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「抗体医薬品」と「遺伝子・細胞療法」を主軸としたCDMO事業
CRO事業での実績を強みに、より柔軟に、信頼性高いサービスを提供
GenScript ProBio
2002年に設立されたGenScript社(本社:米国)は、世界に約4,600人(グループ全体)の従業員を擁し、中国、米国、欧州、日本に拠点を構え、世界100カ国以上の顧客にサービスを提供している。遺伝子合成関連製品のCRO事業をベースに成長を続け、探索段階から商用生産までトータルに顧客のニーズに応えるべく、2019年にバイオロジクスCDMO事業部門(2020年に「GenScript ProBio」と名称変更)を設立。事業を拡大して2年が経過したところであるが、その成長を支えるものは何か。GenScript ProBio CEOであるBrain MIN氏に話を聞いた。
Q. バイオロジクスCDMO「GenScript ProBio」の概要を教えてください。
2016年頃から、中国の新薬開発市場が急速に成長するのに伴い、グローバル企業が中国のCDMO事業へ参入してきていました。そのような市場拡大を背景に、GenScript社も2019年7月に中国の南京市郊外に、遺伝子合成、遺伝子組換えベクターの開発および構築から、抗体医薬品の開発、GMP製造までの受託サービスを提供する、R&Dおよび生産センターを完成させました。さらに南京市の東、鎮江市には抗体医薬品だけでなく、遺伝子・細胞療法についても、開発から商業化まで受託する施設が2021年後半から稼働します。
このように既存のCRO事業を拡大し、抗体医薬品と遺伝子・細胞療法の2領域をメインとするバイオロジクスCDMO「GenScript ProBio」を設立しました。“プロバイオ”という社名には、「プロアクティブ」、「プロフェッショナル」、「プロセス重視」という3つの基本理念が込められています。具体的にはプロアクティブはお客様のニーズを先取りしていくこと、そして誠実なプロフェッショナル・ソリューションをめざし、より良いサービスを提供できるよう科学的根拠と適切な品質に基づいた効率的なプロセスを重視したシステム・体制を構築しています。
GenScript社が培ってきた、CRO事業や抗体関連試薬事業における基盤を活かしたグローバルな顧客とのパートナーシップによる実績など、長い間CRO事業分野で構築してきたコンピテンシーは、GenScript ProBioの急速な成長の糧となっています。そして競合他社に比べ、より良い条件で顧客にサービスを提供できることが当社の特徴です。設立2年目ですが、急速な進歩を遂げ十分な基盤を備え、バイオロジクスCDMOとして世界市場に参入する力がついたと思います。
Q. 設立から2年で、どのようなビジネス展開がありましたか。
GenScript ProBioは、グローバルでさまざまなバイオテック企業との取り組みを展開しています。
最近の事例をいくつか挙げますと、Ligand Pharmaceuticals社(米国/サンディエゴ)とは、免疫原性、製造性、有効性について生体内で最適化された多様な完全ヒト抗体を生成するための、多種族抗体発見プラットフォームであるLigand Pharmaceuticals社のOmniAb®プラットフォームに関する戦略的ライセンス契約を締結しました。
また、がんを標的とした抗体医薬品の開発に注力しているSunRock Biopharma社(スペイン/ア・コルーニャ)と協力関係を構築し、SunRock Biopharma社のCCR9治療用抗体候補の抗体発見、細胞株開発、プロセス開発からGMP原薬・製剤製造サービスまでの、ワンストップ・ソリューションを提供しています。
さらにNeoletix社(中国/北京)とは、ヒト血液凝固第VIII因子の臨床および商業生産における協力関係を締結し、Neoletix社に200LのGMP組換え凝固第VIII因子(rhFVIII)を納入しています。
このように、顧客ごとに柔軟な提携が可能であることも当社の強みとなっているといえます。
Q. GenScript ProBioの今後のビジョンについて教えてください。
GenScript社の時代から数えると12年以上にわたって動物細胞株の開発を行ってきた経験があり、CDMOプロジェクトを商業化までスムーズに継続できるよう、独自の細胞株であるCHOK1-GenSを確保しています。これは、欧州のEuropean Collection of Cell Cultures(ECACC)から商用ライセンスを取得しています。これまでに300以上の細胞株開発プロジェクトを実施しており、30以上のCMCおよびCMOプロジェクトでCHOK1-GenSを使用してきました。そのうち、5件は臨床試験のためのINDを取得しており、引き続き細胞株開発プロジェクトは拡大しながら進行していくと思われます。
当初はターゲット探索案件が中心でしたが、2020年からCMCやIND案件も受託しており、開発段階に近い案件の活性化を目指しています。現在、顧客は中国50%、米国25%、アジア太平洋地域15%、欧州などで構成されていますが、われわれの目標は、今後ますますグローバルなCDMO企業になることです。
GenScript ProBioのサービスの主軸は、“抗体医薬品”と“遺伝子・細胞療法”の2領域です。抗体医薬品領域で提供しているサービス、ワンストップ抗体医薬品開発ソリューションには、抗体医薬品の発見(ハイブリドーマ、ファージディスプレイ、シングルB細胞、完全ヒトおよびバイスペシフィック抗体技術)、抗体エンジニアリング(抗体のヒト化、アフィニティ・マチュレーション、開発可能性の評価と最適化)、抗体開発(安定した細胞株の生成、プロセス開発)、および臨床および商業生産が含まれます。
もう1つの主軸となる遺伝子・細胞療法の領域は、抗体医薬品に比べると売り上げはまだ小さいですが、2020年の非臨床案件は前年の14件から29件、CMCは7件から14件、臨床試験は0件から14件と2倍以上に急伸しており、今後の成長が期待される分野です。
遺伝子・細胞療法の経験があることはGenScript社の強みであり、2014年にGenScript社の子会社としてスタートしたLegend Biotech社は、現在、中国の代表的なCAR-T企業となっています。Legend Biotech社はBCMA CAR-T「cilta-cel」で、“ベスト・イン・クラス”の可能性を示しています。cilta-celは2021年から2022年にかけて、アメリカ、ヨーロッパ、中国、日本で発売される予定です。
米国に続き、中国をはじめとするアジアでも、遺伝子治療や細胞療法の開発分野が急速に拡大していくなか、どの分野で専門性を高めていくかが重要です。当社では社内に遺伝子治療製品の専門家がおり、プラスミドやウイルスを製造するCDMOの機能もあるなど、遺伝子・細胞療法の技術も高めています。
Q. 今後の日本市場でどのような展開がなされますか。
GenScript ProBioでは、今後も抗体医薬品と遺伝子・細胞療法の2領域を主軸とし、経験豊富な人材、および探索段階から開発・生産までのさまざまな技術を、顧客のニーズにあわせて柔軟に活かし、信頼性の高いサービスを提供していきます。また、日本のお客様に対しても、日本国内に専門スタッフを置き、日本市場にあったサービスの提案・対応ができる体制を準備しております。
■Brain MIN, PhD
Amgen社(米国)で10年間の抗体探索の経験を積んだ後、2012年にSamsung Bioepis社(韓国)にてバイオシミラーの開発・製造を担当。2019年よりGenScript ProBioのCEOを務める。
【お問い合わせ】
ジェンスクリプトジャパン株式会社
〒101-0042 東京都千代田区神田東松下町48 ism 神田 4F
TEL:03-6811-6572
Eメール:japanmarket@genscript.com
URL:https://www.genscriptprobio.com