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データインテグリティ(DI)とデジタルトランスフォーメーション(DX)の先にあるもの-ロンザが提案する“DIX”による業務革新-
ロンザ

 5月25日~6月1日に配信されたファームテクジャパンWEBセミナーで、ロンザ株式会社バイオサイエンス事業部の下田由紀子氏が「DXを見据えたロンザからの提案」と題して講演した。下田氏は、ここ数年トピックとなっているデータインテグリティ(DI)やデジタルトランスフォーメーション(DX)についての情報を整理したうえで、これらを統合してさらなる発展をめざす“DIX”の取り組みを紹介した。

 

DIからDXへの変遷 ~課題解決から業務の改善へ~

 ここ数年、あらゆる産業でデータの正確性と一貫性をめぐる課題が認識され、製薬業界でもDI対策がトピックとなっていた。これはデータの電子化が進められたことで改善された部分もあるが、現在はさらにその先を見据えた動きとして、電子化データとプロセスの最適化によって業務革新をもたらすDXへの注目が集まっている。下田氏は「データとデジタル技術を活用し、顧客や社会ニーズを基に製品やサービス、ビジネスモデルを変革し、さらに業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革すること」がDXの定義だと説明し、「経営幹部、事業部門、IT部門等のあらゆる関係者が現状の課題等に関する情報を共有し、システム導入、ひいてはオートメーション化によってビジネスの変革を起こすもの」だとまとめた。

 プロセスとITの有機的な統合によりビジネスの変革が求められている今、下田氏の言うように、情報や課題の「共有」と、業務の「オートメーション化」という2つのキーワードを軸にすると、製薬業界におけるDX活用の姿が見えてくる。

 

医薬品生産におけるDXの活用

 世界の製薬企業やバイオベンチャーを顧客として生産や開発の受託サービスを展開し、品質管理関連製品のサプライヤーとしても実績を持つロンザでは、自社業務を支える基盤技術のIT化を進め、そのノウハウを顧客にも提供している。

 「製造とQCのデータを1つのプラットフォームで運用するために、ロンザは『The MODA™ Platform』という基盤システムを用いている」と下田氏(図1)。この基盤は3つのモジュールから構成されている。品質データと製造データを1つのシングルバッチとしてレコードに統合するMODA-ES™ Platform、製造現場の機器、場所、部屋のクリーニング情報をスケジュール化し、使用する洗浄剤や時間を含めて結果を記録するMODA™ eLogs、そして主に微生物試験、製造用水等の環境モニタリングプロセス管理のために設計・構築されたMODA-EM™ Solutionである。これらの運用によって製造とQCのギャップを埋め、組織内における情報や課題の迅速な「共有」につなげている。

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図1 基盤システム『The MODA™ Platform』とは

 

環境モニタリング業務に潜むリスク

 下田氏は、『MODA-EM™ Solution』の特長とロンザでの導入経緯を紹介することで、医薬品生産における紙から電子への管理移行、さらにはDX化への変遷を説明した。

 同社のみならず世界120サイトで使用されている『MODA-EM™ Solution』の導入目的は、紙の管理から脱却するというのが原点であった。バイオ医薬品の製造現場は清浄度が高いことが多く、日々大量のサンプルが発生する環境モニタリングのデータ管理は非常に重要になる。同社も10年以上前は紙でデータを管理していたが、重要データの抽出に時間がかかることや、サンプリング忘れなどの問題への対処、さらにデータ分析・管理のために情報をデータベースに転記するなど作業負荷が大きいという課題を抱えていた。

 これらに対しロンザでは、環境モニタリングにおける各プロセスのリスク抽出を行うことで最適化を図った。具体的には、作業を「Schedule」、「Sampling」、「Testing」、「Incubation」、「Result」、「Review & Approve」、「Trend & Analysis」、「Audit Trail」というアクティビティに分類し、サンプル欠落や記録方法、アクション/アラート見落としによる品質への影響等、各々のリスクを明確化することで、プロセス最適化の道筋をつけたのだ。そしてその結果導入されたのが『MODA-EM™ Solution』になる。

