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データ信頼性確保における本質を再確認
DI対応に必要な要素とバリデーションの重要性

SCIEX

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加藤 尚志 氏
SCIEX プロフェッショナルサービススペシャリスト

 

 5月25日~6月1日に配信されたファームテクジャパンWEBセミナーで、SCIEXの加藤尚志氏が『質量分析におけるソフトウェアバリデーションとクオリフィケーション―重要性の再確認』をテーマに講演し、データインテグリティ(DI)対応のポイントを端的に解説するとともに、同社が提供する多様なサービスを紹介した。

 

 

 

 

■GxP運用における本質

 昨今、ジェネリック医薬品メーカー2社がGMP違反によって行政処分を受けたことが大きな話題となっている。これまで日本では、“性善説”に基づいた品質管理が基本で、世界からその品質を高く評価されていたが、今回のGMP違反事例を契機に今後は、グローバリゼーションを視野に、“性悪説”にも耐えられる対応が必要になってきている。

 「これらGMP違反は最終製品に問題がなければよいという考えの表れで、Quality Cultureの欠如だという指摘を免れることはできません。GxPの目的は、ルールが存在する理由を理解し、表面上の作業に追随する行為から脱皮することです。これができなければ、本当の意味で適切な製品を供給することはできません」と加藤氏は、講演冒頭でこの問題について指摘し、GxPの本質を説いた。
 

■データの信頼性を左右する要素とバリデーション

 GxP運用の根幹をなすのがデータであるが、加藤氏はその信頼性を得るための要素を、①データが適切に管理・保管され改ざんされていないこと、②妥当性が確認された分析法によって得られたものであること、③高い性能が保証された分析装置であること、④適切な運用方法であること、と4点にまとめた。

 「これら必要な要素が保たれていることを第3者的に検証して、保証を与える作業がバリデーションです」と述べ、DIの基本事項として知られるALCOAやCCEA原則にも触れながら、“データ信頼性確保の要件”と、“バリデーションという企業が取り組む作業”との関係性を改めて整理した。

 「人間は失敗したり、魔がさすことがある生き物ですが、そういった誤った行為から得られるデータでは品質が担保できず、最終的に患者さんの生命や健康に影響が出てしまいます。そのため、仕組みとして悪さやミスが起きない状況を生み出すことが必要です。その担保がバリデーションになります。さらに、得られた結果が偶然ではないことの証明、つまり良い結果(製品)が必然的に得られたということを担保し、次回以降も同じ結果が強く期待できるようにするためにもバリデーションは必須です」と、重要性を強調した。
 

■バリデーション・クオリフィケーション実施の流れ

 バリデーションには、プロセスバリデーションやメソッドバリデーション、システムに関するバリデーション(CSV)など、さまざまな種類があり、さらにこれらを支えるものとして、装置が適切な性能を持つことを確認する適格性検査(クオリフィケーション)がある。装置の性能担保という意味では、クオリフィケーションはいわゆる点検作業と混同されることもあるという。

 「クオリフィケーションは、事前のリスクアセスメントを基に手順を決定・文書化して実施し、結果も文書化することでエビデンスを残すものです。つまり、現在の性能を評価して結果を記録する行為といえます。対して点検は、性能が出るまで修理をし、性能が出たことを記録する作業となるため、両者は明確に異なります」と加藤氏は説明した。

 DI対応上必須となるCSVは、ハードウェアとソフトウェアで構成されるコンピュータ化システムと、それによって制御される装置、SOP、運用担当のシステム取扱者すべてを検証の対象に含めた作業になり、業務量も膨大になる。

 具体的な流れとしては、まずバリデーションプランを作成し、システム中のリスクを評価してユーザー要求事項を作成、その実現のために必要な機能のリストアップを行う。そして検証のためのテストプランを作成し、レビュー・承認を経て実施した後、最後にサマリーレポートを出して終了となるのが一般的だ。

 対応する幅が広いため、専門部署や人員といった人的リソースに加え、年単位の期間が必要になることもある大仕事となる。また、近年FDAはWL中などでも、専門コンサルタントの利用を積極的に勧めており、コストの面でも企業の負担が大きくなっているのが現状である。
 

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図 SCIEXの提供するバリデーションサービス

■顧客負担を軽減するためのサポート体制

 このように、DI対応に必須でありながら企業の負担が大きいCSV業務をサポートすべく、SCIEXではクオリフィケーションとソフトウェアバリデーションの両面からサポートを行っているという()。

 まず、クオリフィケーションについては、に示すような項目を検証して対応している。IQ、OQ、PQはそれぞれ実施頻度や検証する内容も異なるが、各種規制要件において、定期的な実施が求められているOQに関しては、性能に影響を与える修理・部品交換が発生した場合や、年1回以上の定期点検時の実施を推奨するなど、規制要件に対応したうえで実運用を見据えたサポートの体制を整えている。

 ソフトウェアバリデーションでは、目的やカスタマイズ度合いによって、異なるグレードのサービスを用意しているという。ソフトウェアのIQ/OQ/PQのテストプロトコルと検証を提供する「Essential Software Validation」。FDAが要求する文書形式などに対応し、CSV全体を網羅する「Standard Software Validation」。顧客独自の要求仕様にもリスク評価やプロトコル作成などを行う「Advanced Software Validation」の3つだ。

 大きなシステムとして、CSVを実施する際の一部に活用可能なグレードから、独自要求仕様への対応を行うプランまで、顧客の実情に合わせたサポートを可能にしているのが特長といえるだろう。

 さらに、こうしたCSVサポート以外にも、独自のSOP策定やDI対応システム構築のコンサルティングを行う『SCIEXコンプライアンスコンサルティングサービス』、規制対象業務担当者向けの『Data Integrity & CSVオンサイトトレーニング』なども展開。基礎から
実践まで3つのプランを用意しているオンサイトトレーニングは、要望によってカスタマイズやオンライン実施も可能だという。

 

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表 SCIEXにおけるクオリフィケーションの検証・テスト項目

 本セミナーで加藤氏は、GxPの本質からDI対応の基本となるデータ信頼性の原則、さらにはバリデーション業務の基本まで幅広い話題を端的に解説したが、こういった専門知識に裏打ちされているからこそ、同社はCSVサポートやコンサルティング、トレーニング提供まで多様な顧客支援を行うことができるのであろう。

 


【お問い合わせ】
株式会社エービー・サイエックス
〒140-0001 東京都品川区北品川4-7-35
E-Mail:jp_sales@sciex.com
URL:https://sciex.jp

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