacyclics社にてプロジェクト管理・規制関連業務部長を務め、イブルチニブ開発の立役者となりました。
Pharmacyclics社の前にはPlexxikon社の開発副部長とVertex Pharmaceuticals.社のシニア・プロジェクト・マネージャーを務めました。
シンシナティ大学にて化学の学士号および博士号を取得したのち、オックスフォード大学にて博士研究員を務めました。

 

 

 

■早くからオンコロジーに重点を置く

 Corvus Pharmaceuticals社は臨床段階の免疫学に重点を置くバイオテック企業であり、免疫系のなかでも最も重要な細胞要素をターゲットとする薬剤を開発している。治療が難しいがん、免疫不全および感染症のある患者のもとへ、巧みな設計のもと開発された薬剤を届けることに専念している。

 当社はPharmacyclics社に関与していたメンバーのグループによって設立された。そのなかにはPharmacyclics社とIDEC Pharmaceuticals社の両社の創業者のひとり、Richard Miller氏も含まれていた。私自身は2014年の終わり頃に参画した。同年にシリーズAラウンドの資金が調達された、その直後であった。当社は低分子アデノシン2A受容体拮抗薬CPI-444(シフォラデナント)をライセンスインし、同剤をがん免疫療法として開発している。当社の研究グループはT細胞リンパ腫および自己免疫疾患の治療を目的とする低分子ITK阻害薬、CPI-818の開発に当たっている。当社はがんおよび感染症の治療薬としてヒト化モノクローナルCD73抗体を開発している。このアゴニスト抗体は免疫細胞、特にB細胞を活性化するほか、抗原特異的な体液性免疫を刺激する。われわれはこの新しい作用機序を初めて明らかにした。

 

■経験豊富なパートナーに目を向ける

 われわれは低分子および免疫学の分野で経験を積んだ小規模なバイオテック企業(初年度の社員25名、現在は約40名)として、mAb製造をアウトソースする必要があり、抗体の開発、製造および商品化の経験が豊富なパートナーが必要であることを自覚していた。

 そこで、主に比較的規模が大きく、評価が定まった企業数社に提案を依頼した。いずれの企業からもほぼ同じタイムラインと費用が提示された。見積もりには少し差があったが、パートナーの選定を大きく左右するほどの差ではなかった。

 

Lonzaというブランドは、小規模なバイオテック企業にとって特に価値が高く、決定的に重要なファクターである。その名は信頼感や質の高い抗体スキルが提供されるという安心感を投資家や規制当局に与える。

 

■品質と評判を重視する選定

 企業選定にあたり差別化すべき点は、mAbの製造開発の経験と品質における評価であり、そこがLonzaを選定した理由であった。LonzaのmAb製造の実績は抜群で、当社に大きく貢献してくれた。私は別の会社に勤めていた時にLonzaと協働した経験があり、同僚の1~2名も同様であった。また、当社コンサルタントもLonzaを選定する決定に関与した。

 われわれにとって重要だったのは、Lonzaの品質の評判と抗体分野での専門性である。Lonzaは全世界の多くの主要保健当局による査察を定期的に受けてきた著名なCDMOである。すばらしい実績があり、医薬品の承認を得る能力は証明済みである。プロジェクトを推進できる可能性を最大限に高めるだけではなく、規制関連のサポート面でも価値がある。各当局はLonzaに精通していたため、Lonzaを選定することで、リスクを軽減しスピードを早めることに役立った。

 Lonzaというブランドは、小規模なバイオテック企業にはとりわけ重要で、決定的に重要なもうひとつのファクターであった。信頼感や質の高い抗体スキルが用いられるという安心感を投資家や規制当局に与える。Lonzaの評判はよく知られているため、パートナーであるということで協力企業や投資家に信頼感を与えるのだ。

 すでに申し上げたように、Lonzaの抗体における豊富な経験がCDMO選定の最大の決め手となった。当社は独自の遺伝子組換えIgG1抗体を開発しているため、抗体製造の経験が豊富なパートナーに目を向けるのは当然のことであった。CPI-006がLonzaの抗体プラットフォームおよび工程に適合したことから、当社のmAbを効率的に製造するLonzaの能力に絶大な信頼を置くことができた。

