• PTJ ONLINE トップ
  • お知らせ
  • 【AD】バイオ医薬品開発の迅速化と品質および経済性の両立 アップストリーム技術を中心としたトータルソリューション

─AD━
バイオ医薬品開発の迅速化と品質および経済性の両立
アップストリーム技術を中心としたトータルソリューション

メルク

寺島氏.jpg
寺島 伊予 氏

 

 9月28日~10月5日に配信されたファームテクジャパンWEBセミナーで「バイオ抗体医薬品需要と共に加速するメルクの細胞培養技術」と題して、メルク株式会社プロセスソリューション事業本部の寺島伊予氏が、バイオ医薬品開発の迅速化と品質および経済性を両立する同社のアップストリーム技術を中心としたトータルソリューションを紹介した。

 

 

 

■細胞株開発の時間とリソースを削減するソリューション

 バイオ医薬品の生産用細胞株の開発では、膨大な時間とリソースがかかることが大きな課題である。これを解決するのがバイオ医薬品製造向け「CHOZN®GS Platform」と、Open Chromatin構造を誘導するテクノロジー技術「UCOE®」である。

 CHOZN®GS Platformは、細胞株や発現用プラスミド、培地、そしてスケールアップをサポートするプロトコルとデータから構成される。このプラットフォームを利用することで、細胞株の開発期間を約20週間にし、作業人員はフルタイムの作業員1名で、高産生な安定したクローンを取得することが可能になる。CHOZN®GS Platformと合わせてUCOE®を利用することで、細胞株開発に必要な時間とリソースをさらに削減することができる。UCOE®は、ユビキタスクロマチンオープニングエレメントの略で、DNAのメチル化を低減し、オープンクロマチン構造を維持することで、安定した発現が高い領域に導入遺伝子が組み込まれる可能性を高める。

 CHOZN®GS Platformだけを用いたもの(コントロール)と、UCOE® を組み合わせた細胞株(UCOER)で、IgGの発現量を比較した事例を紹介した。トランスフェクション後のミニプールから96wellプレートに分割し、7日間増殖させたものの上清に含まれるIgG濃度を分析したところ、タイターが2mg/Lを超えるプールが、コントロールでは25%、UCOE®では85%となった。のちのスケールアップで成功する可能性が高い20mg/Lを超すプール数はUCOE®のほうが20倍となる結果であった。さらにスケールアップ後のタイター上位30個のうち、培地最適化前でタイターが3g/Lを超えるクローン数を比較すると、UCOE®ではコントロールの約2倍となった。

 このように生産性の高いクローンを効率よく選択できるUCOE®によって、細胞株の開発プロセス中にスクリーニングされるプールとクローンの数を削減できる可能性がある。また、より生産性の高いプールとクローンを特定できれば、タイターに妥協することなく、特定のタンパク質の品質プロファイルに一致するクローンを分離できる可能性がより高くなる。さらに、「この試験のIgGは比較的発現しやすい分子であったが、発現が難しい分子の場合には、UCOE® によるヒット率向上は、高い生産性のクローンを単離するのに特に役立つ」と、寺島氏は同社技術による細胞株開発の有用性を強調した。

 

■高い生産性のための培地開発戦略

 バイオ医薬品のスムーズな開発と高い生産性を実現するためには、高品質の培地を最適な使用法で用いて培養することが必要だ。
 「メルクはバイオ医薬品の生産性向上の新しい手法として、プラットフォーム化された培地とサプリメントの組み合わせで培地最適化をサポートしている」(寺島氏)と、同社の豊富な経験と開発力、グローバルネットワーク(図1)を活かして、バイオ医薬品の開発段階に応じた最適な培養を可能にするTurnkey solutionを紹介した。

 

スライド21_0.jpg
図1 メルクのグローバルネットワーク

 培地は、同社が開発したカタログ製品と、独自組成の液体・粉末培地の小スケールのカスタム培地製造サービス「imMEDIAte ADVANTAGE®」およびGMP製造用培地製造で、治験から商用生産まで、各段階に求められる品質・供給量に、タイムリーに対応する。カタログ製品には、各工程の最適培地を取りそろえている(図2)。

