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リスクを最小限に抑えるには
データインテグリティ対応のラボ機器導入がカギ

ザルトリウス・ジャパン

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古関 邦光 氏
プロダクトスペシャリスト

 
 4月21~28日に配信されたファームテクジャパンWEBセミナーで、ザルトリウス・ジャパンの古関邦光氏が「最新ラボにおけるデータインテグリティ対応と次世代の接続性:電子天びんを例とした解説」をテーマに講演した。
 「これからのラボ機にはコンプライアンス対応や通信設備への接続性が求められる。作業手順を含め、考えられるリスクをどのように最小限にできるのか」と問いかけ、同社の次世代型電子天びんを例に挙げながら、ラボ機が備えるべき機能について解説した。

 

 

 

■不正確データは、信頼とブランド価値を落とす

 新たにラボ機器を選定する際に大前提となるのが“信頼できる結果が得られる”かどうかだ。しかし、担当部署によって要求事項が異なることが少なくない。

 「ラボ機器に対する要求事項のハードルは年々、高くなっています。GxP品質システムの基本であるデータが不正確だと、製品の安全性や品質を損なうリスクが高まるだけでなく、製造のやり直しなどによって製品コストが上昇し、さらには私たちの健康と安全に悪影響を及ぼすことになります。不正確なデータは私たちを間違った決定に導いてしまい、その結果、企業の信頼が崩れるだけでなく、ブランドの価値を落とすことに繋がってしまいます」と古関氏は正確なデータの重要性を強調する。

 近年、データインテグティ(DI)の重要性が再認識され、各規制当局がガイダンスなどを次々と発出している。イギリス医薬品・医療製品規制庁(MHRA)のガイダンスでは、“システムおよびプロセスはDIの原則の遵守を促進するように設計されるべきである”と記載され、DIにおける重要な要素として「ALCOA+の原則」(図1)に触れている。

 「“ALCOA+の原則”はデータライフサイクル、グッドドキュメンテーションプラクティス(GDP)やDI対策に必要不可欠な要素だと考えられています。DIはコンピュータ化されたシステムでの新しい問題ではなく、手書きでの記録と電子データの双方に適用されるものですが、電子データとコンピュータ化されたシステムは、データの効率と信頼性を高めることができます。WHOのDIガイダンスでは、手書きや紙ベースのプロセスの場合、DIに対してのリスクが高まっているとの報告もあります」と付け加え、電子データ化した方が堅牢なDI対応が可能であると古関氏は示唆した。

 

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図1 ALCOA+の原則
データインテグリティにおける重要な要素

■DI対応しているラボ機器の導入が必要不可欠

 近年、DI対応の不備を指摘する事例が相次いで起きている。2018年にFDAが発出した全警告書の65%以上を占めているという報告もある。そのため、組織、アカウント制御をサポートし、DIに関する問題が発生しないよう可能な限り、プロセスを自動化する技術的な制御を有している最新ラボ機器の導入が不可欠である。

 「ラボ機側がサポートできることとして、具体的には監査証跡+アリバイメモリ、アクセス制御+ユーザ管理、バックアップ、電子署名、安全なデータ転送、時刻同期の手順などを、テクニカルコントロールでの制御により自動化してサポートできると間違いが少なくなります。いかにDI対応を行いつつ、リスクを最小限に抑えることができるかを考えることが重要です。実現するためには、リアクティブな考え方からプロアクティブに思考を変えるべきでしょう。当社の次世代型電子天びん『CubisⅡ』は、監査証跡やユーザ管理、バックアップ、電子署名、安全なデータ転送、時刻同期など、DI対応で求められる機能を備えており、追加ソフトなしで、一般的な規制への準拠をサポートするすべての技術制御が搭載されています」と古関氏は述べ、DI違反事例を挙げながら防ぐために必要なラボ機器について解説した(図2)。

 

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図2 FDA 監査時のDI 違反事例とDI 対応ラボ機器『CubisⅡ』の防止機能

■現在と将来の接続要件を満たす最新のラボ機器

 現在、製薬企業のラボではLIMSやELN(電子実験ノート)のようなソフトで試験データを集中管理することが増えている。その背景には、すべての結果を1カ所にまとめて容易に評価可能、コンプライアンスに基づくデータの取り扱い、ペーパーレス化などがある。しかし、LIMSなどと機器を統合する場合の懸念事項としては、統合のための標準化されたインターフェイスがない、既存のIT環境に適合しない、すべてのメタデータを含んでいるのか、DI対応への足りない部分を補足するためにコンバータやミドルウェアを導入し、その複雑さに対応する労力やバリデーション費用の問題などがあった。将来を見据えた接続方法として、ラボ機器には幅広い接続オプションをサポートしていることが求められる。

 「当社の『CubisⅡ』では、インターフェイスとプロトコルが簡単に統合できるように標準ITプロトコルが搭載されており、転送はHTTPSなど暗号化された安全で一般的なプロトコルが使用でき、さらにRESTWebサービスによって機器を双方向でLIMSやELNに統合する簡単な方法を提供することができます。また、ペーパーレス秤量、コンプライアンス対応印刷やHTTPSなどのサービスを介した安全なデータ転送できるほか、アボットインフォマティクス社のLIMSである『STARLIMS』と統合も可能です」と、古関氏は同社の製品を参考例に挙げながら、運用効率と実験結果を最大化させることもできるラボ機器は、現在と将来の接続要件を満たすことができる、先を見据えたものでなければならないと強調した。
 

●その他の製品についてはこちらをご覧ください。

 


【お問い合わせ】
ザルトリウス・ジャパン株式会社
〒140-0001 東京都品川区北品川1-8-11  
E-Mail:info@sartorius.com
URL:https://www.sartorius.com

 

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