 実際に、臨床試験用に製造した3つのGMPロットは、前臨床試験を開始するために製造された250 Lのロット、さらにはそれ以前にラボで製造された10 Lと15 mLのロットとほとんど区別できないほどであった。これこそが当社のような信頼性と効率を求める新興企業にとって重要なことである。われわれは、当社の抗体が、以前に自社で製造したものとまったく同じ抗体になるというかなりの確信を持っている。この一貫性が最終的にタイムラインに役立つことは言うまでもない。

 

■Corvus Pharmaceuticalsだけが決定を推進したわけではない

 われわれの選定プロセスについて紹介してきたが、同じくらい嬉しかったのはLonzaが当社のプロジェクトに意欲を示し、それを引き受けるためのパラメータ作成に関心を抱いてくれたことである。Lonzaは当時、きわめて忙しい状態であったが、当社の事業に意欲を示し、当社のプロジェクトを迅速に開始させる柔軟性を見せてくれた。Lonzaはシンガポールの施設で細胞株の開発を完了したのち、イギリスのスラウの施設に細胞株開発の拠点を移してマスターセルバンクの確立、製造工程の開発、CPI-006の製造および試験に当たった。

 当初は工程がどのように機能するかという点で少し不確定な部分があったが、Lonzaは当社をサポートするため、最初から熱心に働いてくれた。このプロジェクトが開始してから、Lonzaはカリフォルニア州ヘイワードのほか、スイスのフィスプに施設を追加している。このことからも、小規模なバイオテック企業発のイノベーションに貢献するグローバルな能力を提供し、柔軟性を確保しようと尽力してくれていることは明らかである。

 

■小規模な企業の課題を理解する

 小規模な企業はパートナーCDMOに予測可能性を求めるが、数年の間に起こる事柄を予測するのはバイオテック企業にとって本当に難しいことでもある。このジレンマは新興企業やバーチャル企業をサポートするCDMOにとっても課題となる。

 われわれはその好例であることがわかった。当社はがん治療薬のほか、これまでに進めてきた研究に基づき、感染症の免疫療法としてもCPI-006を開発している。がん治療薬は高用量かつ高頻度の投与が必要なため、患者1例あたり何十グラムもの抗体が必要になる。免疫系の刺激に関する当社のこれまでの発見と、その後のSARS-CoV-2ウイルスの出現の影響で、当社は現在、さまざまな適応症についてもCPI-006が免疫を調節する可能性を探っているところである。最終的には、このことが何十?何百キロの抗体を必要とする状態から、10キロも必要としない状態へと、製造面での大きな変更が生じる可能性があるのである。Lonzaは当社と協働し、バッチのサイズと頻度の点で柔軟性を確保することにより、このような製造面の課題に対処してきた。

 Lonzaは5カ年計画を作成したいと考える一方で、当社の状況を理解し、臨床試験に向けてGMPバッチを3個(年1個を連続3年間)製造することにした。現在は、もっと多くの薬剤が必要となり、さらに大きなバッチサイズに規模を拡大できる状況にある。

 

Lonzaはわれわれが最大のリスクとその対応策について教えてくれた。そのような開かれた姿勢には計り知れない価値がある。

 

■対応が速く、感じがよい

 Lonzaのプロジェクトマネージャーとサイエンティストは当社の依頼への対応が極めて速かった。当初は異なる施設のプロジェクトマネージャー間の引き継ぎとコミュニケーションにいくつかの小さな問題があったが、それも解決された。

 現在、プロジェクトのさまざまな局面で、プロジェクトマネージャー4名および事業開発担当者1名と協働している。この5名のLonza社員が当社にとっての主な窓口となっているが、いつでも必要に応じてわれわれを個々の専門家につなげてもくれる。一方、当社は、遅れを避けるため、規制当局の担当者など、特定分野の専門家と直接連絡を取ることができる。

 Lonzaの専門家全員に当社のプロジェクトに携わってもらえたことは、とても有益であった。たとえば、CPI-006プロジェクトをスラウから別の施設に移すというアイデアが最初に提案された時には、両施設の担当のサイエンティストと話すことができたため、システムや設備、工程がどのように変更されるかという点、発生するおそれがある問題、その問題を軽減する計画を特定する作業など、工程の移行に関わる事柄をよりよく理解できた。つまり、Lonzaは最大のリスクとその対応策について教えてくれた。そのようなオープンな姿勢には計り知れない価値がある。