 

紙から電子、統合管理へと進化をもたらす『MODA-EM™ Solution』

 『MODA-EM™ Solution』は、「計画から承認までの記録を電子化し、トレンドデータ解析を含め多面的な解析に適用可能なシステムで、製造期間の延長や短縮へのフレキシブルな対応や、作業者付着菌、落下菌等の作業に依存してサンプル時間が変わるものなど、多岐の運用に対応可能」だと下田氏は端的に長所を紹介し、図2に示すようなソフトウェアで構成される同システムの特長を説明した。これらを総合すると『MODA-EM™ Solution』は、ライフサイクル全体を管理し、記録の同時性担保と業務負荷低減を実現するとともに、サンプリングポイントでの逸脱等の情報を現場・責任者が共有して迅速な意思決定につなげ、データが一元管理されるという統合型システムだとまとめることができる。現場の個別作業の効率を向上させ、データや課題を瞬時に「共有」することで、組織として機動的な意思決定を可能にするものだ。

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図2 MODA-EM™ Solutionの構成

 

さらなる業務革新へ、「オートメーション化」を推進

 『MODA-EM™ Solution』は、これまでは微粒子計、TOC計、LIMS、CAPAシステム等と接続してデータ収集を行ってきたが、現在は操作も含め「オートメーション化」できるようなシステムとの統合を強化している。下田氏は、その例としてエンドトキシン試験の完全自動化システムであるPyroTec™ PROシステムとの接続について紹介した。

 PyroTec™ PROは、プレート法の完全オートメーション化システムで、検体処理速度と高い再現性を追求するリキッドハンドリングプラットフォームをソフトウェアモジュールと連動させ、試験サンプルがシンプルか複雑かにかかわらず、「テンプレートの選択」、「ロボットデスクのセットアップ」、「アッセイの開始」という3ステップのタスクに落とし込むというものだ。自動分注機、エンドトキシン試験装置、解析ソフトがシームレスに統合することで完全オートメーション化を実現している。

 このシステムとMODA-EM™ Solutionを相互接続することで、サンプル情報をMODA-EM™ Solutionからエンドトキシン測定解析ソフトへ送り、サンプルのバーコードを読みとることで個別サンプル情報を正確に認識して分注を行う。そしてエンドトキシンの測定結果は責任者が承認することでMODA-EM™ Solutionへ自動送信されるという接続を可能とした。まさに、データや情報の「共有」と、操作の「オートメーション化」を同時に実現した例である。

 下田氏は、このオートメーション化システムのベネフィットとして以下6点をあげた。
①試験成績のトレンド分析機能を付加したトレーサビリティの高い自動化サンプル調整・メタデータの獲得
②マニュアルデータ入力の減少とテンプレート自動生成によるエラー削減
③ペーパーレスを実現し、マニュアルデータ転記、入力時のリスク排除
④マニュアル工程の減少によるコンプライアンス強化
⑤OOS/OOTのリスク削減による全体的な評価基準の改善
⑥LIMS統合によるサンプル使用期限の順守などトレーサビリティの強化

 

提案したいのは“DIX”

 講演の終わりに下田氏は、「ロンザはDIとDXの統合形、“DIX”を提案したい」とコメントした。「DIへの対応は紙ベースでも電気信号でも可能。しかしながら、その先のDX化をめざすとき、必ずノード間の電気信号等デジタル通信が必須となる。経営層の管理責任がより明確化される昨今、経営層は現場サイドの情報により迅速にアクセスしフィードバックする必要があり、それは今後その流れは加速する」とDX化の必要性を強調したうえで、DIを担保してDXにつなげる“DIX化”をさらに推し進め、顧客へのノウハウ提供を強化していきたいとした。

 


【お問い合わせ】
ロンザ株式会社 バイオサイエンス事業部
〒104-6591 東京都中央区明石町8-1 聖路加タワー39F
TEL:03-6264-0660
E-mail:lbstesting.jp@lonza.com
URL:http://www.lonzabio.jp/

 

 

 

 

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