 

スライド28.jpg
図2 培地製品のラインアップ

 2020年に発売された「Cellvento®4CHO-X Expansion」は、シードトレインにおける細胞増殖フェーズに特化した培地である。播種からシードトレインへの段階的な培養拡大工程を、潅流培養法を用いたいわゆるN-1パーフュージョン培養のワンステップに置き換えることができる。高い生細胞密度の実現に加え、シードトレイン工程の日数削減や作業工程省略によるコンタミリスク低減、HCDC(ハイセルデンシティクライオプリザベイション)技術として凍結保存バッグを使用することで、複数品目への対応や生産計画変更の迅速対応を可能にする。培地の品質に大きく影響する微量元素管理には、2種類のサービスでサポートしている。

 一般的に培地成分には50を超える微量元素が含まれるが、それらは細胞の反応経路や産生タンパク質自体に影響を与え、生産性を下げることがある。同社開発培地では、規制対応文書サービスの「Emprove®Program」のOperational Excellence Dossierで、含有元素量データを提供する。一方で、カスタム培地では、Trace Element測定サービスで銅、マンガン、亜鉛、モリブデン、ニッケル、バナジウム、アルミニウム、セレン、クロム、コバルトのICP-MSによる定量テストの結果をオプションで提供する。

 同社では、これらの製品・サービスに加え、培養効率を向上させるOne-step feed最適化プラットフォームで、さらなるパフォーマンス向上をサポートしている。培地ブランド「Cellvento®」と「EX-CELL®Advanced」を複数の割合で混合して培養した際のタイターを調べたところ、単独培地の場合と比較して、最大で約2倍向上した。このときの最適な割合やタイター向上のメカニズムはクローンごとに異なることが分かっている。

 また、サプリメント「CellPrime®シリーズ」(図3)は、培地への添加で抗体糖鎖プロファイルをはじめとしたバイオ品質への影響を最小限に保ち、目的タンパクの産生量を向上させる。成分が明確で、非動物由来の完全合成で製造されているため、天然物由来成分のロット間のばらつきや供給の不安定さを解消し、厳格化が進む規制にも対応している。

 サプリメントの有用性について、ちとせ研究所との共同研究では、フェドバッチ培養でサプリメントの「EX-CELL®CD-Hydrolysate」添加の有無によるIgG産生量の違いを比較した。その結果、培養12日目のタイターが、培地のみでは約5g/L、サプリメントを加えたものでは約8g/Lと、1.5倍のパフォーマンスを達成している。

 

スライド33.jpg
図3 サプリメントラインアップ

 

■パッケージ化された規制対応文書サービスを提供

 バイオ医薬品の開発では、技術的な課題だけでなく、より複雑化、高度化するバイオ医薬品および原料の規制要件に対応しなければならない。同社は、規制対応文書提供サービス「Emprove®Program」の細胞培養培地製品に拡充し、製薬企業の品質保証をサポートする。

 文書は、3つのパッケージに分かれており、「Emprove®Material Qualification Dossier」には、プロセス資材や原料選定に重要な情報がまとめられている。リスクアセスメントのための「Emprove®Quality Management Dossier」には、サプライチェーンの情報やプロダクトクオリティセルフアセスメント情報が記載されており、「Emprove®Operational Excellence Dossier」には、培地に含まれる微量金属元素の濃度や、原材料の起源、分析手順が示されている。

 

●その他の製品についてはこちらをご覧ください。

 


【お問い合わせ】
メルク株式会社 プロセスソリューションズ事業本部
〒153-8927 東京都目黒区下目黒1-8-1 アルコタワー
TEL:03-4531-1143
Eメール:jppsmcom@merckgroup.com
URL:ホームページはこちら

 

前のページへ戻る

この記事に関連する商材情報

こちらの記事もご覧ください

    TOP