 

■目に見えて増していく柔軟性

 Lonzaと協働した最初の3年間は、工程のほか、プラットフォーム方式の利用に関してはアプローチがもっと厳格であった。いずれもよく機能したが、これまで当社のmAbについてはプラットフォーム方式が完璧に機能しないというまれな事例があった。Lonzaの柔軟性はここ数年間に著しく向上し、今では方式を変更する許容範囲がずっと大きくなっている。

 そのような変化には社風の変化も伴っていた。スケジュール調整はより柔軟に対応してくれ、当社のように小規模な企業(Lonzaの比較的大規模な顧客とは異なる観点のリスクがある)によりふさわしい、独特のアプローチを採用しようという意欲が挙げられる。

 Lonzaは費用や時間を削減するため、計算されたリスクを引き受け複雑なプロセスに応じるという意欲を高めてきた。信頼度が高い場合には、節約がわずかなリスク上昇よりも重要になってくると考えられる。

 

■ともに学び、進化する

 当社がLonzaと協働してきた5年の間に多くのことが変化した。CPI-006は当初、アデノシン一リン酸をアデノシンに変換するCD73酵素をターゲットとするべく開発された。アデノシンはがんに対して大きな役割を演じていると考えられた。事実、当社はがんにおけるアデノシンに初めて着目した企業の一社であり、おそらくはリーダーという位置づけであった。

 2019年秋、CPI-006がさらにB細胞を活性化することにより、免疫系を活性化することを発見した。さまざまなウイルスに対するワクチンの免疫応答のブースターなど、応用の可能性を検討した。COVID-19の大流行により、われわれはがんだけではなく、免疫関連の適応症を対象にCPI-006の影響を探りたくなった。当社は引き続き、CPI-006を使用するオンコロジー試験に注力しており、現在は第II相まで進んでいる。B細胞の活性化に関するわれわれの研究で興味をそそられるのは、CPI-006がオンコロジー以外にも応用できる可能性があることである。感染症への適応についても承認が得られれば、需要の一層の増加につながる可能性がある。

 Lonzaは当社のプログラムのこのような大きな変化に対応しうる戦略を計画する議論に参加してくれた。たとえば、われわれは2,000Lのリアクターを使用することを決定した。Lonzaにはそのようなリアクターが豊富にあるため、必要に応じて規模を拡大/縮小できるようになる。これは、Lonzaが当社のために実現しようとしている柔軟性のもうひとつの例である。

 Lonzaは2021年、予算の制約内で引き続きわれわれのプロジェクトを前に進めるよう、製造工程をイギリスのスラウからスイスのフィスプの施設に移転することを支援してくれている。ヨーロッパ、アメリカおよびアジアでの生産能力の拡大により、Lonzaは当社が今後の要求に残らず対応できるよう態勢を整えている。

 

■長期的となりうる関係

 ウイルス感染症の治療薬としてのCPI-006の研究はほかの多くの可能性の扉を開けた。CPI-006は感染症の治療薬としての可能性に加え、ウイルスによって誘発されるがんにも効果を発揮する可能性がある。われわれはこのような可能性に対応し、今後について見極めようとしているところである。

 いずれにせよ、われわれはLonzaが長期にわたってパートナーとなってくれることを期待している。CPI-006ががんだけではなく、ほかの適応症についても商品化されれば、Lonzaの製造支援が必要となる。当社はすでに、BLA(生物学的製剤承認申請)前の業務についてLonzaとの協議を開始している。当社がこの分子はもちろん、将来的にはパイプラインに秘められたそのほかの分子についても長期的な関係を築くことになる可能性がある。

 

 Lonza&Me_Logo_0.jpgLonza&Meは、Lonzaをパートナーとして選択したバイオベンチャー企業のストーリーです。モノクローナル抗体から複雑なタンパク質に至るまで、次世代のバイオ医薬品を開発する上での個々の道のりをシリーズで紹介しています。その他のストーリー(英語)はこちらから。

 


■お問い合わせ
ロンザ株式会社 受託製造開発事業部
〒103-0027 東京都中央区日本橋2-1-14 日本橋加藤ビルディング 9階 
TEL:03-6264-7630(代表)
E-mail:pharma-biotech-jp@lonza.com
URL:lonza.co.jp

 

 

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